- 著者
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山田 雅敏
佐々木 多恵
三井 一希
小豆川 裕子
- 出版者
- 一般社団法人 人工知能学会
- 雑誌
- 人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
- 巻号頁・発行日
- pp.4Yin213, 2022 (Released:2022-07-11)
クオリティの高い映像を制作する場合には,ハイエンドなパソコンやアプリケーションを利用する必要があるため,実践者は映像制作のコツを獲得することが必要となる.そこで本研究は,映像制作のスキル習得を目指す学習者の言語報告に注目し,そのコツの獲得に関する認知プロセスを検討することを目的とする.方法として,パソコンによる映像編集の経験がないノービスの大学生4名が,研究協力者として参加し, MacBook ProとFinal Cut Proを使って約2か月間の映像制作を行った.学習者に対して,映像制作の実践後,言語報告するように教示した.学習者の映像制作の熟達度合の評価として,自己評価の経時的変化を検討した.言語報告を分析した結果,「疑問・エラー」「理解・意識」「コツの獲得」「その他」の4つの大区分と、8つの小区分に分類された.考察から、映像制作に対する共通する認知プロセスとして、映像編集に関する疑問・エラーを繰り返しながら,それらの知識を習得し,コツを獲得していくことが示された.また,ノービスが映像制作を行う上で,他者の評価を意識し過ぎることが,コツの獲得に影響する可能性が示唆された.