著者
磯部 宏 西村 正治 稲葉 秀一 山本 宏司 神島 薫 川上 義和
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.535-538, 1987-05-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
19

症例は28歳女性で, 咳嗽, 喘鳴を主訴に当科に入院した. 約5年前より上記症状を繰り返し, 気管支喘息として通院加療を受けていたが, コントロールは不十分であった. ペットとして猫を飼育している. アロテック吸入による1秒量の改善率は24.4%であり, 皮内テストでは猫毛, 犬毛, ハウスダストが陽性, IgE-RAST score は猫毛4, 犬毛3, ハウスダスト3であった. 猫毛抗原による吸入誘発試験を施行したところ二相性喘息反応を呈した. 以上より猫毛による気管支喘息と診断し, 猫を遠ざけた生活を指導し良好なコントロールが得られている. 我々の知る限りでは, 我が国での猫毛, 猫毛皮屑による気管支喘息の報告は少なく, また二相性喘息反応を呈した報告例は認めない. 猫毛による気管支喘息の臨床像とともに, 特に二相性喘息反応での臨床的, 肺生理学的変化について報告した.
著者
須甲 憲明 山本 宏司 藤田 雅章 鈴木 章彦 井上 幹朗
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.372-374, 1996-05-25
参考文献数
8
被引用文献数
5

症例は55歳, 男性。小児期および30歳頃に肺炎の既往あり。平成7年6月20日頃より微熱, 咳嗽, 全身倦怠感が続き, 6月26日咳嗽とともに血痰が出現したため当科を受診。胸部レ線および胸部CT上, 左下肺野に炎症後変化を認めた。気管支鏡にて左B^<10>入口部を横断する橋様構造物を認め, 気管支mucosal bridgeと診断した。既往歴及び画像所見から, 過去の気管支炎, 肺炎に由来する気管支mucosal bridgeと考えられた。