著者
板宮 朋基 村上 智一 小笠原 敏記 川崎 浩司 下川 信也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_773-I_778, 2018 (Released:2018-09-12)
参考文献数
19

最大級台風の最悪コースによる三大湾への襲来に対する高潮浸水予測の数値計算は,これまで数多く行われている.その結果は自治体などにおいてハザードマップなどの防災情報として活用されている.しかし,地域の住民や子供たちに有益な防災情報として提供していると思われがちであるが,実際には災害をリアルに捉えることが難しく,発災時に取るべき行動を,感覚的・知覚的に学ぶことができない.そこで本研究では,数値計算で得られる高潮浸水の結果を基に,専門知識がない人でも直感的に浸水状況を理解してもらうため,VR(人工現実感)ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた高潮想定没入体験システムの開発と有用性の評価を行う.HMDはスマートフォンに装着して用いるため,1セット当たり約9万円と低価格で構築でき,運用が容易である.
著者
小笠原 敏記 佐々木 信也 堺 茂樹 古川 隆
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1346-1350, 2006
被引用文献数
1

ワークショップ (WS) を通して, 避難上の問題点を明確にし, その対策案に基づいた行動計画を実施するまでの過程を報告して, 自主防災力の意識向上に対するWS効果を検討する. さらに, アンケート調査より平成15年十勝沖地震と平成17年11月の三陸沖の地震で発令された津波注意報に伴う避難の実態を明確にし, 同時に避難行動に及ぼすWSの影響も明らかにする. その結果, 視覚的に理解し易い情報・資料の提供や, 計画を立て実際に歩くという行為, 同じ問題を参加者で考えて行動に移すことができる場がワークショップの重要な役割と言える. しかし, 避難行動の意識向上にWS効果が見られたにも関わらず, 避難行動に及ばない実状が明白となった.
著者
小笠原 敏記 岩間 俊二 堺 茂樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_301-I_305, 2014 (Released:2014-11-12)
参考文献数
6

In the Great East Japan Earthquake, we clarified that Ohtanabe fishing ports have fully function as tsunami mitigation using tsunami simulation. The process in which tsunami develops or propagates is very different depending on the presence or absence of the fishing ports. Especially, if there were not the fishing ports, the tsunami height increases more than 60% at the front of Ohtanabe seawall and the inundation height increases twice at the area inside the seawall. Furthermore, there will be also strongly possibility that the large amount of water is stored within the seawall for a long stretch of time. Therefore, we learned from the disaster that a multilayered defense system should be built to minimize damage in the event of a disaster that overwhelms disaster prevention infrastructures.