著者
能登 勇二
出版者
富山県立大学
雑誌
富山県立大学紀要 (ISSN:09167633)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.pp51-55, 2011-03
著者
鎌倉 昌樹
出版者
富山県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

本年度は次のような項目において研究を実施した。1,神経化学的解析による疲労の分子機構の解明ロイヤラクチンの抗疲労作用を総合的に評価するため疲労の新たな評価系の構築を目指し、脳内における疲労の分子機構の解明に着手した。疲労の発現に大きく関与する脳を中心に疲労前後のマウスにおいて発現が変動している遺伝子を解析した結果、流水遊泳装置を用いて疲労させた後の海馬において発現が上昇する因子として、興奮性のシナプス伝達に関与するAMPA型グルタミン酸受容体(AMPAR)α1サブユニット(GluR1)と神経細胞においてアポトーシスのシグナル伝達に関与するB-cell receptor-associated protein 31(Bap31)を新たに見出した。一方拘束水浸ストレスを与えたマウスでは、GluR1とBap31の遺伝子発現に変化は見られなかった。従って、GluR1とBap31は精神ストレスではなく疲労の時にのみ発現が誘導される因子である可能性が考えられた。2,ローヤルゼリーの抗コレステロールの作用機構の解明ローヤルゼリー(RJ)は肝臓に対する様々な薬理活性を有す。しかし、その作用メカニズムやRJ中の有効成分は未だ明らかになっていない。そこで今年度は、RJの肝臓に対する薬理作用のメカニズムの解明にも着手した。その結果、RJの抗コレステロール作用は、コレステロール合成に関与するスクアレンエポキシダーゼの発現を転写レベルで抑制し、コレステロールの肝臓への取込みに関与するLow density lipoprotein receptor (LDLR)の発現を増強することに起因していることが明らかとなった。3,ロイヤラクチンが作用する肝細胞の受容体の同定昨年度、バインディングアッセイによる解析から57kDaローヤルゼリータンパク質(ロイヤラクチン)ははトランスフォーミング増殖因子(TGF)-αのアゴニストとして、肝細胞表面の上皮増殖因子(EGF)受容体に作用している可能性があることを報告した。さらに、ラット肝臓cDNAライブラリーを対象として酵母Two hybrid systemを用いた解析を行ったところ、ロイヤラクチンと相互作用するタンパク質としてRhomboidというタンパク質が新たに見出された。Rhomboidは、ショウジョウバエ(Drosophila)においてSpitzというTGF-α様のリガンドを切断し、EGF受容体を活性化している因子である。現在のところ、哺乳類細胞におけるRhomboidのホモログは見つかっているが、Spitzと相同性を示すタンパク質はいまだ見つかっていないことから、TGF-α様のロイヤラクチンが疑似的にRhomboidと結合したものと考えられた。しかし、ロイヤラクチンは蜜蜂においてRhomoboid-Spiz経路を活性化するという新たなシグナル経路を形成している可能性が示唆された。現在、Drosophilaを用いてロイヤラクチンが同経路の活性化しているか否かについての検討を行っている。
著者
唐木 智明 張 帆 安達 正利
出版者
富山県立大学
雑誌
富山県立大学紀要 (ISSN:09167633)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.87-90, 2004-03-31

自発分極を有する酸化物強誘電体材料、(Ba,Sr)TiO_3と(Pb,Sr)TiO_3を化学共沈殿法で作成し、ナノサイズの結晶が得られた。硝酸塩とモノマーチタン(IV)テトラブトキシドとシュウ酸をスタート原料とした。中間化合物に対する分析により、全体の化学反応過程が明らかにされ、単一ペロブスカイト構造の結晶が合成できた。得られた(Ba,Sr)TiO_3と(Pb,Sr)TiO_3の直径はそれぞれ70nmと100nmであった。この結果により異なるナノスケールの結晶作成への道が開かれた。
著者
畠 俊郎 川崎 了 菊池 喜昭 森川 嘉之 水谷 崇亮 金田 一広
出版者
富山県立大学
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

沿岸域における社会基盤施設を対象とし,微生物機能の活用により強度増進・遮水性向上および自己修復効果を得る新しい維持管理・機能更新技術について検討を行った。国内外でのビーチロックを対象とした現地調査と,人工ビーチロック形成試験から以下の結果が得られた。1)ビーチロックのセメント物質としてカルシウム,マグネシウム,シリカおよび鉄が期待できる。2)海域由来のSporosarcina aquimarinaを用いることで,砂地盤の強度増進効果と液状化被害抑制が期待できる.
著者
小林 香 片山 勁
出版者
富山県立大学
雑誌
富山県立大学紀要 (ISSN:09167633)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.42-49, 2008-03

