著者
岩本 誠一 江口 将生 吉良 知文
出版者
九州大学経済学会
雑誌
経済学研究 (ISSN:0022975X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.1-19, 2007-12

本論文では、黄金数、白銀数、青銅数を中心にそれぞれの比・形・率との数理的関係を体系的に考察する。まず、黄金数、白銀数、青銅数を黄金2次方程式、白銀2次方程式、青銅2次方程式の正の解としてそれぞれ定義し、この3つの数を用いて、黄金比、白銀比、青銅比を導入する。次に形として、この3つの比をもつ長方形、黄金長方形、白銀長方形、青銅長方形を定義する。さらに率として、この3つの数を求める2つの近似方法-連分数法と多重根号法-の縮小率に着目して、2つの縮小率の比がそれぞれ黄金比、白銀比、青銅比であることを示す。最後に、一般の第n貴金属数についても比、長方形、縮小率との関係を述べる。

8 0 0 0 OA 破産か長者か

著者
岩本 誠一
出版者
九州大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:0022975X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.27-45, 2003-01-30

本論文では、賭博者破産問題をマルコフモデルとして定式化して埋め込み法で解く。これは、与問題をある問題群に埋め込んで、その部分問題間の再帰式を導き、これを解いて、本来の問題の解を求める方法である。埋め込み法は、いわゆる動的計画法のアプローチを最適化を意識しないで適用したものである。また、「勝敗差がはじめて3になったとき優勝決定とする」ルールの下で、プロ野球・日本シリーズでの優勝確率・平均試合数を再帰的に求める。
著者
岩本 誠一
出版者
九州大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:0022975X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.1-29, 2002-03

本論文では,プロ野球日本シリーズの経済波及効果と優勝確率をマルコフ連鎖を用いて評価する。ダイエーホークスと読売巨人の勝敗数を二項モデルによって表し,期待経済効果および各チームが優勝する確率(絶対確率と条件付き確率)を再帰的に求める。
著者
岩本 誠一
出版者
九州大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:0022975X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.25-50, 2003-03-31

本論文では、テニスを2項過程として考える。ゲーム、セットおよびマッチを制する確率をそれぞれ直接法および再帰的方法で求める。両プレーヤーの戦力が均衡しているとき、1ゲームは平均して63/4ポイントで決着することになる。
著者
岩本 誠一 木村 寛 藤田 敏治
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.359-363, 2014-07-01

映画「ダ・ヴィンチ・コード」ではフィボナッチ数が暗号として用いられている.この報告では,一対の主問題と双対問題を導入して,その最適解を交互に編むとこの暗号が得られることを示す.映画では8つの数字からなる暗証番号が中心的な役割を果たしている.本論文ではこの暗証番号が双対最適化理論の格好の教材でもあることを数学的に示す.主問題と双対問題の最適解の間に美しい関係-フィボナッチ相補双対性-が成り立つことを示している.
著者
岩本 誠一 吉良 知文 植野 貴之
出版者
九州大学経済学会
雑誌
経済学研究 (ISSN:0022975X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.1-22, 2009-09

映画「ダ・ヴィンチ・コード」では8つの数字からなる暗証番号が中心的な役割を果たしている。本論文ではこの暗証番号が双対最適化理論の格好の教材でもあることを数学的に示す。主要な成果は3つである。(1)主問題と双対問題の最適解の間に美しい関係―フィボナッチ相補双対性―が成り立つことを示している。(2)最適化の一階条件として新たにフィボナッチ条件を導出して、この条件に基づく分割法によって簡単に最適解を求めることができることを示している。すなわち、フィボナッチ分割法を提案している。(3)さらに、2つの方法―(i)ラグランジュ乗数法と(ii)準線形化法―によって主問題から双対問題を導いている。
著者
岩本 誠一 前園 宜彦 中井 達 時永 祥三 藤田 敏治
出版者
九州大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

