著者
小濱 剛 加瀬 ちひろ 佐藤 那美 鷹野 翔太 山口 太一 山本 俊政
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.12, pp.79-84, 2019-02

近年、世界的な水産資源の需要増加に伴い、好適環境水等の人工飼育水を用いた閉鎖循環式陸上養殖が注目を浴びている。本研究では、カクレクマノミ及びニホンウナギをそれぞれ対象にして、人工海水と好適環境水における行動特性の相違を検証する事を目的とした。カクレクマノミの行動結果より、水槽内の平均利用場所は、人工海水下では上面および下面利用率が同等だったにもかかわらず、好適環境水下では下面の利用率が大幅に増加した。条件提示直後の平均活動性より、人工海水提示直後に比べ、好適環境水提示直後で境界線の通過回数が半分以下になることから、現行の好適環境水がカクレクマノミに適さないことが示唆された。一方、ニホンウナギにおいては行動を抑制させるような結果は見られなかった。以上の結果から、好適環境水の塩分及び成分比について、飼育魚種毎に明らかにする必要があると推察された。
著者
渡邊 栄治 尾関 孝史 小濱 剛
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.41-44, 2014

面接においては,回答内容だけでなく,受験者の動作(視線,顔の動きなど)が面接官の評価に大きな影響を及ぼすことがある.また,面接官の評価は面接官の動作として表出され,受験者にフィードバックされるなど,両者による動作の間にはインタラクションが生じる.本報告では,模擬面接における受験者による動作を分析した結果について報告する.具体的には,受験者の動作と面接官による評価との関係について検討する.
著者
和宇慶 真 小濱 剛 吉田 久
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.55Annual, no.3PM-Abstract, pp.219-219, 2017 (Released:2017-09-13)

脳活動を非侵襲的に計測する手法としてfNIRSが広く利用されている。これは脳神経活動により発生する酸素消費を、近赤外光を用いて血中ヘモグロビン濃度の変化として観測するものである。しかしながら、fNIRS観測信号には生理学的要因によるものや、身体の動きに伴う全身性の血流量変化が含まれる。本研究ではこれらの問題に対し、Yamadaらの分離モデルを用いて観測信号を機能成分と全身成分に分離した。また、先行研究では機能成分の係数をグローバルな値として-0.6に固定していたが、計測部位によって有意な差があったため、全ての係数を数値計算により動的に決定した。このモデルを用いて観測信号を分離した結果、被験者の動きによる大きな血流量変化が全身成分として分離され、機能成分のベースラインが安定した。また、機能成分の係数を固定した場合に比べ、全ての観測信号において相互情報量が小さくなった。この結果は、計測領域やタスクによって最適な係数が異なる可能性があるため、検討の余地があると考えられる。
著者
渡邊 栄治 尾関 孝史 小濱 剛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J97-D, no.12, pp.1725-1728, 2014-12-01

本論文では,e-Learningにおける受講者の取り組みを明確にするために,ノーティングの動作を分析する.まず,ペン先を検出するための手法及びノーティング動作を分類するための手法について述べる.つぎに,ノーティング動作の検出結果から,ノートだけでは抽出できない受講者間の差異を明確化できることを示す.
著者
山下 輝彦 小濱 剛 神山 斉己
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.16, pp.23-26, 2011-03-08

本研究ではサッカード眼球運動の発生メカニズムを解明することを目的として,前頭眼野から脳幹網様体に至る神経細胞ネットワークの数理モデル化を行った.神経生理学知見に基づけば,サッカード発生の際には,まず前頭眼野でサッカード計画が生成され,黒質網様部を介して中脳の上丘に達し,サッカード命令に変換される.上丘では,視線の移動量と移動速度に関する信号に符号化して出力され,これが脳幹網様体に伝達されて眼筋の収縮をもたらし,サッカードとして表出する.前頭眼野,上丘,および脳幹には,注視時に持続的に活動する注視細胞や,サッカードの準備段階で活動を開始するビルドアップ細胞,サッカードの直前に活動するバースト細胞などが存在することが知られているが,そのネットワークや統制のメカニズムについては,未だ完全には解明されていない.提案モデルは,解剖学的知見に基づいてサッカードに関与する神経系のネットワークを定式化し,サッカード時の各部の神経応答の再現を可能としたものである.シミュレーション実験の結果,エクスプレスサッカード時の神経応答をよく再現することが示され,アンチサッカード時の上丘中間層細胞の応答をも再現が可能であることが示された.このことから,サッカード生成メカニズムの数学的な表現として,ある程度の妥当性を持つことが示唆された.