著者
小野寺 博志
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.147-152, 2010 (Released:2010-10-08)
参考文献数
18

Drugs have to be evaluated from a different viewpoint from other toxic substances such as natural toxins, environment substances and chemicals. Toxicological evaluations are also important to clarify the benefits and risks of pharmaceuticals to humans. Many of the toxicology studies are conducted according to guidelines. The type and timing of toxicology studies have been harmonized internationally. Recently, the ICH guidelines have been revised in light of technological advances and reduction of animal usage in accordance with the 3R (reduce/refine/replace) principle. The results of toxicology studies must always be evaluated based on extrapolation to humans. The goal of regulatory science is to predict a risk based on the latest information and evaluate safety. Even if the toxicological findings are similar, the toxicological acceptability assessment is not always the same. It is important that the toxicology for pharmaceutical products is evaluated on a case-by-case basis.
著者
小野寺 博志
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.45-53, 2022 (Released:2022-01-31)
参考文献数
23

サリドマイドは大きな薬害をもたらし,この世から回収された.このサリドマイド事件により薬の安全性に対する規制やガイドラインが大きく進んだ.危険な薬は事前に予測できるようになった.しかし,サリドマイドは2008年再び承認された.難治性多発性骨髄腫の適用で適正ガイドラインにより厳しく管理することが条件である.医薬品開発での安全性はICH(医薬品規制調和国際会議)ガイドラインで試験の種類や実施時期が決められている.その非臨床安全性試験の結果にもとづき臨床試験が行われ,適切な用法用量が決められる.特別な場合以外,妊婦や妊娠の可能性のある女性での治験はできない.添付文書での多くは「妊婦,妊娠可能な女性への投与経験はない」という記載である.特に遺伝毒性のある薬は「禁忌」となる.AYA世代にがん治療を受けた女性のリスクについて改訂されたICH S5(R3)から考えてみた.
著者
小野寺 博志 佐神 文郎
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.33, pp.44, 2006

「有用で安全な医薬品をより早く必要とする患者さんに届ける」ことは創薬に携わるヒトの目的でもあり使命と考える。新薬を開発する過程で初めてヒトに投与する場合に重要なのは安全性の確保である。そのために必要な非臨床試験の種類や実施時期については種々のガイドラインや通知がなされている。しかしながらそれらガイドラインは時代と共に改訂や追加を行っているが現在の全ての医薬品について有用な情報を得るには限度がある。特に新しい科学や技術で開発された、あるは今後開発されるであろう医薬品については問題が多い。本ワークショップでは始めに現行のガイドラインや通知の目的や内容が、安全性を確認する試験としての要点を述べる。続いて安全性を評価している立場からガイドラインに沿って行われた非臨床毒性試験で実際に問題となる事例や必要な情報とは何かについて考えてみたい。もちろん共通の考え方も含まれるが、全ての医薬品に適応するとは限らず現時点ではCase by case で対応することになる。<BR> 実際に新しい科学・技術を駆使した医薬品の開発を行っている立場から現在の状況と今後の動向について中澤先生から紹介いただき問題点や方向性を考えてみたい。川西先生からは今後主流となると思われるバイオ医薬品について研究サイドからの新しい生体メカニズムの発見や解析が創薬、毒性以外からの安全性評価について紹介いただきます。続いて小野先生からは医薬品の直接の毒性学とは違った方向から医薬品の安全性についての現状や考え方についてお話いただけると思います。<BR> 結論を出すのは困難ですが、今後の新しい医薬品の非臨床安全性評価のあり方について問題提起する場としたい。
著者
手島 玲子 穐山 浩 奥貫 晴代 佐久嶋 順一郎 合田 幸広 小野寺 博志 澤田 純一 豊田 正武
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.188-193, 2000-06-25 (Released:2008-01-11)
参考文献数
14
被引用文献数
33 50

世界的に遺伝子組換え技術を利用して開発された農作物の実用化が進んでいるが, 実際の商品は組換え作物の後代交配種由来であることが多く, そのような作物における動物の免疫系への影響, 特にアレルギーとの関連について調べられた報告はない. 著者らは, 今回, アレルギー高感受性のB10Aマウス及びBNラットを使った実験において, 除草剤耐性遺伝子 (CP4-EPSPS) が導入された遺伝子組換え (GM) 大豆摂取が, 動物の免疫系に影響を及ぼすか否かの検討を行った. 同等の栄養成分を有する近親の非組換え (non-GM) 大豆を対照として用いた. GM, non-GM混餌飼料を摂取させたマウス, ラットとも両群の体重及び餌の摂取量に有意差はみられず, 15週投与後の各種主要免疫臓器の病理組織像においても, 両群とも異常は認められず, また大豆抽出物に対するIgE, IgG抗体価とも両群において差はみられなかった.