従来のポートフォリオ理論では平均・分散基準の確定的最適化を数理計画法によっておこなっているが、本研究においては、数理ファイナンス分野おける新しい評価基準として単一評価クラスと複合評価クラスを導入して、その不確実性の下での動的最適化手法を提案している。とくに、リスクとリターンを確率変数そのものとして取り扱い、制御マルコフ連鎖上で分数型基準の条件つき期待値を再帰的に最適化している。分数型評価は複合評価の典型的な基準の一つであるが、他に、比型、分散などの複合型基準の動的最適化をおこなっている。さらに、動的計画法を中心とした動学的最適化手法として、(1)全履歴法、(2)パラメトリック法、(3)マルコフ法、(4)多段確率決定樹表を開拓し、既存の最適化手法では解けない問題を提案し、これらの最適解を導いた。また、動的最適化手法をより分かりやすく、説得力あるものにするために、各種グラフィックス表示およびその開発をおこなった。とくに、不確実性の下において非加法型評価の多段階意思決定過程の最適化を動的計画法によって行った。具体的には、(1)事前条件付き意思決定過程と(2)事後条件付き意思決定過程の二つを新たに導入し、(3)条件なし(本来の)意思決定過程との最適解の構造およびそのアプローチにおいて三つの過程の相違点を明らかにした。本研究によって、閾値確率制御問題が上述の多様な方法で解けることが明らかになった。とくに、閾値確率最大化問題の逆問題は数理ファイナンスにおけるバリュー・アト・リスクの最小化問題なることがっわかり、バリュー・アト・リスクの最小化に新たに動的計画法・埋め込み法が適用できることになった。この二つの方法はこれまで確定的システムの最適化に多用されて成果を上げてきたが、本研究によって確率システム・あいまいシステムに対しても動的計画法・埋め込み法が適用できることが判明した。したがって、本来不確実性の下で変動するポートフォリオシステムの最適化方法が多様・多彩になってきた。これらはまさしく本萌芽的研究の成果である。
著者
児玉 正憲 中井 達 岩本 誠一 時永 祥三
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

平成5年度の研究においては企業におけるマルチメディア環境の実態調査とマルチメディア理論などの従来の研究成果を収集することに力点を置いた。更に日本企業の活動が国際化している現状から情報通信ネットワークによる日本の本社と海外生産拠点とのデータ伝送の実態についてもアンケート調査などを実施した。これらにデータ収集と平行して理論解析も行ってきた^<(1)、(2)>。この結果基本的な枠組としては種々の要因をもつ社会システムの解析方法として有効である動的システムの理論が適用可能であること情報産業などの影響を分析する数理経済的な方法により生産のネットワークにおけるデータや画像など設計や研究開発に密接に関連した情報の役割を分析できる見通しを得ている。平成6年度は更に多量の実証データを収集することにつとめ豊富化することができた。研究推進の上で生産・物流システムの最適構成の検討が重要であるので平成5年度〜平成6年度の2年間を通じて動的計画法の基礎理論^<(9)、(10)、(11)、(12)>、信頼性・待ち行列システムの解析^<(5)、(6)>、確率システムの最適政策^<(7)、(8)>、および確率的多段決定問題の解析^<(13)、(14)、(15)、(16)>などの理論的研究を行った。またマルチメディア環境における新しいデータ解析法の構築の必要性からニューラルネットワークによる企業倒産予測システムの設計^<(3)>および時系列データの検索・予測の理論的・実証的研究^<(4)>を並行して行った。
著者
岩本 誠一 木村 寛
出版者
九州大学経済学会
雑誌
経済学研究 (ISSN:0022975X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.1-19, 2009-12

映画「ダ・ヴィンチ・コード」では8つの数字からなる暗証番号【ダ・ヴィンチ・コード】が中心的な役割を果たしていた。本論文ではこの暗証番号のもう一つの片割れを双対最適化理論の枠組みの中で紹介する。主要な成果は3つである。(1)主問題と双対問題の最適解の間に美しい関係―交互フィボナッチ相補双対性―が成り立つことを示している。(2)最適化の一階条件として新たに交互フィボナッチ条件を導出して、この条件に基づく分割法によって簡単に最適解を求めることができることを示している。すなわち、交互フィボナッチ分割法を提案している。(3)さらに、直接的な方法によって主問題から双対問題を導いている。