著者
渡邉 之人 梅田 崇之 島村 潤 嵯峨田 淳
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.588-596, 2020 (Released:2020-04-27)
参考文献数
33

本稿では,低解像度画像を対象とした特定物体認識を考える.遠距離から撮像する場合や,物体が小さい場合など,実用上物体が常に充分な大きさで含まれているとは限らない.解像度が低下し,多くの詳細なテクスチャが失われると,認識精度は大きく劣化してしまう.そこで本研究では,超解像により画像の細部を復元することで,特定物体認識の精度劣化を改善するアプローチを検討する.超解像と特定物体認識の特徴抽出とを行うネットワーク,および,特定物体認識を志向してネットワークをend-to-endで学習する損失関数を提案する.3種類のデータセットを用いた実験を行い,本手法の有効性を明らかにする.
著者
嵯峨田 淳 八島 由幸 小林 直樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.24, pp.25-30, 2000-03-03
参考文献数
7
被引用文献数
1

従来のゼロツリー符号化はゼロツリールートの出現確率が極めて高いため,単純に可変長符号化した場合,そのエントロピーと比較して効率が低下する.このため,各シンボルの符号化には,一般的に算術符号化が用いられる.また,ゼロツリー符号化はその符号体系自体に冗長性があり,親子係数間の相関を効率的に除去できないという問題がある.本稿では,ある変換係数の直接の子供係数のうち,この子供係数がZTRである個数と,変換係数のレベルの絶対値からなる二次元可変長符号を用いてエントロピー符号化を行う.本手法により,解像度スケーラビリティを有しつつ,符号化効率を損なうことなく,可変長符号化を用いてウェーブレット変換係数を符号化することができる.This paper describes an efficient and effective entropy coding strategy for the compression of wavelet transformed, motion compensated prediction residuals. The proposed entropy coding algorithm consists of two dimensional variable length coding(2D-VLC), which encodes both the level of transformed coefficient and and the number of ZTRs in its direct children-coefficients simultaneously. At this time, 2×2 cluster of adjacent wavelet coefficients are jointly coded with the 2D-VLC to exploit the spatial correlation of neighboring coefficients. Along with the 2D VLCs of each cluster, the proposed zerotree-map code is appended at the head of them to remove the redundancies of any conventional zerotree encoding algorithms. Simulation results show that the proposed coding method is superior to conventional arithmetic coding, or variable length coding with the length ZTR runs.
著者
嵯峨田 淳 如澤 裕尚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.367, pp.69-76, 1995-11-17
被引用文献数
3

領域形状予測に基づく動ベクトル内挿を提案する。本方式は符号化対象画像の領域形状情報を元に、内挿する領域の線形内捕手法を適応的に切替えることで動領域境界を跨いでの動ベクトル内挿を抑止する。符号化対象画像の領域形状情報は局部復号画像の領域形状情報と動きベクトルより予測されるので、複合器側に領域形状情報を伝送する必要はない。また内挿する領域毎に提案手法と平行移動補償を切替えることで、領域形状抽出が不十分な場合でも符号化が破綻することはない。本手法により、とくに動領域境界での予測精度が改善し、予測誤差を大幅に削減できる。さらに、提案方式をMPEG-1に組み込んだ結果、復号画像のSN比は従来法に比べ1.7dB前後向上する。