著者
山本 博昭
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.3-12, 1994
被引用文献数
1

不整地走行車両には多様な形態が考えられるが, ハウジング揺動型の小型クローラ4基で走行する車両の試作開発を試みた。各クローラは, 走行駆動と同時にそれ自体を回転・揺動させて車体地上高を変え, 路上の段差・障害を踏破しようとする構想である。また, 前後にある左右クローラ揺動軸を差動装置で連結し, 互いに逆方向に差動するそれらの揺動運動を利用して, 車体左右の地上高の差を修正し, 両輪の常時接地と車体の水平化を図った。本報では, 試作車両の構造・機能の特徴, 差動機構を利用した走行部の機構学的特性及び各クローラ接地反力 (接地荷重) の変動に関する解析結果について報告する。
著者
片岡 俊一 山本 博昭
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.110-129, 2007
被引用文献数
5

本研究では、青森県東方沖の地震を対象に、KiK-net の地中観測点の記録を回帰分析し、その値に対して、震度情報ネットワーク、K-NET、KiK-net の地表観測点の地震動指標 (最大加速度、計測震度) がどの程度増幅されているかを求めた。得られた結果に対する統計的評価を行い、さらに実測値との比較、1994 年三陸はるか沖地震の際のアンケート震度との比較を行った。これらを通して、本研究で得られた増幅度の妥当性を示した。
著者
山本 博昭
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.71-87, 2012-03-01

朝鮮総督府は、韓国「併合」以来、三次にわたる教育令改正により学校教育制度上の「国語」普及・常用政策を推進した。そして日中全面戦争以後、志願兵制実施及び徴兵制施行による朝鮮人青年を総動員する時期に至り、それまでの「忠良なる国民」から「天皇の神兵」「銃後の臣民」である「皇国臣民」となるための「国語」習得を推進するため、国民精神総動員朝鮮連盟・国民総力朝鮮連盟等との官民合同の「国語」普及・常用運動を展開した。1933年2月11日結成の在朝日本人民間団体緑旗連盟は、この官民合同の「国語」普及・常用政策推進をその事業方針に掲げ、運動を展開し、朝鮮植民地支配の一翼を担い支えた。その活動相を主として連盟発行の『緑旗』及び『大和塾日記』を対象に考察する。
著者
山本 博昭 山本 昇
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.467-475, 1985-01-31

本報では, 国内果樹園の地理条件, 栽植密度にできるだけ合致しうる小型で自走式の果実振動収穫機と捕果専用機を設計・試作し, それらの基本的な作動特性を明らかにした。1) 試作したリム・シェーカは, クローラ型走行部, スライダ・クランク機構を利用した振動発生部, 枝をつかむブームとクランプ部, クランプを任意の位置へ移行させる位置決め機構部及びエンジンと動力伝達部から構成され, 走行部以外はすべて油圧駆動とした。したがって, 振動数, 振幅も適宜変更することができ, 枝をにぎるきよう握力も調節が可能である。2) 本機は定格8馬力のエンジンを塔載したが, クランプシリンダ等のアクチュエータ作動に約3馬力の動力が消費され, 枝を加振するのに使用可能な限界動力は5馬力程度となる。また振動する枝の正味仕事量を求め, 油圧駆動系加振部の動力伝達効率を計算すると, その値は40%以下となった。したがって, ゆすられる枝の振動負荷が約2馬力を越すとエンジンの動力不足が生じ, 本試作機の加振可能な限界振動数は, 設定振幅20mmで約17Hz, 28mmで15Hz, 43mmで14Hzとなった。より高い加振振動数, 振幅を確保するためには, さらに高馬力のエンジンを塔載する必要がある。3) 試作したキャッチングフレームは, クローラ型走行台車の上に装着された円形捕果面を有し, 油圧揺動モータの作動により瞬時の開閉が可能となる。捕果面は, 中心から円周方向に18°の登り匂配を持ち, その面積は約7m^2と12.5m^2の2通りに変えることができる。4) 捕果面上の各点に加速度計を埋設した木球を落下させ, 衝突時の最大衝撃加速度, 反発率等を測定した。落下高さ1.2mの場合を例にとると, 捕果面上での最大加速度は10∿40gの範囲に分布し, 全般には捕果面を支持するアーム上に近づくほどその値は大きくなるが, 直接地面に落下させた値(硬い地表面で150g, 柔かい地表面で約100g)に対比すると高い緩衝効果が認められた。