著者
小野真由美 井上創造 星子奈美
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.109, pp.43-51, 2007-11-08

九州大学学術情報リポジトリ(略称 QIR)とは,学内で生産された知的生産物を収集・蓄積・保存し,インターネットを通じて無償で配布するシステムである.QIR と研究者情報の連携は,各システムのユーザビリティの向上を目指すものであり,連携により,研究者情報の業績一覧からワンクリックで対応する文献の閲覧を可能にし,さらに研究者情報のデータを流用した QIR のデータ登録も実現している.本論文では,システム連携に関する課題から設計・実装方法を説明し,最後にデータの解析について述べる.
著者
井上 創造 ロペズ ギヨーム
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.146-148, 2023-02-15

今回私たちが主催したThe 4th ABC(Activity and Behavior Computing,行動とふるまいに関する国際会議)を,主催者の視点から報告する.著者のうち井上は,東ロンドン大学のAtiqur Rahman Ahad氏とともに実行委員長を,ロペズはアールト大学のStephan Sigg氏とともにプログラム委員長を務めた.
著者
井上 創造 藤井 達朗 小材 健 池田 大輔
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.17-22, 2008-10

学術情報リポジトリの未登録コンテンツも含めたアクセス履歴を研究者に提示することで,研究者のリポジトリへの登録の動機づけを目指すシステムを実装した例を紹介する.未登録コンテンツは九州大学研究者情報から得ることができる.研究者情報の文献を閲覧者がたどってリポジトリにアクセスした履歴を,SNS(SocialNetworking Service)の研究者用マイページに表示することで,研究者はリポジトリに未登録の自分のコンテンツにどのくらいのアクセスがあったかを知ることができるようになり,その研究者がコンテンツをリポジトリに登録する動機づけになるばかりでなく,アクセスの多い論文から優先的にリポジトリに登録することにつながるため,真に利用価値の高いコンテンツの蓄積が可能となる.
著者
廣中遼 西田健 井上創造
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013-UBI-38, no.46, pp.1-2, 2013-05-09

ベッド上の空気マットの圧力を測るベッドセンサを用いて,心拍,呼吸,体動の各生体信号を分離する手法を提案する.バンドパスフィルタを用いる既存手法は,計測対象である生体信号が他の生体信号の周波数帯域に重複すると,正確に計測できない.この問題に対して,用いる周波数帯域をカルマンフィルタを用いて動的に変化させる手法を用いて生体信号の分離を試みる.
著者
小野 真由美 井上 創造 星子 奈美 森 雅生
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.1-9, 2006

九州大学学術情報リポジトリ(略称QIR)とは、学内で生産された知的生産物を収集・蓄積・保存し、インターネットを通じて無償で配布するシステムである。QIRと研究者情報の連携は、各システムのユーザビリティの向上を目指すものであり、連携により、研究者情報の業績一覧からワンクリックで対応する文献の閲覧を可能にし、さらに研究者情報のデータを流用したQIRのデータ登録も実現している。本論文では、システム連携に関する課題から設計・実装方法を説明し、最後にデータの解析について述べる。
著者
安浦 寛人 村上 和彰 黒木 幸令 櫻井 幸一 佐藤 寿倫 篠崎 彰彦 VASILY Moshnyaga 金谷 晴一 松永 裕介 井上 創造 中西 恒夫 井上 弘士 宮崎 明雄
出版者
九州大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2002

本研究では,システムLSI設計技術を今後の高度情報化社会を支える基盤情報技術ととらえ,システムLSIに十分な機能・性能・品質・安全性・信頼性を与えるための統合的な設計技術の確立を目指す.1.高機能・高性能なシステムLSIを短期間に設計する技術では,無線通信機能を有するシステムLSI設計技術の研究を行い,シリコンチップ上にコンパクトで安定なRFフロントエンドを実現するためにコプレナー線路を通常のCMOSプロセスで形成する技術を確立した.また,新しい可変構造アーキテクチャとしてSysteMorphやRedifisプロセッサを提案し,それに対する自動設計ツールとしてRedifisツール群を開発した.2.必要最小限のエネルギー消費を実現する技術としては,データのビット幅の制御,アーキテクチャの工夫,回路およびプロセスレベルでのエネルギー削減技術,通信システム全体の低消費エネルギー化設計手法などを構築した.3.社会基盤に求められる信頼性・安全性を実現する技術としては,安全性・信頼性を向上させるための技術として,ハッシュ関数や暗号用の回路の設計や評価を行った.また,電子投票システムや競売システムなどの社会システムの安全性を保証する新しい仕組みや,セキュリティと消費電力および性能のトレードオフに関する提案も行った.4.社会システムの実例として,個人ID管理の仕組みとしてMIID(Media Independent ID)を提案し,権利・権限の管理なども行えるシステムへと発展させた.九州大学の全学共通ICカードへの本格的な採用に向けて,伊都キャンパスの4000名の職員、学生にICカードを配布して実証実験を行った.本研究を通じて,社会情報基盤のあり方とそこで用いられるシステムLSIの研究課題を明示した.RFIDや電子マネーへの利用についても利用者や運用者の視点からの可能性と問題点をまとめることができた.
著者
井上創造 堀優子 池田大輔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.109, pp.31-42, 2007-11-08

