著者
若倉 正英 岡 泰資 三橋 孝太郎 橋本 孝一 泊瀬川 孚 宮川 孝
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.337-343, 1998-05-30
参考文献数
4
被引用文献数
1

一般廃棄物では収集運搬, 処理過程で少なからぬ事故が発生している。一般廃棄物を取り扱う工程での安全を担保するためには, 危険性の実態を把握することが重要である。廃棄物処理管理技術者協議会では厚生省の協力の下に, 平成4年から8年の間に一般廃棄物処理施設で発生した事故に関するアンケート調査を行い興味のある結果を得た。5年間で400件近くの事故が報告され, その中には32名の死亡者と198名の負傷者が含まれ, 被害額1, 000万円以上の物損事故は30件以上発生した。<BR>カセットボンベなどに起因する火災, 爆発事故が多発し大きな施設破壊と時には人身事故を引き起こしていた。また, 施設の老朽化や処理対象廃棄物の増加, 作業マニュアルの整備の不足は種々な労災事故の原因となっていた。さらに, 新規な処理技術の開発や処理対象物質の多様化が進んで, 混触による中毒や異常反応に伴う爆発など, 事故の形態がこれまで以上に複雑化してくる可能性が示唆された。
著者
若倉 正英 岡 泰資
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.200-205, 1999-06-15
参考文献数
4
被引用文献数
1

<p><tt><b>廃棄物は多様な物質が収集運搬,破砕,焼却,化学処理,保管,埋立などさまざまな工程で取り扱われる、そのため,安全化技術の標準化が容易ではなく,一般の製造業に比べて事故の発生頻度がかなり高い.人身災害の大部分ははさまれや巻き込まれといった傷害事故であったが,最近では排出される化学品由来の事故も増加している.化学物質による事故は可燃性廃棄物による火災,爆発が最も多い.特に特定フロンの使用禁止以降,種々のスプレー缶で蓄圧剤として可燃性ガスを使用するため,ゴミ収集車内や廃棄物破砕施設で火災や爆発が頻発している.また,リサイクルや無害化処理に伴う工程では,複数の物質の混合による有害物の発生,発火事故などが少なくない. </b></tt><tt><b>取り扱う廃棄物の安全性に関する性状や,対応方法を把握することが重要である.</b></tt></p>
著者
岡 泰資 須川 修身
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

横風の影響を受けた火炎形状,熱気流性状を把握するために,単一および複数火源を用いた模型実験を実施し,以下の事項が明らかとなった。(1)横風を受け下流側に傾斜した単一火源上の火炎の高さおよび傾斜角度を,発熱速度と横風速度の複合関数で表した関係式を導出した。さらに,火源規模および形状を変化させた実験結果を基に,無次元発熱速度で0.05<Q^*(Q^*rec)<12.75,さらに正方およびアスペクト比が1:6の矩形火源まで適用可能となった。(2)横風を受けた火災プリューム主軸の軌跡をロジスティック曲線で近似した予測式を提案した。さらに横風速度の影響を加味した形でこの軌跡に沿った移動距離と温度減衰の関係を表した関係式を提案するとともに,この温度上昇,外気速度および移動距離を変数として,主軸に沿った温度上昇と熱気流速度の関係式を導いた。(3)横風を受けた熱気流が作り出す温度場の結果を基に,温度で定義したプリューム幅を求め,火災プリュームの断面形状を実験的に明らかにした。さらにこの半値幅を用いて,火源から運ばれてきた熱と横風により上流側から運ばれてきた熱の和として火災プリューム内の温度分布が表現出来ることを示した。(4)2種類のCFDコードを用いて,有風下の火災プリューム性状の再現性を検討した結果,燃焼モデルの適用と火源への発熱速度の与え方を同時に工夫することで,連続火炎領域の高さや火災プリュームの主軸位置をある程度再現できたが,温度減衰性状は計算コードによる違いが著しく,また実測値と異なる結果となった。(5)有風下における複数火源からの火炎および熱気流性状に対して,模型実験の実験結果と比較することで,単一火源上に形成された火災プリューム性状に関する既存の予測式がどこまで適用可能であるかを検討した。