著者
松井 大輔 岡井 有佳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.501-506, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
9
被引用文献数
3

良好な景観や居住環境を維持・保全するため、近年、パチンコ店の立地に反対する住民運動が発生している。本研究は、阪神間の都市を対象に、特に芦屋市を中心として、自治体条例に基づくパチンコ店の立地規制の枠組と内容を明らかにし、他の市町村におけるパチンコ店の立地規制の検討に示唆を得ることを目的とする。パチンコ店は、特定の用途地域を禁止区域に指定することと、特定施設から一定距離内の範囲を禁止区域に指定することによって規制されており、それらは風営法、建築基準法・都市計画法による規制のほか、自主条例によって定められている。芦屋市においては、さらに地区計画を用いることによって市全域でパチンコ店を規制していることが明らかとなった。パチンコ店の立地が望ましくない地域においては、これらを組み合わせることによって、パチンコ店を事前に規制することが望まれる。
著者
川野 裕司 岡井 有佳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.616-623, 2023-10-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
8

地区の魅力を高めるというエリアマネジメントの目的のために、総合設計制度により生み出される公開空地の活用が求められる。しかし、公開空地の占用に関して、特段の法令上の定めはなく、自治体独自で運用されている。本研究の目的は、地域の活性化や賑わい創出を目的とした公開空地の占用の基準とエリアマネジメントにおける公開空地の活用実態を明らかにすることである。公開空地の目的を逸脱しない範囲内で、占用を可能にする基準を定める都市が増えており、公開空地の利活用が進んできている。公共性を有する占用主体による積極的な公開空地の活用を促進している都市もある。
著者
馬場 美智子 岡井 有佳 小原 雅人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.22-00160, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
19

木造住宅が密集し,細街路や袋小路の路地で構成される歴史的な市街地においては,大地震発生時の道路閉塞が消火活動に支障をきたし,大きな被害が発生する事が懸念される.本研究では,京都市内の上七軒通の周辺地区を対象に,無電柱化事業による防災効果を明らかにした.第一に,大地震発生時の道路閉塞による消防活動への影響と,無電柱化による防災効果を定量的に分析するための方法を構築した.次に,京都市無電柱化事業実施区間の中でも景観系事業が行われた対象地区において発生しうる大地震を想定して,無電柱化事業の消防活動への影響を実証的に分析し,無電柱化によって消火が困難となる区域が減少し防災効果があることが示された.
著者
馬場 美智子 岡井 有佳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.610-616, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2 3

近年、水害が頻発、激甚化する可能性がある中、河川の氾濫による水害リスクの高まりが懸念され、水害対策へのより一層の取組みが求められている。河川整備による限界がある中、土地利用・建築規制などのソフトな対策も合わせた複合的な水害対策が求められている。そのような状況の中、滋賀県は流域治水条例を制定し、総合的な治水対策に取り組んでいる。本論文では、土地利用・建築規制に焦点をあて、滋賀県の流域治水条例について都市計画制度の側面から分析を行った。また、フランスの水害対策に関わる都市計画と比較し、制度と運用面から(1)適用地域の範囲、(2)一貫した都市計画制度、(3)国と自治体の役割と責務の3点から課題を明らかにした。
著者
岡井 有佳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45.3, pp.19-24, 2010-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
12

フランスでは、長年、社会的問題を抱える大都市郊外の社会住宅団地の再生に取り組んできたが、いまだ根本的な解決には至っていない。そこで、期間を限定して大規模な予算を投入する「市街地改良全国プログラム(PNRU)」が、2003年の法律によって開始された。PNRUはソーシャル・ミックスと持続可能な発展を目的に、社会住宅団地が集中する困窮地区を再生するものである。本研究は、エピネイ=シュール=セーヌを事例として、PNRUによる住宅団地の再生手法の仕組みを明らかにすることを目的とする。その結果、公共施設整備などにより都市機能の多様化を実現していること、施設整備、基盤整備、住宅整備といった異なる事業が関連性をもって実施されていること、地区内外においてソーシャル・ミックスを達成していることが把握された。ANRUによる予算の一元化と契約による複数年の予算措置が、市街地環境の整備と社会住宅の再編の一体的な実施を財政面から支えることで住宅団地の再生が図られている。
著者
岡井 有佳 内海 麻利
出版者
公益社団法人 都市住宅学会
雑誌
都市住宅学 (ISSN:13418157)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.83, pp.95-100, 2013 (Released:2017-06-30)
参考文献数
16

The Borloo Law enacted in France in 2003 defined the guidelines for improvement projects as well as the maintenance management system for the regeneration of the housing estate including the role of associations involved in the process. This paper clarifies the significance and the role of the associations. In case of Angers city, the association “Régie de quartier d’Angers” was engaged as an association to represent inhabitants. It knew the local circumstances and went in the deliberation from earlier phase of the project and also took the responsibility for maintenance management. The proceeding reflects the regards of the inhabitants. The system of vegetable garden that was introduced enhances the community-building and the public safety measures, it is in the interest of ecological education, and finally contributes to more employment. It is argued that the maintenance management by the associations achieves the purpose of the Law, which aims towards sustainable reforms of habitation and dwelling environment.
著者
内海 麻利 小林 重敬 岡井 有佳
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、日本の各地域に対応した都市マネジメントにおける「主体」に関する課題を再確認した上で、地方分権改革や、都市計画法等の制度改革を進めるフランスを素材として調査、検討を行った。その結果、本研究では、フランスにおいて、住民や利用者など多様な関係者の意向を民主的な手続により聴取し、反映する手続(参加手続)と、多様な主体が都市マネジメントの担い手として活躍するための手続(公定化手続)を、法令制度として創設している実態を明らかにし、これらの具体的な仕組みと運用方策を地域類型に応じて提示した。