本稿では,図書館と SNS とが連携することについて,新たに SNS サービスを立ち上げるのではなく,既存の SNS と連携をする意義をのべる.また,九州大学において行った地域 SNS でとの連携の実装について述べる.実装したシステムは,所属を確実に認証することで,迷惑なメッセージが減るだけではなく,利用者の社会的な立場を把握した上でのコミュニケーションが可能になるという点で類を見ない物である.
著者
高野茂 井上創造 馬場謙介
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.795-796, 2011-03-02

本研究では,インターネット上の膨大な画像群を巨大な画像データベースとみなし,それを専門家の知識により整理し,すべてのユーザは安全・安心にオンライン図鑑として利用することができるシステム開発を目指す.本システムは,ユーザがモバイル端末により撮影した質問画像を,図鑑検索サーバに送信することにより,その一次回答(類似画像)を直ちに受け取ることができる.専門家により得られる詳細な二次回答はSNSを介してユーザへと配信される.本稿では,リフティングウェーブレットに基づくモバイル図鑑検索システムの構築について述べ,SNSシステムと連携し,より精度の高い一次回答を返す類似画像データベースを自動的に再構築する手法を示す.
著者
峯崎 智裕 松木 萌 井上 創造
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.1701-1711, 2017-10-15

本論文は,複数介護施設における事故報告書を使用して,テキストマイニングおよび機械学習により事故の起こりうる状況を分析した結果について述べる.まず,テキストデータと多変量データが混合したデータに対して,テキストマイニングおよびランダムフォレスト法を組み合わせて,事故の結果に対して影響する要因を抽出する方法を提案した.テキストデータについては分かち書きを行い単語文書行列を構成し,単語についてクラスタリングを行った結果を元の多変量データと結合し,事故の結果として目的変数を設定しランダムフォレスト法を2段階で適用しながら重要な単語クラスタおよび重要な単語と属性を抽出し,決定木によって可視化するという手法である.この手法を,介護施設から得られた5,189件の事故事例について適用したところ,(1)表皮剥離または出血,原因不明のあざが発見されて,初めて事故が起きたことを介護士が把握していること,(2)リハビリやレクレーション,移乗を始めとする行動をともなう場合に,転倒・ずり落ちによって打撲につながる可能性があること,(3)共有スペース・個室両方での誤嚥が起こりうること,(4)無断外出につながるいくつかの行動があること,が分かった.
著者
井上 創造
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.453-455, 2020-04-15

本稿では,2050年の情報処理について,応用の観点から,以下の5点を展望した.それは,1.現在の機械学習技術の延長線上で,少し先の未来を予測する近未来予測技術が発展するだろうこと,2.原理研究だけではなく,手法に新規性がなくとも社会実装した結果得られた知見も重視すべきであること,3.伝統ある統計的仮説検定は30年後には廃れているであろうこと,4.身体的な人間拡張に加え,情報的な人間拡張のための,Ability-aware技術が確立しているであろうこと,5.現在の散在する情報プラットフォームが30年後にどれだけ継続されているかという懸念,である.
著者
井上 創造
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.600-604, 2013-05-15

