- 著者
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宮本 顕二
- 出版者
- 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
- 雑誌
- 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.2, pp.129-134, 2015-08-31 (Released:2015-10-06)
- 参考文献数
- 5
日本は世界の最長寿国です.しかし,私たちの周りを見ると,やれ胃瘻だ,中心静脈栄養だ,人工呼吸器だと,結局苦しみの中で亡くなっている患者が少なくありません.その理由は,延命至上主義の結果,高齢で終末期の患者に対しても,最後まで治療を続けるからです.一方,私たちが訪れた欧米豪では,高齢で食べられなくなったら,胃瘻や中心静脈栄養などの人工栄養は一切行わず,食べるだけ,飲むだけで自然に死を迎えさせています.無理に食べさせず,延命措置もしないため,いわゆる寝たきり老人はいません.誤嚥性肺炎も問題になりません.患者だけでなく,自分も含めて,どのような最期を迎えたいかを,今こそ,真剣に考える時です.