著者
中川 種昭 池上 暁子 鷺 二郎 伊藤 幸高 林 智子 大島 みどり 島 信博 山田 了
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.901-906, 1992-12-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2

本研究は, スクラビング方式の電動歯ブラシを用い, 刷掃時間, 振動数などの違いによるプラーク除去効果および手用歯ブラシとの比較検討を行った。被験者は本大学保存科医局員10名とした。プラークの付着状態を各条件のブラッシング前後で比較した結果, スクラビング方式の電動歯ブラシのプラーク除去効果は手用歯ブラシと同程度であり, 短時間で高い刷掃効果は得られなかった。刷掃時間は電動歯ブラシ, 手用歯ブラシともプラーク除去効果に与える影響が大きく, 刷掃時間が短いと刷掃効果は著しく低下し特に隣接面におけるプラーク除去効果の低下が認められた。
著者
中島 信博
出版者
東北社会学会
雑誌
社会学年報 (ISSN:02873133)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.31-59, 2007-07-20 (Released:2013-10-23)
参考文献数
12

本稿は岩手県の山村で農家により自律的に取り組まれたあらたな事業を検討することで,そこでの論理を析出しようとする.具体的には大型のスキー場開発に付随して展開してきた民宿の村が,入り込み客の減少という危機に対応するなかでサッカー場経営に乗り出し,これによって「芝生」の価値を発見すると同時に,有志による組合を結成することで経営を安定化することに取り組んだ事例である.そこでは山村ゆえの目まぐるしい生業変遷の歴史の中で培われてきた経営の体験が活かされており,特に市場感覚にすぐれた対応を分析できる.また,有志が共同で新規の事業に取り組む段階と,ある程度軌道に乗ってからのより広範な家々が共同で運営していく方式も観察できた.初期の段階では既存の資源を最大限に有効利用することで投資を抑え,リスクを最小にする工夫が多様に凝らされていた.また運営にあたっては伝統的なレトリックで共同性を確保し,これによって対外的な競争力も維持している戦略も読み取れた.
著者
向山 昌利 中島 信博
出版者
流通経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、ラグビーワールドカップ釜石開催を対象として、ラグビーワールドカップと震災復興の接合から開催に至るまでの過程を多様な被災住民の立場から重層的に解明することである。本研究は、スポーツ・メガイベントと震災復興の関係性を被災地の文脈からとらえる数少ない研究のひとつである。また、被災地でのスポーツ・メガイベント開催という現在進行形の事例を対象とする本研究は、「スポーツ・メガイベントを契機とする震災復興」という今日的課題を是正するために欠かせない知見を浮き彫りにできると考えられる。被災地の現状を俯瞰しながら多様な住民の位置取りを確認した昨年度の調査をもとに、本年度は複数の組織や個人へのインタビュー調査を実施した。特に、行政(釜石市役所)へのインタビュー調査を集中的に重ねた。調査の結果、次の点が明らかとなった。まず、行政が復旧・復興のための資源を獲得するひとつの選択肢として釜石固有の文脈から紡ぎだされたラグビーワールドカップ開催を目指したこと。次に、行政がラグビーワールドカップ開催を目指す中で、理念的かつ感情的な開催意義を紡ぎだすことで、より多くの共感を獲得していったこと。すなわち、行政の復興戦略のが具体化されたひとつの事例が、「震災復興」が正当性となるラグビーワールドカップの開催であったことが明らかとなった。しかしながら、自然災害によって破壊された社会構造や生活構造が、ラグビーワールドカップ開催に関する議論を難しくする点にラグビーワールドカップと震災復興の関係性における課題があるように見受けられた。2015年3月にラグビーワールドカップ開催都市のひとつとして釜石市が決定した今、ラグビーワールドカップ開催をめぐる行政と住民の意識の溝を乗り越える作業が、行政だけでなく住民にとっても喫緊の課題となると考えられる。
著者
中島 信博 松野 将宏
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

「地域密着」という概念を検討するため、プロサッカークラブのベガルタ仙台を事例として、質的データから分析を行った。特に、創設期に地域の多様なアクターが、どのように関与したのかについて史的に捉え、その上で全体の特徴を指摘した。仙台では、大企業が主導するビッグなクラブとは異なる様相を示していた。まず、県サッカー協会というボランタリー・セクターが先導し、行政への働きかけが、スタートであった。初期段階では、市民の運動やマスメディアのキャンペーンも後押しすることになる。その後に、地元の経済界が具体的に参加し、最終的に、多くのアクターが参加する形でスタートにこぎ着けた。
著者
中川 種昭 島田 篤 宮下 博行 坂下 顕照 北村 秀和 大島 みどり 島 信博 角田 正健 山田 了
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.907-915, 1992-12-28
被引用文献数
22 1

本研究は,各種電動歯ブラシを用い,ヘッド部の動きの違いによるプラーク除去効果および手用歯ブラシとの比較検討を行った。被験者は東京歯科大学学生(平均23.6歳)10名とし,刷掃時間は3分とした。プラークの付着状態を各条件のブラッシング前後で比較した結果,毛束反復回転式の電動歯ブラシが最も高いプラーク除去効果を示し,特に隣接面部,舌面部において高い刷掃効果を示した。円形植毛部反復回転式も手用歯ブラシと比較して統計学的に有意に高い除去効果を示し,隣接面における刷掃効果も比較的高かった。他の電動歯ブラシも手用歯ブラシと同程度以上のプラークの除去効果を示した。本研究の結果,各種電動歯ブラシは手用歯ブラシと同程度かそれ以上のプラーク除去率を示し,プラークコントロールの一手段として有効であることが示唆された。