著者
秋谷 直矩 丹羽 仁史 坪田 寿夫 鶴田 幸恵 葛岡 英明 久野 義徳 山崎 敬一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.798-807, 2007-03-01
被引用文献数
7

筆者らはこれまで,依頼行為を理解するロボットを開発してきた.しかし,介護ロボットの実用化を目指すのであれば,どのような依頼行為が実際の介護場面でなされているかを分析する必要がある.そこで,介護ロボット開発のために,実際の介護場面におけるコミュニケーションを高齢者介護施設で観察した.そこでは,単に介護者が高齢者の依頼を受けて行動しているだけではなく,介護者と高齢者が同時に協同して作業している場面が多く見られた.この同時的協同的作業の達成のために,介護者と高齢者双方の予期的な調整行動が大きな役割を果たしていることが分かった.高齢者支援の開発のためには,この予期を支援するシステムの開発が必要である.
著者
秋谷 直矩 丹羽 仁史 久野 義徳 山崎 敬一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.684, pp.35-40, 2006-03-22
被引用文献数
2

高齢者社会が進む昨今、福祉ロボットの開発は時代のニーズに即したものである。本論文では、被介護者の簡単な依頼を理解するロボットを開発する基礎段階として、実際に人間同士の依頼行為がどのように組織化されているか、ということをエスノメソドロジー的見地により見ていく。この分析に基づき、依頼行為は、依頼行為が行われる以前にコミュニケーション・チャンネルが相互反映的な形で確立されていること、そして実際の依頼行為も依頼発話とジェスチャがお互いを精緻化しながら、相互反映的な形で組織化されているということがわかった。