- 著者
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川島 慶子
- 出版者
- 公益社団法人 日本化学会
- 雑誌
- 化学と教育 (ISSN:03862151)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.2, pp.68-71, 2015-02-20 (Released:2017-06-16)
キュリー夫人ことマリー・キュリーは「ラジウムの発見者」として有名だが,彼女が発見したのはラジウムだけではない。ポロニウムも発見しているし,トリウムの放射性を発見したのもマリーである。放射能という言葉を作り,この現象が当該元素の原子的性質であることを最初に見抜いた。それなのに,どうしてラジウムだけが有名なのだろう。そこにはマリーの生きた時代と切り離せない事情がある。ここでは,マリー・キュリーがいかにして,先の発見をなしとげたのか。特にラジウムは,一般にどのような発見だと受け止められたのかを見ていこう。