著者
猿樂 拓也 北濱 幹士 山田 光穗
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.29-42, 2021 (Released:2021-02-25)
参考文献数
18

In recent years, due to international sports competitions, attention to sports has increased, and sports science research has been conducted to develop athletes who can play in international competitions. In sports science, the measurement of eye movements has attracted a great deal of attention because it can reveal the superior performance of an athlete. However, it has been difficult to measure eye movements during actual competition with conventional wired eye movement measurement devices. We developed a wireless eye movement measurement device and measured the line of sight during actual competition in various sports.
著者
篠原未歩 石井英里子 星野祐子 山田光穗
出版者
特定非営利活動法人 パーソナルコンピュータ利用技術学会
雑誌
パーソナルコンピュータ利用技術学会論文誌 (ISSN:18817998)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.40-55, 2021 (Released:2022-03-18)

映像視聴が人にもたらす効果の研究では,主観評価や眼球運動計測を用いる研究が多く行われているが,生体信号を軸とした研究事例が少ないのが現状である.また,「癒やし効果」に関しては評価基準が難しく,明確な研究報告が行われていない.そこで,本研究では「癒やし効果」に着目し,主観に左右されない生体信号を用いることで高精細映像がもたらす効果を明らかにする.癒やし効果の評価にはリラックスに関連する副交感神経の影響を評価することが最適だと判断し,計測する生体信号は心拍数,呼吸数,脳血流動態,皮膚温度とした.さら に,映像品質に関する重要な要素である解像度と色域 ・輝度に着目し, ,2種類の実験を行うことで,より詳細に高精細映像が人にもたらす癒やし効果を解析・検討した. 本研究結果では,高解像度・広色域・高輝度の自然映像に 大きな 効果が見られた.このことから,高品質な映像条件で視聴することによって,実際に見る景色に近づき,自然の中にいる時と同等の癒やし効果を得られる可能性が高いことを示した.
著者
加藤 大一郎 石川 秋男 津田 貴生 福島 宏 山田 光穗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.1315-1324, 1999-09-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
9
被引用文献数
9 6

We are studying an intelligent robot camera system that can automatically shoot images with a powerful sense of reality. To clarify the relationship between the size of a subject, shooting velocity, and position of the subject in the image, a basic experiment was conducted on the shooting of a moving subject. The following points were clarified. The subject's position in the image seems to be more closely related to the size of the subject than its velocity ; the larger the subject and the faster it is moving, the greater the values for the distribution of the subject's position. We also found that if a subject moves outside the best position in the image, its position is not corrected immediately but the shooting continues keeping the maximum velocity of positional change within about 0.20 to 0.35. We also conducted subjective image evaluation experiments using a camera control system. This has revealed that the factors in subjective evaluation of camera work may be divided into four groups representing continuation, vividness, sensitivity, and human-warmth, and that the tested subjects were liable to feel shots, taken with techniques similar to those used by cameramen were more human-like, so they gave them relatively high evaluations.
著者
菅沼 美由起 山村 知生 星野 祐子 山田 光穗
出版者
特定非営利活動法人 パーソナルコンピュータ利用技術学会
雑誌
パーソナルコンピュータ利用技術学会論文誌 (ISSN:18817998)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.8-20, 2017 (Released:2019-11-03)
参考文献数
18

口唇動作認識とは,音声認識と顔認識を組み合わせたマルチモーダル認識であり,発話認識技術の1つとして研究されている。我々はこの技術に着目し,顔認識ソフトを用いた発話トレーニングシステムを本研究室で開発した。今回我々は,本研究室で開発したシステムを用いて英語発話トレーニングを行った。それに伴い本校英語教員の発話データを取得し,データベースの作成も行った。このトレーニングでは英語教員の口唇動作と発話学習者の口唇動作を比較して発話トレーニングを行うことで,プレゼンテーションや面接時の発話改善,外国語の発話能力改善に役立てることを目的としている。発話の改善を示す評価結果は発話学習者に学習へのインセンティブとなる。本稿では発話動作を時系列に並べた口唇動作履歴による主観的な評価に加え,音声を可視化することのできるIPA チャートを用いた客観的な評価法の検討を行った結果を示す。
著者
大友 隆秀 望月 信哉 石井 英里子 星野 祐子 山田 光穗
出版者
特定非営利活動法人 パーソナルコンピュータ利用技術学会
雑誌
パーソナルコンピュータ利用技術学会論文誌 (ISSN:18817998)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.36-42, 2020 (Released:2020-03-20)
参考文献数
23

