- 著者
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荒木 昭一
横矢 直和
岩佐 英彦
竹村 治雄
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
- 巻号頁・発行日
- vol.79, no.10, pp.1704-1711, 1996-10-25
- 被引用文献数
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32
従来の動的輪郭モデル(Snakes)では,Snakes内部の複数対象物を独立して抽出できないため,対象物の数だけ初期輪郭を与える必要があった.本論文では,Snakesによる複数対象物の自動抽出を目的として,複数対象物を包含するように初期輪郭を一つ与えるだけで,それらを独立して抽出できるSnakesを実現するため,面積項による収縮型のSnakesが変形の際に自己交差を起こすという挙動に着目し,Snakesを自己交差部分で切り離して複数に分裂させる分裂型の輪郭モデルを提案する.提案手法は,分裂により生じた小さな輪郭モデルを消滅させることにより,画像中に散在するノイズや抽出対象外の小物体に捕獲されにくく,初期輪郭を対象物から離して与えても安定して対象物を抽出できるため,例えば,画像の枠を初期輪郭として,複数対象物を自動的に抽出することもできる.提案手法の有効性を示すため,まず人工画像を用いた動作確認実験を行い,次に実画像を用いた実験として,顕微鏡写真からの複数細胞の抽出および動画像を用いた複数移動物体の抽出・追跡への適用例を示す.