- 著者
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高橋 栄一
小池 汎平
田中 英彦
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.7, pp.867-876, 1991-07-15
- 被引用文献数
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本研究は 大規模な知識処理の高速実行を目的として研究を進めている並列処理マシン PIE64の相互結合網の開発関すもので.一般に並列計算機において 相互結合網は計算機アーキテクチャの良否決定する重要なファクタの一つであり 相互結合網の性能や特徴は システム全体の処理能力と処理方式に重要な影響を与える.PIE64におけるプログラムの実行は 細粒度のプロセスを動的に生成し かつ割り付けろことにより行われ この実行過程で発生するプロセッサ間通信を効率的に支援するような特性を有する相互結合網を構成する必要がある.本稿では まず PIE64の相互結合網としてどのような構成のネットワークが最適かを考察し (1)回線交換 (2)ノンバッファリング (3)多段網 (4)動的負荷分散支援 (5)二重構成(同一構成の独立した二つのネットワークを用意)などの特徴を有するネットワークが PIE64 の相互結合網として妥当であることを述べる.次に 相互結合網ハードウェアの実装方法を検討し 実際の実装過程について説明する.最後に 作製した相互結合網ハードウェアの予備評価として 経路設定や転送遅延など基本的な機能や信号伝送路の品質などの電気的特 性の測定結果を検討し PIE64の相互結合網として十分な性能を持つことを示す.