著者
明崎 禎輝 山崎 裕司 野村 卓生 吉本 好延 吉村 晋 浜岡 克伺 中田 裕士 佐藤 厚
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.301-305, 2008 (Released:2008-06-11)
参考文献数
16
被引用文献数
4 3

本研究では,階段昇降の自立獲得に必要な麻痺側下肢荷重率を検討した。対象は脳血管障害片麻痺患者110名である。これらの対象者に対して,年齢,体格指数,発症からの期間,非麻痺側下肢筋力,下肢ブルンストロームステージ,深部感覚障害の有無,非麻痺側・麻痺側下肢荷重率などを調査・測定した。2項ロジスティック回帰分析の結果,麻痺側下肢荷重率のみが階段昇降自立の有無に関係する有意な因子であった。さらに,階段昇降の自立獲得には麻痺側下肢荷重率のカットオフ値が84.0%において高い判別精度を示した。
著者
坂上 昇 栗山 裕司 山崎 裕司 大倉 三洋 酒井 寿美 中屋 久長 山本 双一
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.13-17, 2003-03-31
被引用文献数
1

本研究の目的は,固定用ベルト付きハンドヘルドダイナモメーター(以下,HHD)を用いた等尺性足背屈筋力の測定方法を考案し,その測定方法による検者間再現性と検者内再現性について検討することである.対象は,健常成人22名(男性11名,女性11名)である.被検者の肢位は背臥位とした.センサーを足背の中足骨部に付属のマジックテープで固定した.そして,センサーが装着された固定用ベルトを,被検者の足底方向に位置し片膝立ち位となった検者の大腿部に巻き付けて固定した.測定は,各下肢に対して2回実施し,最大値を測定値として採用した.検者間再現性を検討するために,検者Aと検者Bの2名の理学療法士が等尺性足背屈筋力の測定を行った。また,検者内再現性を検討するために,検者Aが1回目の測定の数日後に,同一被検者に対して同一の測定を2回目として実施した.等尺性足背屈筋力値は,検者Aが17.25±3.44kg,検者Bが17.35±2.87kgであって,検者間級内相関係数は0.903と極めて良好であった.検者Aによる等尺性足背屈筋力値の1回目の値は17.25±3.44kg,2回目の値は17.84±2.73kgであって,検者内級内相関係数は0.872と良好であった.固定用ベルト付きHHDを用いた我々が考案した足背屈筋力の測定方法は,センサーの固定性が得られ,足背屈程度の筋力であれば高い再現性のもとで測定できることが示唆された.これにより,等尺性足背屈筋力を定量的に測定することができ,症例に対して有用な情報を即時に提供できるものと考える.