著者
板宮 朋基 村上 智一 小笠原 敏記 川崎 浩司 下川 信也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_773-I_778, 2018 (Released:2018-09-12)
参考文献数
19

最大級台風の最悪コースによる三大湾への襲来に対する高潮浸水予測の数値計算は,これまで数多く行われている.その結果は自治体などにおいてハザードマップなどの防災情報として活用されている.しかし,地域の住民や子供たちに有益な防災情報として提供していると思われがちであるが,実際には災害をリアルに捉えることが難しく,発災時に取るべき行動を,感覚的・知覚的に学ぶことができない.そこで本研究では,数値計算で得られる高潮浸水の結果を基に,専門知識がない人でも直感的に浸水状況を理解してもらうため,VR(人工現実感)ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた高潮想定没入体験システムの開発と有用性の評価を行う.HMDはスマートフォンに装着して用いるため,1セット当たり約9万円と低価格で構築でき,運用が容易である.
著者
川崎 浩司 下川 信也 村上 智一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_211-I_216, 2016 (Released:2016-11-15)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

近年,地球温暖化による台風の強大化と海面上昇が危惧されており,過去最大級の伊勢湾台風を上回る巨大台風の襲来が及ぼす影響について検討することは重要である.つまり,襲来する可能性がある台風の規模と台風襲来によって起こりうる高潮災害の規模を予測することが必須となる.そこで,本研究では,伊勢湾湾奥部を対象に,室戸台風級の超巨大台風時,および現在/将来気候から予想される最大高潮条件における高潮浸水計算を行い,超巨大台風による浸水特性について検討した.その結果,海抜ゼロメートル地帯である伊勢湾湾奥部では,一旦,高潮によって溢水すると,人的・物的被害が一気に拡大することがわかり,甚大な高潮災害を軽減させるためには早期避難が重要であるとことがわかった.
著者
村上 智一 深尾 宏矩 吉野 純 安田 孝志 飯塚 聡 下川 信也
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_396-I_400, 2011 (Released:2011-11-09)
参考文献数
8
被引用文献数
2 5

In this study, a climate in September of 2099 based on the SRES A1B scenario was assumed as the future climate affected by the global warming. 50 cases of potential typhoons striking Tokyo Bay under the assumed future climate were estimated by using potential vorticity bogussing scheme of a tropical cyclone. Then, distributions of the possible maximum storm surges and high waves generated by the 50 potential typhoons were predicted by using an atmosphere-ocean-wave coupled model. The results show that the potential storm tide in Tokyo Port reaches 3.4 m and the maximum storm tide of 4.1 m height in Tokyo Bay is caused in Katunan located at the most inner part of Tokyo Bay. The heights of these storm tides remarkably exceed the largest storm tide 2.3 m ever recorded in Tokyo Bay.
著者
村上 智一 小花和 宏之 河野 裕美 下川 信也 田林 雄 水谷 晃
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_766-I_771, 2016 (Released:2016-08-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究の目的は,サンゴ礁海域を対象として,SfM(Structure from Motion)による水中3次元計測(水中SfM)の可能性を明らかにすることである.そこで,サンゴ礁海域である西表島網取湾において,枝状サンゴ,塊状サンゴおよび海草であるウミショウブを対象に水中SfMと実施コストが高い従来の測量を同時に行い,これらの結果を比較・検討した. その結果,水中SfMは,サンゴの高さ,長径,短径および枝状サンゴの枝幅を最大誤差4.5 cm,最小誤差0.1 cmの精度で計測でき,サンゴ保全のためのモニタリングなどにおいて有用となることが明らかとなった.一方,ウミショウブは,連続写真撮影中に葉が波や流れによって揺らぐため,SfMによる3次元化が不十分であった.
著者
納口 恭明 下川 信也 栢原 孝浩 鈴木 真一 小林 俊市
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

災害を引き起こすような自然現象を科学教育・防災教育を目的にコンパクトに再現できる装置をまとめた手で持ち運べるハンディータイプの科学館と車1台で運べるポータブル科学館を開発した。このなかには雪崩、落石、地盤液状化現象、固有振動によるビルの倒壊、台風、突風などが含まれる。これらを用いた実践例は合計で数百件を越える。