著者
小川 賢太郎 平山 育男
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.53, pp.541-542, 2010-07-18

柏崎市は「風のまち柏崎」と呼ばれるほど年間を通して風が強い。強風のため海沿いに砂丘が発達し、この上に成立したのが柏崎の町なみである。県内に同様の立地条件を持つ町なみは確認されなかった。高台となる町なみ全体に年間を通して強い潮風が吹き付け、これが金属製のゴミ箱を錆びさせる。そのため、柏崎の特に海沿いのゴミ箱は昔から使われてきた木製のゴミ箱である。柏崎の木製ゴミ箱は、歴史的に見ても古くから存在し、形や色、作りなどは柏崎の風土を色濃く反映している。即ち、柏崎にとって木製ゴミ箱とは柏崎の歴史と風土を映し出す、環境文化と言っても過言ではない。
著者
小川 賢一
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.77-80, 1992
被引用文献数
5 7

神奈川県川崎市内の住宅地域を流れる二ケ領用水で大発生するR. kyotoensisの飛群真近に音響トラップを設置して, ユスリカを捕獲する野外実験を初めて行った。飛群は水面上0.3∿2.5mの高さに形成され, 飛群を構成するユスリカの97%以上は雄であった。1989年および1990年の10月から12月にわたる実験期間中, 雄は周波数180Hzから300Hzの範囲の音響に対して顕著に応答し, トラップに誘引・捕獲された。この雄の音響応答において, 捕獲に最適な音響周波数と気温との間にきわめて高い正の相関が認められ, その音響周波数の変動が約11Hz/℃であることを明らかにした。また, 一定の気温条件下では, 雄が応答する音響周波数の範囲がかなり狭いことも示された。
著者
橋本 健一 飯島 和子 小川 賢一
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.201-206, 2008-11-25 (Released:2009-03-18)
参考文献数
23
被引用文献数
1

The photoperiodic response curve for pupal diapause induction of the white cabbage butterfly, Pieris rapae crucivora Boisduval was determined in several populations of the Japan Archipelago. Larvae were reared under different photoperiods ranging from 8L16D to 16L8D at 20±0.5°C. The critical photoperiods for pupal diapause induction were 14 h 40 min for the Iwamizawa population (43°10′N), 13 h 15 min for the Sendai population (38°15′N), 13 h 10 min for the Nagaoka population (37°23′N), 12 h 08 min for the Okayama population (34°39′N), 11 h 50 min for the Matsuyama (33°50′N) and Kagoshima (31°35′N) populations and 11 h 15 min for the Naze population (28°23′N). The critical photoperiod increases as latitude increases. This result suggests that adaptation to a cool climate in a higher latitude region shifts the critical photoperiod for pupal diapause induction towards a longer range. The developmental zero for the larval stage in the Sapporo (43°03′N) and Matsuyama populations was calculated as 9.8°C and 9.6°C for the larval stage, respectively. These results are discussed in relation to seasonal adaptation for each population.
著者
小川 賢治
出版者
滋賀文化短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

この研究において以下の点が明らかにされた。1.叙勲授与は天皇の神聖な意思によるものであり、その証明書である勲記は天皇の権威と切り離せない。それは、勲記における天皇自身の署名、「天祐ヲ保有シ万世一系ノ帝祚ヲ践タル」という修飾語の使用などに現れている。しかし他面、国家そのものが勲章の権威の源泉でもあり、こう解釈する場合には天皇の存在は不要となる。2.勲章制度の本質とも言える差別性は、勲記の様式にも現れている。上位の勲章の勲記には天皇の署名と璽があるのに対し、下位の勲記からはそれは省略されている。また、勲章授与の方式も、天皇親授・太政大臣伝達・賞勲事務局長官伝達、に区別され、参列者・式次第などに明確な格差が設けられている。3.明治時代を例に取れば、叙勲の一般的傾向としては、ア.多くが軍人に与えられている。イ.残りもほとんど官吏であり、民間人の叙勲者は極めて少ない。ウ.金鵄勲章受章の条件とされる「武功抜群」とは、現実には「戦死」を意味する場合が多い。4.軍人の叙勲を見れば、勲等は、爵位の有無・種類、階級の高低、軍における地位の上下、また、金鵄勲章の等級、などに、対応している。5.勲章の授与権者である天皇は、自らに仕える皇室関係者に手厚く勲章を与える。その対象は、皇太子等の教育掛に始まり、侍医、侍従、女官、天皇紀編纂者、宮殿設計者などに亙る。