限られた資源を,任意のタイミングでやってくる複数の利用者が利用するシステム-銀行のATMやスーパーマーケットのレジなどが誰にでも分かりやすい例である-を考える.利用者がやってきたときに直ちに利用できる(空いている)資源の数がゼロであれば,当然のことであるが利用できない利用者が出てくる.待ち行列(バッファ)があり,資源に空きが出るまで利用者が待つことが可能であれば,このシステム全体を,資源が利用できるまでの平均待ち時間で定量的に評価することができる.バッファが空になると,休暇(バケーション)で総称される副次的作業に資源を使う場合,利用者の平均到着間隔が資源1つの平均利用時間に近づくに従って,システム内に滞留する利用者数が増え,副次的作業が後回しにされる.必要なタイミングで副次作業を行うことができるように,今回は,本来の待ち行列の前にもう一つ待ち行列を準備し,2つの待ち行列の間にゲートを設ける.このようなゲートを導入したM/G/1+vacationシステムについての諸量を,Level-Crossing法を用いて解析をする.
著者
大曽根 隆志 岩田 栄之
出版者
富山県立大学
雑誌
富山県立大学紀要 (ISSN:09167633)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.60-68, 1991-03-30

By using Synthesized Crystal Growth Technology which can simultaneously grow several kinds of semiconductor crystals on a single substrate, it is proposed that high-performance Synthesized-CMOS Devices with high electron & hole mobilities can realize both of ultra high speed operation and ultra low power dissipation. Assuming the supply voltage of 3.0V and operation temperature at 77K, it is estimated that CMOS devices fabricated by the combination of (p-GaAs/n-Ge) crystals may show the most high performance characteristics among many combinations of element and III-V compound semiconductors. From the circuit simulations of CMOS inverter chain, delay time (τ) and product of delay time and power dissipation (τP) may be improved by a factor of 15 and 14,respectively, in comparison with the conventional Si-type CMOS devices. Moreover, it is expected that the integration density of the Synthesized-CMOS Devices may become higher by about 10 times.
著者
能登 勇二
出版者
富山県立大学
雑誌
富山県立大学紀要 (ISSN:09167633)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.pp34-37, 2012-03
著者
星川 圭介
出版者
富山県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2014-07-25)

本課題の目的である洪水に対する農民対応の実態を解明および2011年大洪水の際の農村部における被害状況の解明のため,9月に現地調査を実施した.対象地域はチャオプラヤー川沿いに位置し,2011年にも多くの死者を出したアーントーンおよびシンブリーの2県である.この結果,洪水常襲地域ではほぼ毎年集落内が冠水し,盛土されている幹線道路上でテント生活を余儀なくさせられること,2011年洪水時は長期間の冠水により移動の制限など困難な生活を強いられたことが明らかになった.現在政府が本川沿いに堤防を建設する工事を進めており,今後は状況が緩和する可能性があるが,市街地を守るため建設が進められている防水壁が農村部の冠水を悪化させる可能性があり,新たな住民対立が生じることも懸念させる.2011年洪水時の死者発生状況については,酒に酔っての落水が多く,そのほかストレスから発狂状態になっての落水,避難先の道路からの幼児の落水などが原因として挙げられた.長期にわたる集落の冠水,およびそれに伴うストレスが大きな要因といえ,現代の農村社会においては洪水との共存がすでに困難であることが示された.チャオプラヤーデルタの年々の氾濫水の動態については2000年以降のMODIS衛星画像およびALOS PALSAR-2画像を用いて解析を進めた.この結果,チャオプラヤー川の水位のほか降雨量などの要因により氾濫域が変化していることが示された.また,氾濫域の正確な特定のために空間解像度500mのMODISによる正規化水指標(NDWI)と冠水面積割合との関係を都市部,農村部など土地利用が異なる複数地域において検討した.この結果,同様の土地利用形態で同様の冠水状況でも地域によってNDWIの値が異なることが示され,地域に応じたより細かい冠水判断基準の設定が必要であることが明らかになった.
著者
渡辺 幸一
出版者
富山県立大学
雑誌
富山県立大学紀要 (ISSN:09167633)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.152-156, 2004-03-31

北陸地方の山岳大気環境の評価を行うため、2003年の秋期(9〜11月)に立山において、オゾン(O_3)濃度の測定や霧水の採取・分析を行った。立山中腹の美女平(標高、1000m)で測定したO_3濃度の平均値は34ppbvであった。10月上旬までは、日中(午後)に濃度が高くなる明瞭な日変化が観測されたが、11月には、夜間に濃度の極大がみられた。日中の濃度増加は光化学反応によるものと考えられ、夜間の濃度増加は、山風による上空大気の沈降によるものと考えられる。夜間の濃度増加は10月においても観測され、10月上旬には、O_3濃度のダブルピークがみられた。霧水のpHは、3.3〜5.3であった。霧水のpHは、中腹の美女平より、山頂に近い室堂平(標高、2450m)のほうが低く、強い酸性霧(pH<4)も観測された。後方流跡線解析の結果から、強い酸性霧が観測された期間の室堂平の空気塊は、大陸の工業地帯を起源としていると考えられた。大陸起源の汚染物質による霧水の酸性化が、北陸地方の山岳域で起こっている可能性が示唆される。
著者
米田 英伸 原田 裕之 浅野 泰久
出版者
富山県立大学
雑誌
富山県立大学紀要 (ISSN:09167633)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.96-102, 2000-03-31

