著者
岩澤 真紀子 上田 彩 錦織 淳美 上塚 朋子 中川 直人 島田 美樹 千堂 年昭
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.109-116, 2018-12-10 (Released:2019-01-19)
参考文献数
17

The demand for pharmacy services has increased recently, and the skills required for pharmacists have also advanced. Therefore, it is important to implement a working system in which experienced pharmacists can continue working full-time when they require child care or nursing care. In September 2016, we conducted a survey of hospital pharmacists on their work-life balance at a symposium of the 26th annual meeting of the Japanese Society of Pharmaceutical Health Care and Sciences. The purpose of this survey was to examine the current trends and issues of hospital pharmacists’ experience of work-life balance in Japan. A total of 84 responses were included for analysis. Overall, 68.4% of pharmacists reported that they were not satisfied with their work-life balance, and 65.8% reported that they were not satisfied with their working environment. In addition, 90.4% of hospital pharmacists reported they worked overtime, and 76.3% reported that their workload level at their place of practice was high; therefore, they could not complete their duties within regular work hours. Seventy four percent of hospital pharmacists answered that they will not able to continue working if they encounter life events such as childbirth and caring for children or parents. These results show that a majority of hospital pharmacists was not satisfied with their work-life balance, and they were concerned about continuing their pharmacy career when they encountered certain life events. As such, it is critical that each work place implement policies on work-life balance to further help support their pharmacists.
著者
樋口 福也 島田 美樹子
出版者
桐丘学園 桐生大学・桐生大学短期大学部
雑誌
桐生大学紀要 (ISSN:21864748)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.49-54, 2021 (Released:2022-04-02)
参考文献数
8

慢性腎臓病は,腎機能が徐々に低下し末期腎不全に進行するため,食事療法は一生涯を通じて行う必要があり, たんぱく質や塩分,カリウム,リンの制限など多くの配慮を伴う. 慢性腎臓病患者のハレの食事に焦点を当て,療養食の可能性を模索し,患者のQOL向上を目的として行った. 食事は,慢性腎臓病食との互換性が見込まれ,ハレの日の食事に適した非日常を演出するために「イタリアコー ス料理」とした. 献立はエネルギーとたんぱく質,塩分を調整した3種類とし,試作および試食後のアンケートを実施した. 試作したコース料理は,献立全体の味付け,量,料理の組み合わせ,演出性のそれぞれの観点から高い評価を得 られた.また,栄養価に関しては予定通りのエネルギー量とたんぱく質量を達成できた. 慢性腎臓病食とイタリアコース料理との互換性を示すことができ,また,コース料理の形式を採用することで, 制限による量の少なさを感じにくくすることが満足感に寄与していると考えられる. 今回の結果をもとに,今後はより種類豊富な献立の開発を行い,より多くの疾患を持つ人に適応するコース料理 として開発を進めていきたい.
著者
上原 由美 島田 美樹子 柳澤 和美 内山 和彦 竹内 茂 野際 英司 中里見 征央 鈴野 弘子 石田 裕
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.553-561, 2014 (Released:2014-09-28)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

慢性腎臓病の食事療法として, 病気の進行によりP・K・たんぱく質の制限が必要になる. 透析患者の高齢化も進み, 簡便で継続可能な食事療法が必要と考える. 一般的には栄養指導の際, P・K含有量を抑えた治療用米飯の利用を推奨するが, 自作米中心の地域においては, 高価な治療食の購入には至らないことが多い. そこで, 洗米条件を調整することによりP・K・たんぱく質の低減が可能か否かを検討した. また, 透析患者の米の使用実態を把握するためにアンケート調査を実施した. 洗米におけるPの洗出率は5回目までは回数ごとに有意差が認められ (p<0.05), Kおよびたんぱく質の洗出率は4回目まで有意差がみられた (p<0.05). したがって, 洗米回数5回まで低減効果が期待できることがわかった. 5回洗米までにPの洗出率は, 50.2±3.02%, Kは46.0±3.89%, たんぱく質は5.40±0.42%となった. 透析患者のアンケート結果では, 洗米回数は3~4回の回答者が多く, 水を取り換えるまでの洗米時間も10秒前後とP・Kの低減を目的とした洗米条件としては不十分であった. 洗米において, 1回20秒間, 水を換えて5回行うことによってP・Kの低減効果があることが認められた. この方法は, 食品の制限や量の調整など多くのストレスを抱えている患者にとって, 簡便で持続可能な食事管理の一手段となり得ると考えられた. さらに毎日行う洗米に際し, 「P・Kを除去する」という意識を持つことによって, 怠慢になりがちな日常の食事管理に対する意識の醸成もなされ, QOL向上の一助となると思われた.
著者
後藤 順一 眞野 成康 島田 美樹 山口 浩明
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

プロテオミクス手法を駆使して、脳内胆汁酸の機能解明に挑戦するとともに、胆汁酸シグナル伝達解析法の構築を試みた。まず、成長ホルモンとケノデオキシコール酸の結合につき、アフィニティーラベル化法により解析し、受容体結合部位とは異なる部分にケノデオキシコール酸が結合することが判った。次に、特異的誘導体化法と疑似ニュートラルロスを組み合わせるリン酸化タンパク質解析法を構築し、本法が複雑なタンパク質混合物中のリン酸化タンパク質の特定に有用なばかりか、リン酸化部位の同定にも優れることが判明した。さらに、ケノデオキシコール酸固定化cleavable affinity gelを用いて肝細胞中の結合タンパク質の抽出を試み、胆汁酸結合タンパク質として知られているジヒドロジオールデヒドロゲナーゼのほか、ペルオキシレドキシン1 がケノデオキシコール酸と結合することが明らかになった。