著者
高橋 純一 大庭 伸也 熊野 了州
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

対馬、壱岐、北九州、大分に侵入した特定外来種ツマアカスズメバチについてミトコンドリアDNAの全長解析から国内に侵入した個体間には遺伝的変異は存在しないこと、自然分布地の中国、台湾、ベトナム、中国浙江省の個体と一致することがわかった。食性は樹冠に生息する昆虫類であることをDNAバーコーディング法により明らかにした。捕獲トラップは地上部よりも、樹冠10m付近が最も多く捕獲することができた。繁殖は、主に樹冠で交尾をするキイロスズメバチと交雑をしており、在来種に対して繁殖干渉を行っていることがわかった。
著者
貴島 圭介 普天間 斎 喜久村 智子 大野 豪 熊野 了州
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.64-71, 2013-11-29 (Released:2015-10-14)
参考文献数
16

園芸作物の施設側面の防虫ネットへのマシン油乳剤噴霧による,施設内へのタバココナジラミ成虫の侵入防止効果を検討した。室内試験において,本種成虫の目合い1mmの防虫ネットの通過率は85%以上であったのに対し,同防虫ネットに100倍および2倍希釈のマシン油乳剤を噴霧した場合,通過率はそれぞれ15.7% と0%であり,顕著な通過防止効果が認められた。野外の施設において,同防虫ネットに2倍希釈のマシン油乳剤を処理した区としない区を設け,施設内のキュウリ葉上におけるタバココナジラミ成虫の密度を調査した結果,調査期間を通して処理区の虫数は無処理区の4分の1程度に抑えられ,マシン油乳剤処理の侵入防止効果が認められた。以上の結果から,目合い1mmの防虫ネットへの2倍希釈のマシン油乳剤噴霧処理はタバココナジラミの侵入防止に効果的であると考えられた。