- 著者
-
岡田 克彦
羽室 行信
- 出版者
- 行動経済学会
- 雑誌
- 行動経済学 (ISSN:21853568)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, pp.121-131, 2019-02-15 (Released:2019-02-15)
- 参考文献数
- 18
本稿では株価の予想可能性をクロスセクション(cross section)の予測に限定し,新たに報告されるファクターが近年急増している事実を紹介する.クロスセクションの予測ファクターの数は年々増加の一途をたどっているが,その整理は未だされていない.これらは真のリスクファクターの一断面であるかもしれないが,次元の呪いにより同じファクターの別断面なのか,独立したファクターなのかがわからない.そこで,近年では機械学習の方法論を援用して変数選択しようという取り組みが行われている.AIの金融応用におけるもう一つの方向性は,これまで活用されていないデータを,近年の計算機能力の進化を活用してすすめることにある.本稿では,その一例として取引関係に基づく株価の予測可能性について紹介した.