著者
星合 隆成 小柳 恵一 ビルゲ スクバタール 久保田 稔 柴田 弘 酒井 隆道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.411-424, 2001-03-01
被引用文献数
46

本論文では, 意味情報に基づいて, イベントを目的地まで配送することが可能な意味情報ネットワーク(SION : Semantic Information-Oriented Network)を提案する.SIONを用いることにより, ブローカを介することなく, 情報提供者が, 提供するに相応しいユーザに対してのみ, 自身の情報を直接提案することが可能になる.また, 不特定多数のエンティティのなかから, 対象となるエンティティをスケーラブルかつリアルタイムに探索・発見することが可能になる.更に本論文では, SIONを実現するための要素技術であるイベントルーチング方式, ウェデレーション方式等について示す.また, SIONの効果を明らかにするとともに, SIONのキラーサービスであるコミュニティサービスについて説明する.
著者
武本 充治 大石 哲矢 岩田 哲弥 山登庸次 田中 洋平 徳元 誠一 島本 憲夫 黒川 章 須永 宏 小柳 恵一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.418-433, 2005-02-15
参考文献数
32
被引用文献数
15

新しいネットワーク技術と端末技術が開発されることにより,近い将来ユビキタスコンピューティング環境が確立されるが,その環境でユーザにサービスを提供する方法については,まだ十分な技術が開発されていない.我々は,ユビキタスコンピューティング環境に適したサービス提供方法を実現するUbiquitous Service-Oriented Network(USON)アーキテクチャを提案した.USONアーキテクチャにおいては,サービス提供は,サービステンプレート(ST)に基づき,サービス構成要素(SE)を組み合わせることによるサービス合成と,SEとSTの使用履歴などからSTを生成するサービス創発から構成される.STは,BPELなどのワークフロー型サービス連携技術をユビキタスコンピューティング環境に拡張したものであり,SEは,Semantic Webなどと同様に,Semanticsを持つものである.本稿では,主に,サービス合成を実現するために必要となる基本的な機能とその実装について述べ,それらを実際に利用してのアプリケーションを使っての機能検証を行う.本稿で提案する技術により,近い将来のユビキタスコンピューティング環境におけるサービス提供が可能となる.While new network technologies bring ubiquitous-computing environments ever closer, methods to provide suitable services within such environments remain immature. We describe the Ubiquitous Service-Oriented Network (USON) architecture, a new service-provision architecture, covering the basic concept, components and their roles, and the service-provision mechanism. A USON provides services in two phases, a service-composition phase in which service elements (SEs) are combined on the basis of service templates (STs), and a serviceemergence phase in which a new ST is obtained on the basis of the history of usage of SEs and STs. An ST is an extention of workflow-stype service-coodrination description and an SE has the semantic information suitable for ubiquitous-computing environment. This paper mainly describes the functions of USON service-composition, their implemantations using P2P technologies and evaluation with actual applications. The establishment of USON technologies on networks will provide various services within ubiquitous-computing environments.