著者
小野真由美 井上創造 星子奈美
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.109, pp.43-51, 2007-11-08

九州大学学術情報リポジトリ(略称 QIR)とは,学内で生産された知的生産物を収集・蓄積・保存し,インターネットを通じて無償で配布するシステムである.QIR と研究者情報の連携は,各システムのユーザビリティの向上を目指すものであり,連携により,研究者情報の業績一覧からワンクリックで対応する文献の閲覧を可能にし,さらに研究者情報のデータを流用した QIR のデータ登録も実現している.本論文では,システム連携に関する課題から設計・実装方法を説明し,最後にデータの解析について述べる.
著者
高橋 裕次 小宮 木代良 丸山 士郎 佐々木 利和 小野 真由美 池田 宏 山口 俊浩
出版者
独立行政法人国立博物館東京国立博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究課題の最大の目的である、江戸幕府旧蔵資料の所蔵情報の把握を行うために、資料を所蔵している諸機関について情報収集を行い、所蔵の確認をした。さらに、江戸幕府旧蔵資料を引継いで管理していた東京国立博物館において、基礎的な情報を把握するため、収蔵品に関する様々なデータの整理をした。また、「浅草文庫」の目録や、帝室博物館の収蔵品目録、明治10年に博物館が作成した『博物館書目』をとおして、江戸幕府の引継ぎ資料の全体像を把握するための詳細調査を実施した。収集した江戸幕府旧蔵資料の所蔵情報をもとに、「江戸幕府旧蔵資料データベース」(暫定版)を作成した。収録したのは、東京国立博物館、宮内庁書陵部、国立公文書館内閣文庫、静岡県立図書館の所蔵する資料である。その点数が厖大であり、必ずしも現物1点ごとに詳細なデータの収集の実施はできなかったが、現在の江戸幕府旧蔵資料の概要を十分示すことができた。東京国立博物館の所蔵する漢籍、洋書については、これまで本格的な全体調査が行われていなかったが、今回、悉皆調査を行い、印記などを確認して、江戸幕府旧蔵資料と考えられるものをデータベースに収録した。東京国立博物館には、データに「伝来未詳」とされ、はっきりと江戸幕府旧蔵とは言えないまでも、その形態や特質から、江戸幕府に関係したであろうと推測できる資料もある。この点については今後の課題としたい。以上の研究によって、明治5年に湯島聖堂に集められた江戸幕府旧蔵資料の全貌を解明する手がかりができた。本研究報告書では、作成したデータベースや調査結果から、研究分担者・研究協力者が、江戸幕府旧蔵資料に関する個別研究も行った。しかし、本研究は江戸幕府旧蔵資料を明らかにする上での基礎的な作業であったといえる。今後は、江戸幕府旧蔵資料に関する各分野の個別研究を行う上で、本研究成果が基本的資料となると言えるであろう。
著者
小野 真由美 井上 創造 星子 奈美 森 雅生
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.1-9, 2006

九州大学学術情報リポジトリ(略称QIR)とは、学内で生産された知的生産物を収集・蓄積・保存し、インターネットを通じて無償で配布するシステムである。QIRと研究者情報の連携は、各システムのユーザビリティの向上を目指すものであり、連携により、研究者情報の業績一覧からワンクリックで対応する文献の閲覧を可能にし、さらに研究者情報のデータを流用したQIRのデータ登録も実現している。本論文では、システム連携に関する課題から設計・実装方法を説明し、最後にデータの解析について述べる。
著者
小野 真由美 恵美 千鶴子
雑誌
美術研究 = The bijutsu kenkiu : the journal of art studies
巻号頁・発行日
no.425, pp.21-23, 2018-07-02

The Dô no onkura okakemono outasho kiwame daitsukeno chô(銅御蔵御掛物御歌書極代付之帳)is one of the rare documents in the Tokyo National Research Institute for Cultural Properties collection, and is part of the Nakagawa Bunko library of Nakagawa Tadayori (1873-1928) that this institute purchased in 1929, the year before its opening. The overleaf of the inner cover and the back cover bear the bookplates of Suzaka daimyô Hori Naotada (1806- 1880), indicating that it was formerly part of Naotada's Hananoya Bunko library. Naotada is renowned for his Fusô meiga den(扶桑名画伝)biographies of Japanese painters. The Dô no onkura okakemono outasho kiwame daitsukeno chô is a copy of the original record of kiwame (connoisseurship statements) and daitsuke (appraised values) made in 1691 (Genroku 4) of the Tokugawa shogunal collection, known as the Ryûei Gomotsu, by Kanô Masunobu (Tôun, 1625-1694), Kanô Tsunenobu (Yôboku, 1636-1713), Kohitsu Ryômin (1645-1701), Kohitsu Ryôchû (1656-1736) and others. The Dô no onkura okakemono outasho kiwame daitsukeno chô thus shows that the shogunate had its officially appointed Kohitsu and Kanô family members evaluate and price the calligraphy and paintings in its collection as of 1691. The earliest Ryûei gomotsushû volumes are said to have been compiled in 1644 (Kan'ei 21) by Matsudaira Nobutsuna (1596-1662), who was then the shogunate's osukiya shihai, officer in charge of the management of shogunal collection. Later the Ryûei Gomotsu items held by the shogunate were caught in the Great Fire of Meireki in 1657 with the majority destroyed. The collection was then rebuilt through gifts presented by various daimyô to the shogunate. This Dô no onkura okakemono outasho kiwame daitsukeno chô confirms that the collection had been fully rebuilt in terms of both quality and quantity by 1691. While there are some additional notations inherent to a copy of an original document, this Dô no onkura okakemono outasho kiwame daitsukeno chô is a rare extant document that faithfully conveys the original's connoisseurship content. We thus present in this article both a reprint of the entire document and a discussion of some of its most noteworthy appraisal cases.