2 0 0 0 OA 私の仕事流儀

著者
小林 長夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.507-509, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
11

動植物中には多くの機能中心として金属ポルフィリンが存在し、又類縁体である人工のフタロシアニンは多方面で応用され“機能性色素の王様”と呼ばれるにふさわしい化合物である。機能にはしばしば色が関係しており、色は更に吸収スペクトルと関係している。ポルフィリン類の幾何構造と分光学的データからそれらの相関を理論的に解釈し、未知ポルフィリン色素をデザインする際の指針とする事を目指した。
著者
村中 厚哉 久保 恵子 畑野 光賞 内山 真伸 小林 長夫
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.50-50, 2006

ツユクサの青色色素コンメリニンは、アントシアニン、フラボン、マグネシウムイオンからなる金属錯体超分子構造をとる。本研究ではコンメリニンの青色発現機構を調べるため、1)励起子理論、2)時間依存密度汎関数理論による吸収・円二色性(CD)スペクトルを計算した。計算にはコンメリニンのX線構造の座標を用い、アントシアニンダイマー、トリマー、ヘキサマーの各理論スペクトルを計算した。ヘキサマーの理論吸収・CDスペクトルの特徴は実測の吸収バンドの分裂とCDパターンを再現した。
著者
高石 詩織 福田 貴光 小林 長夫
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.1P63, 2011

フタロシアニン(Pc)は高い平面性を有する18π共役系の機能性色素分子であり、その二量体はPc間の励起子的・電子的な相互作用のため、構造や結合様式によって特有の性質を持つことが知られている。本研究では、ビフェニルユニットで連結したプロペラ型のPcダイマーを新たに合成し、その分光特性の解明を行った。目的のPcダイマーは、吸収および円偏光二色性(CD)スペクトルにおいて、Pcユニット間の励起子的な相互作用と、Pc平面間のねじれによる特異な光学活性を示した。本発表では、Pcダイマーの磁気円偏光二色性(MCD)スペクトル、理論計算についても議論する。
著者
高石 詩織 福田 貴光 小林 長夫
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.158-158, 2009

フタロシアニン(Pc)は平面π共役系の機能性色素分子であり、その二量体であるPcダイマーはモノマーとは異なる性質を有することが知られている。ビフェニル連結型のPcダイマーは、ビフェニルの二面角が固定され2つのPcがねじれた構造の非平面型ダイマーになると予想されることから、これまでのダイマーにない新たな物性の発現が期待される。本発表ではそのようなビフェニル連結型Pcダイマーの合成と分光学的性質について報告する。
著者
村中 厚哉 安池 修之 劉 青原 栗田 城治 小林 長夫 吉田 健吾 内山 真伸
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.314-314, 2008

インドール・ベンゾフラン誘導体のN原子やO原子を重原子に置換した一連の化合物の電子状態について研究を行った。16族のヘテロ環化合物の電子吸収スペクトルにおける最低励起エネルギーは、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、ベンゾテルロフェンの順に原子半径に比例してレッドシフトしたが、インドール、ホスフィンドール、アルシンドール、スティビンドール、ビスムインドールの1-フェニル誘導体ではこのようなスペクトルシフトは観測されなかった。円二色性、磁気円二色性分光法と時間依存密度汎関数法を用いて観測された電子吸収スペクトルの帰属を行った。分子軌道を解析し、電子構造におけるヘテロ原子置換の効果を明らかにした。
著者
本間 茂継 福田 貴光 小林 長夫
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第17回基礎有機化学連合討論会
巻号頁・発行日
pp.105, 2004 (Released:2005-03-31)

フタロシアニン(Pc)は高い平面性を有した巨大π共役系分子で、650_から_700nmにかけてQ帯と呼ばれる大きな吸収を持ち、主に感光体・光記録媒体などの機能性色素材料として利用されている。近年我々はPcの周辺にフェニル基のような嵩高い置換基を導入することによって骨格に大きな歪みを有したPcを合成したが、その構造および物性に関する知見は十分ではなかった。そこで本研究ではPcの性質的変化を見積もるために、Pcのα位に段階的にフェニル基を導入した6種類のZnPcシリーズを合成し、結晶構造解析からシリーズの歪み具合を定量化し、最終的に吸収スペクトル等の測定から電子状態の変化について検討を行った。
著者
宇野 英満 山田 容子 奥島 鉄雄 小林 長夫 森 重樹 KIM DongHo
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

申請者は、高共役π電子系化合物の合成法として、前駆体を最終段階で熱逆Diels-Alder反応や光脱硫化カルボニル反応などのペリ環状分解反応によりπ電子系を融合する方法を開発した。これらの前駆体化合物は、通常の溶媒によく溶けて酸化されにくく、精製が簡単な化合物である。前駆体で精製しておけば、目的の高共役化合物を高純度で得ることができる。この方法を発展させ、高純度の様々なπ電子系の融合した化合物群を合成し、その基本的な諸物性を明らかにした。