- 著者
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後藤 乾一
塩崎 弘明
山田 満
吉野 文雄
玉木 一徳
山崎 功
- 出版者
- 早稲田大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2005
平成18年5月、本研究グループは、平成15-16年度の基盤研究B(課題番号 15330034)の研究成果を『東ティモール『国民国家』を巡るエスニシティと国際・地域環境』として上梓し、その成果をさらに深めることを本年度の課題とした。その概要は以下のとおりである。(1)独立後最初の深刻な内部対立(地域差が主因)が発生したが、その直後に現地調査を行い、権力構造、経済事情に関する基礎的資料を収集した。(2)混迷する経済の活性化には、一定の外国援助・投資が必要であり、特に日本の関与が『期待』されている。その観点から日本政府、企業。NGOの体東ティモール政策・関与の実態を聞き取り調査を含め実施した。(3)日本との関係においては、今なお戦時期の軍事占領に起因する微妙な対日感情が見られるが、この点につき前年度に現地で行った聞き取り調査のテープ記録を起こし分析した。(4)東・東南アジアでは経済分野における域内関係が密接化しているが、東ティモールも経済規模はきわめて弱体ではあるものの、こうした潮流に加わることを課題としている。そのような観点から、アセアンさらにはAPECなどの地域協力機構、その加盟国はどのような東ティモール政策を準備しているかについて実態調査を行った。(5)2002年5月の独立に際しては最大の宗教勢力であるカトリック教会が重要な役割を演じたが、今回の政治的・社会的・文化的な亀裂の修復にはどのような役割を果たしたのか(あるいは果たせなかったのか)につき、教会側の動きについて、主に現地で活動する日本のカトリック系NGOからの聞き取り調査を行った。以上の諸活動およびそこから得られた情報・資料・データについては、現在のきわめて流動的な状況が一段落をした時点で分析を行い、平成20年3月をめどに最終報告書を取りまとめる予定である。