著者
金城 邦夫 小濱 継雄 垣花 廣幸 Kinjo Kunio Kohama Tsuguo Kakinohana Hiroyuki 沖縄県ミバエ対策事業所 Okinawa Prefectural Fruit Fly Eradication Project Office
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.25-30, 1991-07

品種Nco310の夏植収穫茎で1.赤腐に関与する蔗茎の損傷原因、2.メイチュウ類による加害と赤腐の発生について調査を行った。1.赤腐の発生茎率は90.0%で赤腐節率は17.4%であった。2.赤腐節の損傷には、メイチュウ類の食入孔(84.1%)と、成長亀裂(8.8%)があった。赤腐の発生にはメイチュウ類の加害が大きく関与していた。3.メイチュウ類の食入があった場合、その内の80.0%が赤腐に結びついていた。
著者
桜井 宏紀 田畑 幸司 照屋 匡 小濱 継雄
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.31-38, 1996-11-28

ガンマ線照射によるウリミバエ(Dacus cucurbitae Coquillett)雌の不妊化機構を解明するため,卵形成と中腸に及ぼすガンマ線照射の影響を超微形態学的に検討した。正常虫では羽化後直ちに第1卵胞が交互栄養室型卵管の生殖巣より分化した。栄養細胞と濾胞上皮細胞は卵母細胞の成長に関連した形態学的変化を示し,羽化後8日以降に成熟卵が形成された。一方,照射虫の卵巣小管では卵原細胞は核濃縮や核融解を起こした。ライソブームは前栄養細胞の崩壊,凝縮,融解に関与し,生殖巣は空隙化した。観察結果から,70Gyの線量のガンマ線照射によりウリミバエの卵形成が完全に抑制され,雌の不妊化を引き起こすことが示された。正常虫の中腸の上皮の円筒細胞は分厚く,細胞の上縁部より腸の内腔に向かって微絨毛が密生していた。腸内には棹状の細菌が少数存在したが,それらは囲食膜によって吸着され溶解した。一方,照射虫の中腸上皮の円筒細胞は日令の経過に伴い薄層化し,中腸後端部の腸内には棒状の細菌が退化した囲食膜にそって多数存在した。観察結果から,ガンマ線照射によって中腸上皮細胞と囲食膜に障害を生じ,栄養欠乏を起こして最終的に成虫の寿命が低下することが推察された。