著者
奥松 功基 辻本 健彦 若葉 京良 関 晶南 固武 利奈 山内 照夫 平山 智志 小林 裕幸 坂東 裕子 山内 英子 田中 喜代次
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.169-176, 2018-04-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

It has been reported that physical fitness of breast cancer patients is relatively lower due to the cancer treatment such as surgery, chemotherapy, or endocrine therapy. Previous studies have revealed that not only cardiorespiratory fitness but also muscle strength is lower among breast cancer patients than no disease women and these symptoms may aggravate the health-related quality of life. However, there is no study which has focused the physical fitness level in Japanese breast cancer survivors. The purpose of this study was to investigate the physical fitness level and the relationship between exercise habituation and physical fitness level in Japanese breast cancer survivors. Fifty breast cancer survivors participated in this study. Participants were assigned to either exercise habituation group (n=25) or non-exercise group (n=25). We evaluated exercise habituation using an original questionnaire and examined various physical fitness level. Body weight, body mass index, and percent body fat were significantly lower in the exercise habituation group than non-exercise group. T-score of cardiorespiratory fitness was significantly higher in the exercise habituation group than average Japanese women. These results suggested that exercise habituation is relative to body weight and cardiorespiratory fitness level in Japanese breast cancer survivors.
著者
大坂 和可子 山内 英子
出版者
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
雑誌
Oncoplastic Breast Surgery (ISSN:24324647)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3-4, pp.51-58, 2018-12-28 (Released:2018-12-28)
参考文献数
21

早期の乳癌と診断された女性は, しばしば乳房部分切除術か乳房全摘術のいずれかを選択することができる。加えて, 乳房再建術も選択肢の1つとして考える女性が増えている。どの方法が最も適切かは, 利点や害, 二次障害のリスクなどを踏まえ評価する必要があるものの, 多くの女性が, 何が最もよい方法か不確かであると感じており, 決定プロセスに参加するための支援を必要としている。シェアド・ディシジョン・メイキング (shared decision making ; SDM) は, 乳癌治療において重要性を増しており, 選択肢の情報などを掲載したディシジョンエイドを活用することでSDMを促進することができる。本稿では, 意思決定の3つのモデルの歴史的推移と, 乳癌手術方法において, SDMを補助するディシジョンエイドの研究について概観する。
著者
土田 寧恵 林 直輝 利川 千絵 山下 祐司 鈴木 高祐 山内 英子
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.480-485, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
16

目的:転移再発乳癌の根治はほぼ不可能と言われてきたが,HER2陽性転移再発乳癌に対しては化学療法とペルツズマブ,トラスツズマブ併用療法(PER+HER併用療法)により完全消失例が認められるようになった.当院での経験を報告する.方法:2014年3月から2017年8月に当院でPER+HER併用療法により臨床的完全消失(cCR)を認めたHER2陽性転移再発乳癌症例について,治療効果と効果,臨床病理学的因子を検討した.結果:PER+HER併用療法を施行した93例中10例(10.8%)でcCRを認めた.10例中,乳房手術を施行した3例はいずれも病理学的完全消失を認めた.手術未施行7例中5例は中間観察期間12カ月でcCRを維持していたが,2例では脳転移が出現した.結語:HER2陽性転移再発乳癌においてPER+HER併用療法により完全消失,および長期CRを得る可能性が示された.
著者
西野 忠 山内 英子
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1050, pp.62-67, 1983
被引用文献数
2

前報に引き続き, 等モル比混合物CaSO<sub>4</sub>+SrCO<sub>3</sub>, CaSO<sub>4</sub>+BaCO<sub>3</sub>の加熱時における交換反応を調べた. また, 上記2系の単純交換生成物対に相当するCaCO<sub>3</sub>+SrSO<sub>4</sub>, CaCO<sub>3</sub>+BaSO<sub>4</sub>についても検討し相互固溶を考察した. 次いで, CaSO<sub>4</sub>に対するSrCO<sub>3</sub>とBaCO<sub>3</sub>との交換速度を比較するため等モル比固溶体 (Sr, Ba) CO<sub>3</sub>を作製し, CaSO<sub>4</sub>との交換反応に供試した.<br>反応はCO<sub>2</sub>気流中で行い, 加熱試料のX線分析, HCl-CH<sub>3</sub>OHを用いた抽出液の陽, 陰両イオンの定量から反応過程を検討した. 得られた結果を要約すると,<br>(1) CaSO<sub>4</sub>+SrCO<sub>3</sub>は前報のSrSO<sub>4</sub>+BaCO<sub>3</sub>と同様, 交換生成物同士が相互に少量ずつ固溶した2相を与え, CaSO<sub>4</sub>+BaCO<sub>3</sub>では両陽イオンの単純交換型で進行する. 交換開始温度, 交換率を比較すると後者の単純交換型が速い.<br>SrCO<sub>3</sub>, BaCO<sub>3</sub>の粒径効果を除去するため固溶体 (Sr, Ba) CO<sub>3</sub>を用いても同様な結果が得られた.<br>(2) 交換反応の駆動力は交換されるべき両陽イオンの半径の差に基づくものと考えられる.