著者
市原 香織 宮下 光令 福田 かおり 茅根 義和 清原 恵美 森田 達也 田村 恵子 葉山 有香 大石 ふみ子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.149-162, 2012 (Released:2012-05-31)
参考文献数
19
被引用文献数
1

【目的】Liverpool Care Pathway (LCP)は, 看取りのクリニカルパスである. LCP日本語版のパイロットスタディを実施し, LCPを看取りのケアに用いる意義と導入可能性を検討する. 【方法】緩和ケア病棟入院患者を対象にLCPを使用し, ケアの目標達成状況を評価した. 対象施設の看護師に, LCPの有用性に関する質問紙調査を行った. 【結果】LCPに示されたケアの目標は, 80%以上の患者・家族において達成されていた. 対象看護師の65%以上が, 看取りの時期の確認, ケアの見直し, 継続的で一貫したケアの促進, 看護師の教育においてLCPを有用だと評価した. 【結論】LCPは緩和ケア病棟での看取りのケアと合致し, 看取りのケアの指標を示したクリニカルパスとして導入可能であることが示された. 看護師の評価では, LCPが看取りのケアの充実や教育における意義をもつことが示唆された.
著者
市原 香織 宮下 光令 福田 かおり 茅根 義和 清原 恵美 森田 達也 田村 恵子 葉山 有香 大石 ふみ子
出版者
Japanese Society for Palliative Medicine
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.149-162, 2012
被引用文献数
1

【目的】Liverpool Care Pathway (LCP)は, 看取りのクリニカルパスである. LCP日本語版のパイロットスタディを実施し, LCPを看取りのケアに用いる意義と導入可能性を検討する. 【方法】緩和ケア病棟入院患者を対象にLCPを使用し, ケアの目標達成状況を評価した. 対象施設の看護師に, LCPの有用性に関する質問紙調査を行った. 【結果】LCPに示されたケアの目標は, 80%以上の患者・家族において達成されていた. 対象看護師の65%以上が, 看取りの時期の確認, ケアの見直し, 継続的で一貫したケアの促進, 看護師の教育においてLCPを有用だと評価した. 【結論】LCPは緩和ケア病棟での看取りのケアと合致し, 看取りのケアの指標を示したクリニカルパスとして導入可能であることが示された. 看護師の評価では, LCPが看取りのケアの充実や教育における意義をもつことが示唆された.
著者
杉浦 康代 青木 美和 市原 香織 荒尾 晴惠
出版者
一般社団法人 日本専門看護師協議会
雑誌
日本CNS看護学会誌 (ISSN:21895090)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-10, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
21

本研究は,がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護専門看護師(以下,がん看護CNS)のがんゲノム医療に関する学習ニーズを明らかにし,学習支援に示唆を得ることを目的とした.がん診療連携拠点病院で勤務するがん看護CNSのうち,日本看護協会HPに氏名・所属が掲載されていた464名を対象として無記名自記式質問紙調査を実施し,記述統計,χ٢検定およびFisherの正確確率検定を実施した.対象者233名(有効回答率50.2%)の6割が全調査項目に学習ニーズを有していたが,なかでも「複雑で解決困難な看護問題への対応」「意思決定支援」は,8割の対象者が学習ニーズを有していた.また,がんゲノム医療に関する施設要件別において,「多職種連携」と「がん遺伝子パネル検査の結果を伝える際のアセスメント方法」の学習ニーズに有意差が認められた.以上より,がん看護CNSががんゲノム医療の特殊性のなかで自身の役割を発揮するための学習支援の必要性が示唆された.
著者
中里 和弘 塩崎 麻里子 平井 啓 森田 達也 多田羅 竜平 市原 香織 佐藤 眞一 清水 恵 恒藤 暁 志真 泰夫 宮下 光令
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.263-271, 2018 (Released:2018-08-21)
参考文献数
31

【目的】1)緩和ケア病棟における患者と家族間の思いの言語化を支える家族支援(家族へのバーバルコミュニケーション支援)の有無と評価,2)家族へのバーバルコミュニケーション支援と「患者と家族との良好な関係性」および「ケアの全般的満足度」との関連を検討した.【方法】全国の緩和ケア病棟103施設における死亡患者の遺族968名に質問紙調査を実施した.【結果】536名を分析対象とした.支援を受けた遺族の割合は内容によって差がみられたが,評価は概ね高かった.重回帰分析の結果,患者と家族との良好な関係性では,全8つの支援で有意な正の関連が認められた.ケアの全般的満足度では,4つの支援(家族から患者への言語化の具体的提案,家族の思いを患者に伝える,患者の聴覚機能保持の保証,患者の思いを推察した家族への言葉かけ)で有意な正の関連が認められた(p<0.05).【結論】家族へのバーバルコミュニケーション支援の意義が示唆された.