著者
山元 翔 橋本 拓也 神戸 健寛 吉田 裕太 前田 一誠 平嶋 宗
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J99-D, no.2, pp.232-235, 2016-02-01

筆者らはこれまでに,1回の加減で解決できる算数文章題を対象として,三文構成モデルによる作問学習支援システムを開発している.本研究では,システムを小学校2年生で学習する乗算の領域へと拡張するものであり,システムの拡張から1クラス9時限の実践利用までを行ったので,報告する.結果としては,システムを利用することで問題解決能力はあっても,構造の理解が浅い学習者に対して,構造理解を深められることを示唆する結果が得られた.
著者
林 雄介 山元 翔 平嶋 宗
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

問題を作るのは解くことに比べて問題の構造に対する深い理解が必要とされるいわれ,従来の問題解決をベースにした学習支援システムとは異なり,作問をベースとした学習支援システムが提案され,その効果の検証が進められている.本研究では算数の文章題を物語構造と数量関係の対応の観点からモデル化することで,文章題がそれらをどのように操作することで構成できるか,問題を作ることと解くことがどう違うのかを考察する.
著者
山元 翔 赤尾 優希 室津 光貴 前田 一誠 林 雄介 平嶋 宗
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J100-D, no.1, pp.60-69, 2017-01-01

筆者らは単文統合型の作問学習支援システムを加減算と乗算の領域で設計・開発し,システムが問題の構造理解に有用であることを確認してきた.本研究では学習の次の段階として,システムを乗除算の領域に拡張することが目的である.ただし,システムは単に加減を乗除に置き換えて実現できるものではなく,対象とする乗除算文章題の構造モデルを作成し,モデルに基づいたシステムの設計が必要となる.このモデルを提案し,作成したシステムを授業に組み込むことで,単文統合型の作問学習による乗除算算数文章題の教授が実現した.この効果を,対象領域を学習した小学生に対して11時限に及ぶ実践利用から検証した結果,対象授業が問題なく受け入れられ,特に構造理解の不十分な学習者に対して成績の向上が見られたので報告する.