著者
小野 憲司 赤倉 康寛 神田 正美
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

2011年の東日本大震災によるサプライチェーンの寸断から我が国のモノづくり産業が全国規模、世界規模で操業停止した経験に鑑み本研究では、震災の影響が著しかった自動車産業サプライチェーンのモデル化と、災害がサプライチェーンに及ぼす負のインパクトの測定、サプライチェーンマネジメント(SCM)改善策の効果の評価を行った。SCM改善策の評価結果は、①部品在庫の積み増しの効果は低い、②部品調達は海外よりも国内への分散化が効果的、③災害によって生じたサプライチェーンの隘路に対する共同復旧支援の効果は高い等の結果が得られ、我が国の製造業全般の災害時SCMのあり方に示唆を与えるものとなった。
著者
馬場 哲郎 浦本 秀隆 山田 壮亮 桑田 泰治 永田 好香 重松 義紀 下川 秀彦 小野 憲司 竹之山 光広 花桐 武志
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.002-006, 2011-01-15 (Released:2011-04-27)
参考文献数
12

肺カルチノイド切除10例について臨床病理学的因子と治療成績に関して検討を行った.定型的カルチノイド(TC)が7例で非定型的カルチノイド(AC)が3例.平均年齢は49.5歳で,男性6例,女性4例(全例TC)であった.術前にカルチノイドの診断がついたのは4例であり,他組織型の肺癌と診断されたのが4例.術式は肺摘除が2例,二葉切除が1例,肺葉切除4例,区域切除1例,部分切除1例,気管支形成術1例であった.TCでは術後(平均観察期間63ヵ月)の再発例はなく,ACは全例が再発.カルチノイド全体での5年生存率は62.5%で,TCは100%,ACでは5年生存例はなかった.TCについては機能温存手術の適応の検討が,ACについては周術期の補助療法など集学的治療の検討が必要であると考える.