著者
近藤 勲 河崎 雅人 山本 尚武 西野 麻由子 河原 美智子 前川 朋子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.397, pp.39-44, 2001-10-19
参考文献数
10

視覚並びに聴覚サブリミナル効果の有無について検証するために, 3年前から情動の変化を皮膚電気活動(EDA:Electrodermal Activity)並びに精神性発汗(Emotional Sweating)に変換して測定し, その結果をもとに検討している.本稿では, そのうち視覚サブリミナル知覚の検証を中心に述べる.標本には, 映像情報として中性刺激と見なせる構成のビデオ映像約9分に性的興奮を惹起させると期待される画像・文字を1/30秒間並びに1〜2秒間ランダムに11の挿入カット(文字2種, 画像9種)をランダムに2回づつ計22カ所に挿入し視聴させた.被験者は男子学生22名である.この結果, カットを挿入した映像を視聴した場合には, 皮膚電気活動並びに発汗量の変化については, 情動に有意な変化が見られたが, 無挿入の映像を視聴した場合には, 明確な変化は見られなかった.したがって, 映像情報については, 視覚サブリミナル知覚の存在を否定できないという結果を得た.
著者
近藤 勲 河崎 雅人 山本 尚武 河原 美智子 平家 浩子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 24 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.327-328, 2000-07-29 (Released:2018-05-16)
参考文献数
1

視覚並びに聴覚サブリミナル効果の有無について検証するために,情動の変化を皮膚電気活動(EDA:Electrodermal Activity)並びに精神性発汗(Emotional Sweating)に変換して測定し、その結果をもとに検討した.標本には、映像情報としては,中性刺激と見なせる構成のビデオ映像約4.5分,及び7分間に恐怖心を惹起させると期待される画像を1/30秒間ランダムに14,及び26ヵ所に挿入し視聴させた.被験者は男女学生合わせて20名である.音声・音響情報としては,クラシック音楽に人間の声と動物の声を挿入したテープを20名の被験者に聴取させた.この結果,前者の被験者については,何らかの情動の変化が検出されが、後者の被験者については明確な変化は見られなかった.したがって,映像情報については、サブリミナル効果の存在を否定できないが、音声情報については判別できないという結果を得た.
著者
白井 喜代子 中村 隆夫 楠原 俊昌 山本 尚武
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.179, pp.1-4, 2004-07-07
参考文献数
4

簡便な装置により無侵襲的な測定ができるという特長を持つインピーダンス法は,生体情報計測に適しており皮膚インピーダンスを用いた多くの応用計測がある.しかしながら,皮膚インピーダンスには個体差や部位差が存在し,これらは目的因子の変動と重なり評価を困難にしている.今回,応用計測を障害する個体差および部位差を較正するために,一般的なデータをもとに構築する皮膚インピーダンスの標準化モデルを提案した.各パラメータにおいて測定値とモデル皮膚インピーダンス値との相関は高かった.また,規格化皮膚インピーダンス値の変動係数は測定値の変動係数の約60%に減少し,本法の妥当性を確認できた.生体情報計測に標準化モデルを活用することは,測定値そのもので評価する方法と比較し診断精度は高く,今後の応用計測に有用と考えられる.
著者
合田 典子 片岡 則之 奥田 博之 梶谷 文彦 山本 尚武 清水 壽一郎
出版者
岡山大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

研究目的:本研究では、エストロゲンの血管内皮細胞に対する作用を実時間で解析するため、ECIS(Electrical Cell -substrate Impedance Sensing)法を用い、細胞-細胞間隙と細胞-細胞下基質間隙および細胞自体の挙動をナノオーダーで定量的に計測した。さらに、これらナノ細胞挙動を引き起こす基礎となる細胞骨格や接着因子のダイナミックな変化を共焦点レーザー顕微鏡と原子間力顕微鏡を併用して観察し、エストロゲンの血管内皮細胞に対する作用を総合的に解析した。研究の成果:種々の濃度の17β-Estradiol(E_2)付加後の内皮細胞の微細動態(細胞-細胞間隙,細胞-細胞下基質間隙,細胞自体の挙動)をECIS法にて経時的に計測したところ、高濃度のE_2の負荷によりインピーダンスは減少し、細胞-細胞間隙が拡がったことが示唆された。原子間力顕微鏡(AFM)を用いて機械的な弾性特性を測定した結果、高濃度のE_2による内皮細胞辺縁部の弾性は変化せず、成熟女性の生体内濃度(E_210^<-10>及びE_210^<-11>mol)では同部の弾性率を各々61%,56%低下させ、生理的濃度のE_2が内皮細胞の細胞ミクロメカニクスを有意に変化させた。また、動脈硬化症の危険因子として注目されている酸化LDLを培養内皮細胞に作用させた実験を併せて行った。健常者の酸化LDLはヒト血漿LDL画分中の0.01%程度とされるが、その影響を強調するため50μg/ml,100μg/ml及び200μg/mlの高用量を20時間作用させた。インピーダンスは全体として11%増大し、細胞-細胞間隙、細胞-細胞下基質間隙共に増大することが示唆された。また内皮細胞辺縁部弾性率はコントロール群に比べ、70〜80%の低下を示し、酸化LDLは細胞内皮の透過性の上昇及びバリア機能の低下を引き起こすことが示唆された。今後、酸化LDLが内皮細胞に及ぼすこれらの作用に対するエストロゲンの効果を検討する予定である。
著者
白井 喜代子 山岡 聖典 花元 克巳 山本 尚武
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.97-102, 2004-03-01

マイナスイオンの身体への作用としては血液の酸性化を防ぎ、新陳代謝を高めることにより細胞機能の活性化、精神安定、疲労回復などが促されることが知られており、エアコンなどに組込みが行われている。これらの作用について科学的、定量的に検討された報告例がいくつかあるものの十分ではない。このため、本研究では被験者への吸入濃度を7,000個/cm^3あるいは20,000個/cm^3に調整したマイナスイオンによる自律神経系と循環器系への作用について、それぞれ皮膚電気活動と皮膚血流量を指標に測定した。その結果、皮膚血流量には有意な変化は見られなかったが、皮膚電気活動には有意な変化が認められた。これより、マイナスイオンが少なくとも自律神経系などの生理活動に作用していることが確認できた。