著者
畠 俊郎 川崎 了 菊池 喜昭 森川 嘉之 水谷 崇亮 金田 一広
出版者
富山県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

沿岸域における社会基盤施設を対象とし,微生物機能の活用により強度増進・遮水性向上および自己修復効果を得る新しい維持管理・機能更新技術について検討を行った。国内外でのビーチロックを対象とした現地調査と,人工ビーチロック形成試験から以下の結果が得られた。1)ビーチロックのセメント物質としてカルシウム,マグネシウム,シリカおよび鉄が期待できる。2)海域由来のSporosarcina aquimarinaを用いることで,砂地盤の強度増進効果と液状化被害抑制が期待できる.
著者
金田 一広 畠 俊郎
出版者
株式会社竹中工務店 技術研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は自然堆積粘性土地盤の補強、補修に関するものである。自然堆積粘土地盤上に建設された盛土構造物の中で長期沈下が発生しているものがある。一度沈下が発生すると対策費用は莫大となり、現在大きな問題となっている。遅れ沈下は先行圧密応力を超えた荷重載荷に対する骨格構造の劣化を伴った軟化が原因である。現在まで、軽量盛土にするオーバーレイによる補修・ドレーン設置による圧密促進などの対策が実施されているが、効果不十分である。本研究の目的は、粘性土地盤内にウレアーゼなどの素および尿素、カルシウムを投入することにより炭酸カルシウムを析出させ粘性土地盤の骨格構造を復活・強化し遅れ沈下を抑止することである。
著者
畠 俊郎 高橋 裕里香 西田 洋巳 安田 尚登
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.151-160, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
18

近年,日本近海に存在する新しいエネルギー資源としてメタンハイドレートが注目されている。このメタンハイドレートを分解してメタンガスを生産する場合,堆積層の強度低下等に伴う地盤変形によって生産活動等が阻害される可能性が危惧されている。本研究では,この地盤変形の抑制に日本近海で採取したメタンハイドレート胚胎層サンプルから新たに単離した微生物の代謝機能を活用する生産支援技術の適用性について検討した。太平洋側および日本海側で採取したメタンハイドレート胚胎層サンプルを対象に尿素の加水分解酵素であるウレアーゼ生産能を持つ微生物の単離を行うとともに,この単離微生物を対象として模擬堆積物の間隙内にカルサイトを析出させる室内試験を実施した。その結果,カルサイトの結晶析出による粒度分布の変化および粘着力の増加に伴う強度増進効果が期待できることが明らかとなった。