富山県内の土壌,下水処理場の活性汚泥,及び生物工学研究センター保存菌株(TPU)よりアゾ化合物である4,6-ビスフェニルアゾレゾルシノール(4,6-Bis)の分解微生物の探索を行った。その結果,好気条件である振とう培養,及びTPUからのスクリーニングにおいては4,6-Bisに由来する褐色を脱色する活性を示す株は一株も得られなかったが,静置培養では脱色活性を有する微生物8株を得た。この内,5株(No.1&acd;No.5)は活性の発現に液体培地への流動パラフィンの重層や絶対嫌気条件のガスパック中での平板培養を必要としたのに対し,残りの3株(No.201&acd;No.203)は活性発現にこのような厳密な嫌気性での培養を必要としなかった。また,No.201&acd;No.203の3株は培地中の4,6-Bis (0.002%)を10日間の静置培養により完全に脱色した。4,6-Bisが分解された培養液をHPLCにより分析した結果,アゾ基の還元的開裂により生成すると予想される4,6-ジアミノレゾルシノール(DAR)は検出されなかった。
著者
渡辺 幸一 朴木 英治 久米 篤 青木 一真 中野 孝教 石田 仁 松木 篤 岩坂 泰信 松木 篤 田中 泰宙
出版者
富山県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-23)

高所に出現する弱い黄砂(バックグランド黄砂)の動態やその自然環境へ及ぼす影響を評価するため、立山において、エアロゾル粒子、微量気体成分、降水、霧水、積雪などの観測・分析を行うと共に、植生への影響について検討した。年度による程度の違いはあるものの、毎年秋期に「バックグラウンド黄砂」の影響がみられることがわかった。立山山の植生は、大気汚染物質だけでなく、黄砂粒子の影響も大きく受けている可能性が示唆された。また、立山での観測と並行して、回転翼航空機による富山県上空大気観測も行った。観測結果から、高所では高濃度の光化学オキシダント物質に植生が晒させやすいと考えられる。
著者
佐藤 幸生 高松 進
出版者
富山県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

2002年、神奈川県で、従来とは異なる菌(Oidium属Reticuloidium亜属菌;OR菌)によるキュウリうどんこ病の新発生が確認された(内田・宋、2003)。一方でOR菌による種々の植物のうどんこ病の新発生が相次いで報告されている。本研究は、1)キュウリ上のOR菌の発生実態調査と、2)キュウリと種々の植物上のOR菌との関係などを明らかにすることを目的に実施した。1発生実態:富山県、東京都および秋田県南部、新潟県で調査した結果、いずれの調査地でもOR菌によるうどんこ病が発生し、従来からのOidium属Fibroidium亜属菌(OF菌)によるうどんこ病に劣らず発生が広がっていることから、OR菌によるうどんこ病は、本邦ではすでに広く発生していることが示唆された。従来からのOF菌によると同程度に激発する例も認められ、防除を要することが明らかになった。発生品種は、湧泉、アンコール10、金星、インパクト、南極2号、京涼み、夏涼み、プロジェクトX、シルフィー、金沢太キュウリと節成千両の11品種に及んでいた。2種々の植物でのOR菌によるうどんこ病の新発生:2004年以降、従来とは異なるOR菌によるうどんこ病の新発生は、ヒマワリ、キクイモ、オミナエシ、ジニア、トレニア、スコパリア、カボチャ、カラスウリなど、4科8種の植物で確認した。3種々の植物上のOR菌の宿主範囲および遺伝子解析:トレニア以外のキュウリ、カボチャを含む9種類の植物(ヒマワリ、キクイモ、オミナエシ、ジニア、スコパリア、パンジー、メランポジュウム)上の菌は、いずれもキュウリに病原性を認めたが、キュウリとカボチャ上の菌は、キュウリ以外には病原性を認めなかった。東京都、新潟県、富山県で採集したキュウリ上のOR菌は、遺伝子解析の結果1つのクラスター属し、OR菌のグループ分け(Takamatsuら、2006)におけるIX群に属した。キク科植物上の菌は、III群に属した。パンジー、オミナエシ、トレニア、クジャクアスター上の菌はキュウリ上の菌と同じIX群に属した。