スマートフォンを用いた行動認識を実用化するためには,行動を機械学習させるために多様で現実的な行動データを集める必要がある.ところが,多様な行動データを多くの人から集めることは容易ではない.本稿では,スマートフォンを用いた行動データの大規模な収集について述べ,その経験から得られた知見および実用的な行動認識のための課題を述べる.特にアノテーションにおける問題について触れ,補完情報の重要性を指摘する.また,実際の病棟で行った看護行動センシングを紹介し,その中で加速度と音声から看護師が看護を行った区間を検出しアノテーションに活用する手法について述べる.
著者
戸田 隆道 今永 友里子 江島 潤 定 亮佑 西尾 治果 保田 周二 服部 祐一 井上 創造
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成24年度電気関係学会九州支部連合大会(第65回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.79, 2012-09-14 (Released:2014-12-17)

本論文では音声認識を使って多くの人に好感を持ってもらえる声である“モテ声”を診断する手法について述べる.我々は”モテ声”というものの基準を定めるために約10名の声を録音し,約20名にどの声に好感を持てるかアンケートを行った.そのアンケート結果に基づき投票数の高い声,低い声の声紋を比較し好感を持ってもらえる特徴を分析した.本手法では2種類の発声を想定しており,男性の「あー」という単調な声と,男女両方の声で「好き」という意味のある言葉を発声した場合の2種類を想定している.それらを分析したデータを元に,自分の声がどのぐらい他者に好感を持ってもらえるかを数値化するアルゴリズムを考案した.
著者
井上 創造 木實 新一 小林 隆志 土田 正士 喜連川 優
出版者
日本データベース学会
雑誌
日本データベース学会letters (ISSN:13478915)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.81-84, 2006-06

学術会議は,口頭発表や資料による形式的な情報だけではなく,参加者が面と向かって交流をすることにより非形式的に情報交換ができるという点に意義があると言える.しかし,学術分野の専門化と細分化が進む今,初めて面と向かった参加者どうしに,互いのネームタグに書かれた情報だけで有意義な交流のきっかけが十分に用意されるとは言い難い.我々は,居合わせた参加者間の関係を発見し大画面に表示するシステム「DeaiExplorer」を開発し,数百人規模の国際学術会議において利用した.本システムは,居合わせた参加者が持つ RFID タグに反応し,文献データベースから参加者や他の著者をノードとするグラフを生成する.本論文では,利用で得られた結果を用いて,本システムが参加者間の関係発見にどのような影響を及ぼしたかを定性的,定量的に明らかにし,今後のシステム設計および研究課題の展望を示す.Academic conferences offer informal as well as formal opportunities to interact with each other. However, the physical appearance of participants and the information printed on their conference badges could not be enough to provide the effective opportunities. We developed "DeaiExplorer", which is an RFID application that discovers interpersonal connections by allowing collocated conference participants to mutually reveal their social networks on a large display device, and deployed it at a recent international conference. The system responds to nearby participants and dynamically derives inter-connected social networks from a publication database. We address the uncovered requirement for the system and challenges with the experience.
著者
磯田 達也 井上 創造 花沢 明俊 野原 康伸 白水 麻子 杉山 康彦 平田 真理 町田 京子 中島 直樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.2197-2209, 2016-10-15

本研究では,看護師の業務分析のため,33日間にわたり看護師の業務行動データを収集する実験を行い,業務中の看護師の行動の激しさおよび,業務時間に影響を与える要因について分析を行った.データ収集実験では,38人の看護師を被験者に設定して,装着型の小型センサ端末を装着した状態で業務を行ってもらい,加速度データおよび看護師間の対面情報,看護師業務情報を収集した.また,赤外線を用いた情報通信機器によって看護師の位置情報も同時に収集した.本稿では,看護師業務中の行動の激しさを目的変数,看護師業務ごとの回数,対面回数,場所ごとの訪問回数などを説明変数に設定して,決定木(回帰木)を用いた要因分析を行った.その結果,他の看護師との対面回数が多く,病室に何度も訪れている看護師や,リハビリ介助業務や行動介助業務などの患者の介助に関わる業務を行う看護師ほど,行動の激しさが大きくなるという結果を得た.また,業務時間が業務効率に直結していると考え,各業務時間の長さに影響を及ぼす要因について回帰分析によって調べた.その後,単回帰分析により有意水準5%で有意となった説明変数の業務だけを抽出し,その業務に対して決定木を用いた要因分析を行った.単回帰分析の結果,14の業務において有意な結果が得られた.また,決定木による要因分析の結果,ほとんどの業務において他の看護師との対面人数が業務時間に影響を与えていることが分かった.また,食事介助業務中に特定の場所に訪れる看護師ほど業務時間が長くなるという結果を得た.