著者
本山 亜友里 川上 智規 S. K. Weragoda 奥川 光治 芹川 裕加 袋布 昌幹 高松 さおり
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.III_517-III_523, 2012 (Released:2013-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
1

スリランカAnuradhapura地区では,飲用,調理用としている井戸水にフッ素が含まれ,住民にフッ素の過剰摂取により生じる斑状歯がみられる.また腎臓病などの健康被害も報告されており,フッ素との関係が疑われている.そこでフッ素汚染実態把握のため2010年~2012年にAnuradhapura地区を含む8地区,計263サンプルを分析した結果,最大で約7mg/lの井戸が存在し3地区で平均値がスリランカの飲料水基準値を超過した.高濃度の井戸付近には,低濃度の井戸が存在する例もあった.この場合濃度に応じ用途を分けることで健康被害を軽減できる.一方近隣に低濃度の井戸が存在しない場合,フッ素濃度低減策を講ずる必要があり,その1つとして鳥骨炭の利用を検討した.鳥骨炭製造に際し最適炭化温度は600℃であった.
著者
加賀谷 重浩 川上 智規
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大気中のガス状原子水銀,粒子状水銀および降水中全水銀,溶存態水銀を,富山県内の複数地点で採取した試料に対して定量した。降水中の溶存態水銀の割合と,大気中浮遊粉塵から純水あるいは塩酸を用いて抽出された水銀の割合とがほぼ一致することを見いだした。また大気中粒子状水銀は,採取期間ごとに異なる粒径別分布を有することを見いだした。これらより,大気中粒子状水銀について詳細に検討することにより,水銀の環境動態に関する情報が得られると考えられた。
著者
青井 透 宮里 直樹 川上 智則 川上 智規
出版者
群馬工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

広域的な窒素飽和現象を証明することが、本研究の主たる目的であるが、そのためには複数年にわたる窒素収支を把握する必要があり、谷川連峰湯桧曽川と裏妙義山中木川を調査対象として、降雨測定、流量測定および水質調査を継続的かつ正確に実施する必要がある。そこで湯桧曽川と裏妙義中木川において2年間にわたり、降雨と渓流水を定期的に採水・分析し、それぞれの調査場所で窒素の収支を計算した。その結果、湯桧曽川では窒素降下量と窒素流出量はほぼ同量であり、中木川では窒素流出量が1.55倍高く、窒素飽和現象が発生していることが明らかとなった。単位面積当りの窒素降下量は、湯桧曽川では12.5kgN/ha/Yであり、中木川では19~26kgN/ha/Yであった。一般に窒素飽和現象が発生する年間窒素降下量は10kgN/ha/Yが目安とされているので、どちらもこれより高い値であり、この点からも窒素飽和現象が発生していることが裏付けられた。