著者
瀬川 昂生 有沢 富康 丹羽 康正 加藤 忠 塚本 純久 後藤 秀実 早川 哲夫 中澤 三郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.849-853, 1994

入院および外来の患者,延べ387名より胃管にて空腹時に有管法にて分画採取した基礎およびテトラガストリン刺激後のpH0.95からpH6.9までの標本,3206検体を用いて胃液のpHと滴定酸度(mEq/l)との関係について検討した.一定のpHに対応する滴定酸度は一定した値ではなく,かつその変動幅はpHが高いほど大であったが,pHが高くなるとともに酸度は全体として低下し,pH(X)と滴定酸度(Y)との関係の近似式(Y=369.19-424.09X+203.66X<SUP>2</SUP>-48.29X<SUP>3</SUP>+5.57X<SUP>4</SUP>-0.25X<SUP>5</SUP>)を求めることができた.また,これにより計算したヒト胃液のpHから酸度(mEq/l)を求める換算表を日常臨床のために呈示した.
著者
瀬川 昂生 有沢 富康 丹羽 康正 加藤 忠 塚本 純久 後藤 秀実 早川 哲夫 中澤 三郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.849-853, 1994 (Released:2008-02-26)
参考文献数
9

入院および外来の患者,延べ387名より胃管にて空腹時に有管法にて分画採取した基礎およびテトラガストリン刺激後のpH0.95からpH6.9までの標本,3206検体を用いて胃液のpHと滴定酸度(mEq/l)との関係について検討した.一定のpHに対応する滴定酸度は一定した値ではなく,かつその変動幅はpHが高いほど大であったが,pHが高くなるとともに酸度は全体として低下し,pH(X)と滴定酸度(Y)との関係の近似式(Y=369.19-424.09X+203.66X2-48.29X3+5.57X4-0.25X5)を求めることができた.また,これにより計算したヒト胃液のpHから酸度(mEq/l)を求める換算表を日常臨床のために呈示した.
著者
平嶋 昇 田中 靖人 小林 慶子 島田 昌明 岩瀬 弘明 後藤 秀実
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.644-649, 2009-11-25
被引用文献数
1 1

症例は26才女性.2007年11月21日,AST235 U/L,ALT636 U/L,T-Bil.3.5 mg/d<i>l</i>で紹介を受けた.HBs抗原・IgM-HA抗体・HCV抗体陰性であったがHCV RNA定性(アンプリコア法)は陽性であった.ALTは正常化せず,08年2月8日HCVグループ2,RNA定量3.0 Log IU/m<i>l</i>(リアルタイム法),3月21日肝生検F1A1であったため,3月25日からペグインターフェロンα2aを12週投与してHCV RNAは陰性化した.尚,07年8月頃から付き合い始めたフィアンセは刺青を有し07年11月C型急性肝炎を発生,11月28日HCVグループ2,RNA定量430 KIU/m<i>l</i>(ハイレンジ法)であった.保存血清を用いて分子系統樹解析を名古屋市立大学臨床分子情報医学教室において行ったところ患者とフィアンセはおなじ感染ルートであることが推測された.日本のC型慢性肝炎は高齢化し治療に難渋しているが,若い世代を中心に麻薬や刺青によるC型肝炎感染が散見され性交渉によってさらに拡大しているとも言われている.C型肝炎は感染早期にインターフェロンを投与した方が治療効果は高く早期治療が望ましい.若い世代に対する積極的HCV対策も今後は必要である.<br>