コンシューマー向けの低価格な非接触型の視線入力装置が販売されるなど視線インタフェースには大きな注目が集まっている。我々はこの非接触型の装置を使用した新しいユーザインタラクションシステムの開発を試みた。提案するインタラクションシステムは注視点と注視時間に基づいて、ウェブページからユーザが関心を持つと推定される単語を自動的に抽出し、画面に関連情報を自動で呈示する。本稿では、興味情報の抽出を行うインタラクションシステムの基礎的な検討として、提案するシステムの仕組みと検証を行った結果を示す。
著者
工藤 博章 山田 光穗 大西 昇
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.169-175, 2017-01-01 (Released:2017-01-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

近年,高精細画像を利用する機会がますます増加し,今後もより高精細化した映像の普及が見込まれている.高精細な映像を用いると,単位視角当りの画素数を保つことで,提示領域の拡大が実現でき臨場感が高まるといわれている.一方,単位視角当りの画素数の増加を実現することもでき,これは現実感の向上につながるといわれている.また,眼球運動の測定装置は,研究機器だけとしてでなく,PC やタブレット端末のインタフェース機器として使われるようにもなってきており,身近になっている.ここでは,今後,精細化画像の一層の普及とともに,立体映像についても精細化の進展,また映像の制御技術の発展を想定し,立体映像の知覚に関して行った心理実験での眼球運動の測定例について報告する.立体映像の提示方法において,知覚上重要となる,奥行きの違いで生じる遮蔽(オクルージョン)領域について着目した.
著者
吉松 浩 山田 光穗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.1042-1051, 1995-08-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

Miniature eye movement is characterized by it's complex waveform, small amplitude and unconsciousness. Involuntary movement like this may be affected by various psychological and physical states. From a view point of a fractal dimension analysis, the characteristics of miniature eye movements were investigated for estimating our sensitivity of feeling. The correlation dimension was used as a fractal dimension for quantizing complexity of miniature eye movements drift components. Validity of sufficient total calculation data (i. e. 18, 000 points for 12 embedding dimensions using a bandpass filter) were confirmed. And also differences between experimental data and noise of measurement system were simulated using pseudo white noise. And 1/f power spectrum of experimental data was confirmed using Fast Fourier Transform. This suggested that miniature eye movement may be a biological chaos. The applications of this analysis may be not only sensitivity of feeling estimation but also a medical application as a diagnosis of dementia.
著者
吉松 浩 山田 光穗
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.1042-1051, 1995-08-20
参考文献数
34
被引用文献数
9 1

視線は, 一点を注視している場合, 常に微小運動を行い, 不随意眼球運動として固視微動と呼ばれる.不随意運動は, ヒトの身体的・心理的状態を反映する可能性があり, 特に固視微動による視覚的注意や疲労の定量的評価へ, その時に映像のどの部分を注視していたか等の認知レベルの評価と統合し, 視覚情報に基づく感性評価への可能性がある.しかしながら固視微動は, 眼球運動モデルの中で外部雑音として扱われている.本研究では, 固視微動のドリフト成分の両眼間水平方向の相対運動について, フラクタ次元解析を行い, その不規則な実験データの定量的評価が可能であることをデータ点数依存性から示した.さらに, 擬似白色雑音と眼球運動データとの比較, および高速フーリエ変換により, カオスを示唆する1/fスペクトルを得た.固視微動の定量化は, 被験者の心理状態や情動反応の客観的評価の可能性ばかりではなく, 痴呆診断等の医用応用への可能性がある.
著者
横山 優樹 高比良 英朗 望月 信哉 山田 光穗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.J298-J305, 2015 (Released:2015-09-25)
参考文献数
17
被引用文献数
2

われわれは電子端末の使いやすさ,見やすさについて,目のピント調節と輻輳眼球運動の追従精度から評価できないか検討を行っている.視標を奥行き方向にリニアに移動させることができる装置と組合せ,眼球の水晶体調節と輻輳眼球運動を同時に測定する実験装置を開発し,表示媒体,フォントサイズ,文字フォントといったパラメータを変化させ,奥行き方向に移動させた際の輻輳眼球運動と調節応答の分析を行った.その結果,調節変化量は奥行き移動量に近いものの,表示媒体,フォントサイズ,文字フォントによって違いがあること,輻輳の変化量は,これらのパラメータに依存する傾向はあまりみられなかった.
著者
新川 達矢 岩楯 麻由 松山 恵理 山田 光穗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IMQ, イメージ・メディア・クオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.40, pp.19-22, 2012-05-11
被引用文献数
1

書籍の電子化が急速に始まっている。それにも関わらず、今のところ、それほど普及しているとは言えない。電子書籍はスワイプ、フリック、スクロールなど多彩な指の動きを駆使して読書することができる。人が電子書籍に対して抱いている要望や課題をアンケートで調査するとともに、電子書籍を眼球運動や頭部運動、手、指の動きを巧みに使ってどのように読んでいるのかについて調査した.