著者
井田 慎一郎 山本 紘子 照沼 真衣 伊藤 眞義
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.55-60, 2009 (Released:2009-02-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

PET/PEN/PET-PEN コポリマーからなる三元系ブレンドについて,系内で進行するエステル交換反応が,ブレンド系からコポリマーのみからなる一元系への変化に与える影響を検討した.エステル交換反応の進行度が小さい場合,PET/PEN/PET-PEN コポリマーブレンドは上部臨界溶解温度(UCST)型の相図を示した.エステル交換反応の進行に伴い,ブレンド系は一元系へと変化した.この変化が生じるために必要なエステル交換反応の進行度は,三元系のブレンド比や PET-PEN コポリマーのブロック性にほとんど依存せず約 1 mol%以上であることがわかった.
著者
三村 治 河原 正明 清澤 源弘 中馬 秀樹 不二門 尚 山本 紘子 若倉 雅登
出版者
日本眼科学会
雑誌
日本眼科學会雜誌 (ISSN:00290203)
巻号頁・発行日
vol.115, no.7, pp.617-628, 2011-07-10
参考文献数
65
被引用文献数
2
著者
武藤 多津郎 山本 紘子 宮地 栄一
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

我々はこれまで遺伝性アルツハイマー病(FAD)の原因遺伝子の一つであるプレセニリン1(PS1)の突然変異がもたらす脂質とくに糖脂質代謝への影響を明らかにし、それが神経細胞の情報伝達に如何なる影響を与えるのかを主に脂質ラフトの観点から研究を展開してきた.その結果現在まで下記のような事実を明らかにした.1)変異PS1の発現する神経芽細胞腫では、グルコシルセラミドのsteady state levelが著減しており、したがって全ての種類のガングリオシドもまた著減している.2)この異常は、同じ変異PS1を発現するトランスジェニックマウス脳組織を用いた解析でも確認された.3)これら異常の原因を詳細に調べたところ、グルコシルセラミド合成酵素蛋白量が変異PS1の発現により著明に減少することが明らかとなり、この変異PS1の有するγ-セクレターゼ活性が前記酵素を切断・分解している可能性が示唆された.4)さらに、最終年度ではこうした変異PS1を発現する神経芽細胞腫を用いてパッチクランプ法でイオンチャネル機能を及ぼす影響を調べたところ、変異型細胞ではNaチャネル機能大きな異常が存在することを見出した(論文作成中)5)また、上記のグルコシルセラミドの本症病態発現に於ける意義を探るため、この中性糖脂質に対する自己抗体を有する疾患を同定するためのスクリーニングを神経患者血清を用いて実施し、陽性となる疾患を同定した.これら疾患は何れも亜急性の記憶・認知機能障害を呈する疾患であった(FEBS Lett 2006)