著者
長山 格 岩永 竜也 上原 和加貴 宮里 太也
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.2, pp.138-146, 2021

<p>This paper presents the development of a new method for the estimation and resolution of body occlusion using deep learning for an advanced intelligent video surveillance system. A generative adversarial network is used to estimate and reconstruct an image of a hidden part of the human body. Furthermore, an alternative learning approach using 3DCG that was developed in our previous study is adopted to create a large dataset for deep learning. Experimental results indicate that the proposed method performs well in the estimation of hidden parts of the human body using images of actual people.</p>
著者
亀山 顕太郎 斉藤 学 下井 俊典 岩永 竜也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C4P2163, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】内側型野球肘は、主としてコッキング後期から加速期にかかる外反ストレスに起因するといわれている。しかし、投球動作を繰り返しても痛みが出現する選手と、痛みが出現しない選手がいるため、この外反ストレスの影響を大きくうける不良なフォームとストレスが小さい理想的なフォームが存在することが考えられる。本研究の目的は、加速期の前腕回内・回外角度に着目し、外反ストレスに抗して働くと考えられる手関節屈筋群の筋活動量について調査し、投球時の前腕の肢位が前腕屈筋の筋活動に及ぼす影響を検討することで、理想的な前腕の肢位を明らかにすることである。【方法】対象は野球経験のある男性11名(平均年齢21.3±0.4歳)。測定肢位は、端坐位にて肩関節外転95度および最大外旋位にて肘関節屈曲90°とした。測定条件は、投球側手掌が投球側を向く加速期をイメージした前腕回内位を保持した肢位(以下:前腕回内位)と、投球側手掌が頭部を向く加速期をイメージした前腕回内回外中間位を保持した肢位(以下:前腕中間位)の2条件とした。被検者に、各条件にてひも付きのボールを把持させ、1kgの後方負荷を水平方向にかけ、5秒間保持するように指示をした。Noraxon社製Myosystem 1200を用いて、2条件で尺側手根屈筋と橈側手根屈筋の表面筋電図を導出し、安定した3秒間の筋電位について積分筋電位を求めた。なお、前腕回内位と前腕中間位の測定順番はランダムとした。統計学的手法は、各筋別の2条件間の積分筋電位について、対応のあるt検定を用い、有意水準は5%とした。【説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき、対象者に対して研究の目的を説明し同意を得た上で、研究を行った。【結果】11名全例で、前腕中間位の方が、前腕回内位よりも尺側手根屈筋および橈側手根屈筋のiEMGが高値を示し、有意差も認められた(p<0.01)。【考察】今回の結果より、加速期での前腕中間位は前腕回内位に比べて、尺側手根屈筋および橈側手根屈筋への負担が大きい肢位であることが明らかとなった。よって、加速期に前腕が中間位であると、橈側手根屈筋および尺側手根屈筋に遠心性の収縮がより強度に起きる結果、上腕骨内側上顆への牽引・伸張ストレスが増強すると考えられる。このストレスの繰り返しが、肘関節内側の損傷および疼痛の一要因となることが推測される。また、尺側手根屈筋の筋肥大が尺骨神経の絞扼につながるとの報告もあるため、尺側手根屈筋の過収縮を起こす前腕中間位での投球は、投球動作で引き起こされる尺骨神経障害にも影響があることが考えられる。 逆に、前腕回内位では、肘への外反ストレスに対する球状の上腕骨小頭とこれに対する凹面の橈骨頭をもつ腕頭関節の骨性の支持、および、蝶番関節である腕尺関節の骨性安定機構も得られると推測する。また、外反ストレス時の安定性の保持に最も重要な役割を果たしている靭帯である内側側副靭帯前方部分も、効率的に働くため、ストレスが分散され、前腕屈筋群にかかる遠心性ストレスは軽減されると考える。しかし、肘関節の屈曲角度が70~80度では、逆に内側側副靭帯前部へのストレスが過度になってしまうとの報告もあるため、実際の臨床では、十分な肘の屈曲が得られているかも評価する必要がある。 内側型野球肘の一要因となるストレスが生じる原因は、いくつかあると考えるが、今回着目した前腕中間位での投球もその一つであることが明らかになった。【理学療法学研究としての意義】今回の結果より、加速期にて肘の内側に疼痛を訴える選手の理学療法を進める上で、投球動作中の前腕回内外角度も評価する重要性が明らかとなった。また、前腕中間位の選手には、前腕回内位を指導することで、肘関節内側へのストレス軽減につながることが示唆された。
著者
岩永 竜也 亀山 顕太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C1439, 2008 (Released:2008-05-13)

【はじめに】我々は多くのスポーツ障害に対して、入谷式足底板を処方してきた。その多くはスポーツシューズに処方したものである。今回、裸足のスポーツである剣道競技者に対し、入谷式足底板の処方と足底板に対する補助手段を用いて疼痛が改善し、競技復帰したので報告する。【症例紹介】19歳女性。高校剣道部に在籍していた平成18年9月頃から足背部痛が出現する。多くの医療機関で治療を受けたが疼痛が改善せず、強い痛みが残存していた。同年12月当院初診、X線所見では、舟状骨に骨棘がみられた。左ショパール関節症と診断され理学療法を開始した。初診時の強い疼痛は裸足の競技のためテーピングを用いた足部誘導を行い改善された。僅かな疼痛が持続していたが、競技復帰可能であった。平成19年4月大学に入学後、剣道部に入部し競技を継続していた。同年9月に疼痛が増強したため当院を受診。X線所見では、舟状骨の変形が増悪していた。剣道以外の歩行時も疼痛が出現し、跛行がみられた。【方法】歩行時の疼痛に対して、通学などの日常の靴に入谷式足底板を処方した。競技用には剣道用足袋を用い、入谷式足底板を作製した。剣道用足袋の上からミズノ社製登山用足首サポーターにて、内果挙上誘導を追加した。【結果】歩行時の疼痛と跛行は、靴に作製した入谷式足底板にて改善した。しかし、剣道への競技復帰では、疼痛が残存していたため、入谷式足底板を作製した剣道用足袋と足首サポーターを用いることで、競技中の疼痛は消失した。【考察】本症例は疼痛を僅かながらも残存したまま競技を継続し、左足背部の疼痛が増強した。スポーツシューズを用いた競技であれば、足背部の疼痛コントロールは容易であったと推測されたが、裸足の競技であることと僅かな疼痛であったために、テーピングのみで競技可能と判断し、増悪させた反省すべき症例である。今回、左足背部の疼痛を残存させることは、より舟状骨の変形を進行させる可能性が高いと考え、剣道用足袋に入谷式足底板を作製した。剣道の左足は、裸足で踵を挙上して前足部のみで移動や床を蹴る動作を繰り返す特有のスポーツである。剣道用足袋に足底板のみでは、中足部と後足部の足底部が足底板と密着せず、足部誘導が不十分であったため、足首サポーターを用いて密着させ足部誘導を補った。また、足底板をより効果的するために、このサポーターの特徴である果部誘導を用い、内果挙上誘導を追加し良好な結果が得られたと考えられる。今回の剣道競技者の僅かな疼痛でさえ患部を増悪した経験から、外傷などの急性期を除くスポーツ障害において、テーピングのみでメカニカルストレスを十分に減じることが難しい場合は、足底板などで十分に足部誘導を行う必要があると考える。