- 著者
 
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             小林 沙織
             
             佐々木 淳
             
             御領 政信
             
             内田 直宏
             
             井口 愛子
             
             山﨑 真大
             
             佐藤 れえ子
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 公益社団法人 日本獣医師会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.72, no.4, pp.215-221, 2019-04-20 (Released:2019-05-20)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 17
 
          
          
        
        
        
        常染色体優性猫多発性囊胞腎(feline autosomal dominant polycystic kidney disease:fADPKD)は,人ADPKDと類似した病態をとる.肝囊胞を有するfADPKDの猫3例の臨床病理学的検討を行った.肝臓の病理組織学的検査及び肝囊胞液の分析を実施した.3例は,すべてペルシャ種の雄であった.2例の肝臓に限局性で多房状の肝囊胞を認め,1例に大きな単胞性肝囊胞を認めた.大部分の肝囊胞は肝葉辺縁部に位置していたが,組織学的に,微小な肝囊胞が肝実質内にも認められた.肝囊胞は,一層の低立方状細胞で内張りされていた.肝囊胞液は,血清と比べ,K+及びBUN濃度は高く,Na+,Cl-,Cre濃度は類似していた.いずれの症例とも,肝機能低下を示唆する血液検査所見は認められなかった.