著者
岩瀬 弘明 村田 伸 廣瀨 智理 下平 佳代 渡邉 俊行 舩田 雅之 原 由香利 窓場 勝之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.709-713, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
13
被引用文献数
3 1

〔目的〕臨床実習指導者からみた学生の「好感がもてる行動」を明らかにすることを目的とした.〔方法〕第1次調査では,臨床実習指導者を対象に自由記述式のアンケート調査を行い,学生に求められている148項目の行動を明らかにした.第2次調査では,1次調査で得られた好感がもてる行動の重要度を明らかにした.〔結果〕臨床実習指導者からみた学生の好感がもてる行動は「患者にはっきりと挨拶ができる」など,患者に対する態度に関する項目が上位を占めていた.一方,下位項目は学生の知識や身だしなみ,デイリーノートに関する項目であった.〔結語〕臨床実習指導者は,患者に対する挨拶や態度を重要視しているが,学生の知識や身だしなみ,デイリーノートの記載量は重要視していないことが示唆された.
著者
岩瀬 弘明 村田 伸 日沖 義治 北尾 沙友里 中村 純子 中井 良哉 村上 貴士 窓場 勝之
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.87-91, 2014-07-01 (Released:2014-09-12)
参考文献数
24

【目的】iPad アプリケーション「Touch the Numbers」の信頼性と妥当性について検討した。【方法】健常成人34名を対象とした。信頼性の検討には級内相関係数ICC(1,1)と最小可検変化量(MDC)を用いた。また,妥当性の検討はTMT-A との関連から求めたピアソンの積率相関係数から検討した。【結果】ICC=0.66(95%CI:0.42‐0.81),MDC95は6.3秒であった。また,Touch the Numbers とTMT‐A との間に有意な相関(r =0.57,p<0.01)が認められた。【結論】これらの知見から,Touch the Numbers の再現性と妥当性が確認され,注意機能検査として使用できる可能性が示された。
著者
村田 伸 甲斐 義浩 安彦 鉄平 中野 英樹 岩瀬 弘明 松尾 大 川口 道生 松本 武士 吉浦 勇次 角 典洋
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.195-198, 2018-01-31 (Released:2018-02-23)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

本研究は,開発した膝関節内反動揺を軽減させる構造の靴(膝内反軽減シューズ)を紹介するとともに,変形性膝関節症患者の歩行に及ぼす影響を検討した。変形性膝関節症患者21名(すべて女性:平均年齢63.4±8.0歳)を対象に,膝内反軽減シューズと一般靴を履いた際の歩行パラメータを比較した。その結果,膝内反軽減シューズを履いて歩くと,足角が有意(p<0.001)に減少し,ストライド長と歩幅は有意(p<0.001)に広がり,歩行速度が有意(p<0.001)に速まった。一方,歩隔,歩行角,立脚時間,両脚支持時間の4項目には有意差は認められなかった。有意差が認められた足角,ストライド長,歩幅,歩行速度の効果量はΔ=-0.34~0.47の範囲にあり,膝内反軽減シューズが変形性膝関節症患者の歩行に及ぼす一定の効果が示唆された。
著者
岩瀬 弘明 東 智里 村上 貴士 中井 良哉 窓場 勝之 村田 伸
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.185-190, 2018-01-31 (Released:2018-02-23)
参考文献数
24

本研究は,脳血管障害患者に対する長下肢装具導入までの日数と麻痺側運動機能およびFunctional Independence Measure(FIM)変化率との関係について明らかにすることである。対象はA病院に入院治療を受けた脳血管障害患者のうち,長下肢装具を作成したものとした。調査項目は年齢と性別,疾患名,発症から長下肢装具導入までの日数,および長下肢装具完成時とリハビリテーション終了時のStroke Impairment Assessment Set(SIAS)とFIM とした。統計解析は,発症から長下肢装具導入までの日数とSIAS(麻痺側運動機能)の変化率,およびFIM 中項目の変化率との関係について偏相関分析を用いて検討した。その結果,発症から長下肢装具完成までの日数と有意な相関が認められたのは,SIAS の体幹機能とFIM の排泄コントロール,移乗・移動の4項目であり,発症から早期に長下肢装具を導入してリハビリテーションを行うことで,体幹機能および移乗,移動能力,排泄コントロールの改善に繋がる可能性が示された。
著者
村田 伸 中野 英樹 安彦 鉄平 岩瀬 弘明 豊西 孝嘉 松倉 祥子 児島 諒
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.109-113, 2017

<p>本研究は,開発した下肢がむくみ難いパンプス(開発パンプス)を紹介するとともに,そのむくみ抑制効果について検証した。方法は,開発パンプスと一般パンプスを交互に履くクロスオーバーデザインを採用し,かつそれぞれのパンプスが対象者に分からないようブラインド化して効果を検証した。なお,下肢のむくみは下肢容積を水置換法によって計測することで判定した。対象とした女子大学生12名両下肢24肢の登校時と下校時の下肢容積変化量を比較した結果,開発パンプス装着日は-15.4±19.5ml,一般パンプス装着日は41.7±14.0ml であり,有意差(p<0.05)が認められ,開発パンプス装着日の下肢容積の減少が確認された。このことから,開発パンプスの下肢のむくみに対する一定の抑制効果が確認された。</p>
著者
岩瀬 弘明 村上 貴士 中井 良哉 東 智里 舩田 雅之 重田 裕子 日沖 義治 窓場 勝之 村田 伸
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.63-67, 2017-07-31 (Released:2017-09-13)
参考文献数
18
被引用文献数
3 1

