著者
新保 泰輝 寺山 一輝 越野 亮 沖野 浩太朗 荒木 光一 吉田 龍史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集H(教育) (ISSN:18847781)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.1-9, 2022 (Released:2022-01-20)
参考文献数
16

頻発激甚化する自然災害による被害を低減するためには住民自らが常日頃から災害渋滞時の避難行動を学習し,適切な避難経路を考える必要がある.本研究では,災害時に生じる渋滞を考慮した避難経路を学習できる「防災すごろく」のアプリケーション(アプリ)を開発した.本アプリではランダムな出発点から避難所に向かう間に豪雨,火災,渋滞の発生に伴う避難方法や避難経路の変更を学ぶことができる.また,ゲーム性を考慮し,グループ同士で得点を競うことや防災クイズを実施することで学習意欲の向上を図った.更に,災害疑似体験ならびにゲームに対する慣れを軽減するためにVRコンテンツを用いた災害表現を行っている.本アプリによる防災教育を行い,アンケートを実施した.その結果,本アプリの学習効果が示されると共に課題も明らかになった.
著者
河合 康典 越野 亮 三好 孝典
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究は,筋肉疲労に対して安全な電気刺激による遠隔リハビリテーションシステムの開発を行うため,今年度は下記の2つの課題について考える。課題①の筋肉疲労の推定と患者側での安全機構の開発については,これまでに行った筋電計は疲労推定の精度が悪く,脳波計では疲労推定ができなかった。そこで,外乱オブザーバとガウス過程回帰を用いた2つの疲労推定手法を考える。はじめに,外乱オブザーバを用いた方法は,疲労がない時の膝関節の運動モデルを用いて,疲労時には入力外乱が発生すると仮定することで,入力外乱の推定を行う。推定する入力外乱の平均値は,運動開始直後は小さいが,被験者が疲労を感じるにつれて徐々に増加していることから疲労を推定できることが分かる。次に,ガウス過程回帰を用いた手法は,外乱オブザーバと同様に疲労がない時の膝関節の運動モデルを用いて,疲労時には入力外乱が発生すると仮定して疲労推定を行う。測定値と運動モデルの差を入力外乱として考え,学習における入力を膝関節角度,出力を入力外乱とすることで,入力外乱の平均と分散を求める。運動開始直後は外乱の平均値が0に近いのに対して,被験者が疲労を感じるにつれて徐々に平均値の振れ幅が広がっていることから,疲労を推定できることが分かる。課題③の高速化と耐故障性を備えたクラウドシステムの開発については,AWS IoT から変更してNode.js を用いたクラウドシステムを考える。これまでの遠隔リハビリテーションシステムは,MATLABのSimulinkをベースにシステムを構築しているので,Node.js との通信の結合を行っている。
著者
長谷川 達人 越野 亮
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.2186-2196, 2016-10-15

本研究では,スマートフォン標準搭載のセンサを複合的に用いてDNN(Deep Neural Network)で学習させることで,スマートフォンが利用者の身体上のどの位置に所持されているのかを推定するシステムを開発する.スマートフォンの所持位置が推定できることで,ポケットの中での誤動作防止や,位置に応じた通知方法の自動変更など,様々なコンシューマサポートが実現できる.本研究では,利用者がスマートフォン所持中に最もとりやすい動きである歩行を対象に,ズボン前ポケット,ズボン後ポケット,胸ポケット,内ポケット,ジャケットポケット,鞄,手という所持位置7種類の推定を行う.被験者16人に対して実験を行い,Leave-one-subject-out Cross-Validation(LOSO-CV)で推定精度を評価した結果,81.7%の精度で所持位置7種類を推定し,胸ポケットと内ポケットを区別しない6種類の推定では86.7%の推定精度を達成した.また,センサを複合的に用いることで推定精度が向上するという点や,加速度センサの値の扱い方によって推定精度が向上することを明らかにした.
著者
長谷川 達人 越野 亮 木村 春彦
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-7, 2015-02-23

現在,スマートフォンは世界中で多くの人々に利用されている.携帯電話の様々な機能が日々発展している中,音量設定に関しては依然として物理ボタンで手動設定が行われている.利用者は毎日通勤前にマナーモードを設定し,帰宅後は元に戻すなどの設定を行う必要があるため,それが手間で,常にマナーモードに設定している利用者も少なくないだろう.それでも,必要な連絡をとり逃してしまうことや,音楽が聞きたいときにはわざわざ音量を設定する必要があるなどの不便は残る.我々はこれらの課題を解決するためにインテリジェントな音量変更手法を開発している.その実現に向け,本稿では多数の被験者による実際の操作ログを収集する実験を行った.本稿では,利用者属性や音量変更を行うタイミングなどに関する考察を行った結果を報告する.Nowadays, many people use a smartphone in the world. Although many functions are improved step by step, users still manually adjust the suitable volume with hard buttons. Users set their smartphone to vibrate mode before commuting and ring mode after getting their home every day. Therefore, quite a few people always set their smartphone to vibrate mode. However, inconvenience still remains, such as to miss a necessary phone call, or to raise sound volume when the user would like to listen to music. We develop an intelligent volume adjustment method to improve such inconvenience. Towards implementation of this method, we gathered operation log of actual use by many participants. In this paper, we described the results of considerations such as considering user attributes and the right time to change sound volume.
著者
三吉 建尊 越野 亮 笠原 竹博 上田 芳弘 木村 春彦
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.909-919, 2012-08-15 (Released:2012-09-05)
参考文献数
15

現在,工作機械用の制御盤内において,部品同士をハーネスと呼ばれる電線で結線する作業は手作業で行われており,自動化が求められている.本研究では機械によるハーネス結線作業の自動化を行うために,部品に予め取り付けられているハーネス取り付け用のネジ位置を検出すること.そして機械によってハーネスが取り付けられた後に,正しくハーネスが取り付けられているか検査を行うこと.これら2つの処理を画像認識によって行う.本研究では,機械学習によって画像の特徴量を学習して識別するという,一般物体認識の手法を用いる.特徴量の計算には HOG と Bag of Keypoints を用いる.そして得られた特徴量を機械学習によって学習・識別を行うことによって画像認識を行う.本稿では,上記の手法を用いたネジとハーネスの認識率について報告する.