著者
岩見 哲夫 谷村 篤 茂木 正人 小達 恒夫
巻号頁・発行日
2013-11-12

第4回極域科学シンポジウム個別セッション:[OB] 生物圏11月12日(火) 国立国語研究所 2階講堂
著者
羽田 明子 中村 アツコ 岩見 哲夫 伊元 光代
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.180-185, 1990-05-20

1.RHビーフは官能検査の結果、外観、舌ざわりに関する全項目と、味に関する好ましい味という項目に関して高い評価を得た。2.RHビーフに含まれるα-アミノ酸の量は生肉の約1.3倍、CVビーフの約1.7倍であった。加熱調理中の肉の温度が、60℃以下に保たれているため、酵素によるタンパク質の異化作用により増加したものと推察された。3.^1H-NMRによる水の^1H緩和時間から見たRHビーフの水分存在状態は、外側から中心部までのどの位置でも均一であり加熱が均一に及んでいることを示した。4.RHビーフ、CVビーフ共に重量から見た歩留まりは殆んど同じであったが、肉の可食部からみた歩留まりはRHビーフが100%、CVビーフでは85%であった。5.RHビーフの筋肉組織の変化は、結合組織の呈色の変化、アゾカルミンG呈色顆粒の存在という点で、表層部では多少の組織の変性が認められたが、中心部においては、その変性は比較的軽微であった。
著者
岩見 哲夫
出版者
東京家政学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

ナンキョクカジカ亜目8科56種について,閉顎筋および鰓弓周辺の一部の筋肉群について,詳細なアトラスを作製した。また,8科16種について,閉顎筋と関連の深い神経ramus mandibularis trigeminusの位置関係について明らかにした。これらの形質を解析した結果,ナンキョクカジカ科の中で従来の分類体系とは異なるクレードの設定が必要と思われる形質分布が確認された。特に,南極大陸沿岸域に分布の中心をもつトレマトムス亜科と外部形態では高い類似性を示すNototheniinaeの間では重要な差異が認められた。また,本科の中で原的なグループとされていたPatagonotothen属について,筋肉系からはその傾向を支持する形質が認められなかったことは,本属の系統的位置を推定する上で重要な新知見と判断された。カモグチウオ科とコオリウオ科の近縁性は従来の骨学的データおよび近年増加しつつある分子生物学的データからも支持されているが,筋肉系からも同様の結果が得られた。しかしながら,カモグチウオ科の一種キバゴチGymnodraco acuticepsについては,ナンキョクカジカ亜目全体の中でも極めて特異な形質状態を呈することが確認された。キバゴチに認められた形質を,稚魚期の個体の全身横断面切片を作製し解析したところ,閉顎筋1と2の融合は,稚魚期では認められず,成魚におけるこの形質は明らかに派生形質であることが確認できた。また,本種が内鼻腔構造を持つとされる問題についても,稚魚期には鼻腔と口腔が連絡していないことが確認され,この点についてはさらに検討を進めている。