本研究の目的は,大腿骨近位部骨折を呈した超高齢患者の在宅退院に関連する因子を明らかにすることである。研究デザインは後方視的観察研究で,2012年4月から2014年3月にA病院の回復期リハビリテーション病棟に入院していた85歳以上の大腿骨近位部骨折患者のうち,在宅あるいは施設に退院した者とした。調査項目は年齢と性別,身長,体重,術式のほか,FIM 運動項目とFIM 認知項目,MMSE,握力,同居家族の有無とした。統計解析は,退院先を目的変数としたロジスティック回帰分析を用いて検討した。解析の結果,退院先に独立して関連する因子として抽出されたのは,FIM 運動項目と同居家族の有無であった。これらのことから,大腿骨近位部骨折を呈した超高齢患者の在宅復帰を促進するためには,ADL 動作の自立度を高めるようなアプローチと住宅改修や福祉用具の導入といった環境整備が重要視されること,同居家族の有無が重要となることが示された。
著者
岩瀬 弘明 村田 伸 宮崎 純弥 大田尾 浩 堀江 淳
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.101-108, 2012 (Released:2012-12-05)
参考文献数
33
被引用文献数
3 3

本研究の目的は,床から立ち上がる動作の過程で,四つ這いをとるか否かに影響を及ぼす要因を明らかにすることである。方法は,地域在住の女性高齢者47名を対象に,握力,大腿四頭筋筋力,足把持力,上体起こし,長座体前屈距離,片足立ち保持時間を評価した。床から立ち上がる動作の過程で四つ這いをとる要因について,ロジスティック回帰分析を用いて検討した。その結果,立ち上がり動作の過程で四つ這いをとる要因として,上体起こしが選択された。これらの知見から,高齢者が床から立ち上がる際,四つ這いを経由するか否かには,体幹筋力が関係しており,体幹筋力が強いものほど四つ這いをとらずに立ち上がれる可能性が示された。
著者
岩瀬 弘明 村田 伸 日沖 義治 北尾 沙友里 中村 純子 中井 良哉 村上 貴士 窓場 勝之
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-4, 2013 (Released:2013-09-12)
参考文献数
16
被引用文献数
3 2

本研究の目的は,TMT-A が認知機能低下を識別するための有用な評価法となり得るのか否かについて検討することである。方法は,入院中の高齢患者31名を対象にTMTA を測定し,MMSE,FIM-C との関連について検討した。その結果,MMSE,FIM-C との間に有意な負の相関が認められた。また,TMT-A の所要時間が5分未満の対象者は,そのすべてがMMSE のカットオフ値である24点以上であり,認知機能低下の疑いが低かった。一方,TMT-A の所要時間が5分以上の対象者は,その多くがMMSE23点以下であり,認知機能の低下が疑われた。本研究の結果から,TMT-A の施行時間に5分以上を要する患者には,MMSE を行う必要性が示唆された。すなわち,TMT-A はMMSE を行うか否かのスクリーニングテストとして有用である可能性が示された。
著者
弓岡 まみ 村田 伸 岩瀬 弘明 内藤 紘一 安彦 鉄平 白岩 加代子 野中 紘士 堀江 淳
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.165-169, 2018-01-31 (Released:2018-02-23)
参考文献数
20
被引用文献数
1

〔目的〕本研究の目的は,女性高齢者の外反母趾に影響を及ぼす因子について,足部の形態に着目して検討することである。[対象と方法]高齢者健康サークルに所属し,体力測定会に参加した地域在住女性高齢者176名(平均年齢73.8±5.7歳)を対象とした。測定は,外反母趾に影響を及ぼす因子を抽出するため,対象者の年齢,身長,体重,Body Mass Index,および足部・足趾の形態(足長,足幅,母趾角,小趾角,開帳角,足底・足趾の接地状態)について足底圧分布測定器を用いて測定した。さらに,外反母趾と浮き趾の有無を判定した。〔結果〕ステップワイズ重回帰分析の結果,外反母趾に影響を及ぼす因子として抽出されたのは足幅のみであった。〔結語〕足部・足趾の健康を考える場合,足長のみならず足幅も考慮した靴のサイズ選びが重要であることが示唆された。
著者
平嶋 昇 田中 靖人 小林 慶子 島田 昌明 岩瀬 弘明 後藤 秀実
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.644-649, 2009-11-25
被引用文献数
1 1

症例は26才女性.2007年11月21日,AST235 U/L,ALT636 U/L,T-Bil.3.5 mg/d<i>l</i>で紹介を受けた.HBs抗原・IgM-HA抗体・HCV抗体陰性であったがHCV RNA定性(アンプリコア法)は陽性であった.ALTは正常化せず,08年2月8日HCVグループ2,RNA定量3.0 Log IU/m<i>l</i>(リアルタイム法),3月21日肝生検F1A1であったため,3月25日からペグインターフェロンα2aを12週投与してHCV RNAは陰性化した.尚,07年8月頃から付き合い始めたフィアンセは刺青を有し07年11月C型急性肝炎を発生,11月28日HCVグループ2,RNA定量430 KIU/m<i>l</i>(ハイレンジ法)であった.保存血清を用いて分子系統樹解析を名古屋市立大学臨床分子情報医学教室において行ったところ患者とフィアンセはおなじ感染ルートであることが推測された.日本のC型慢性肝炎は高齢化し治療に難渋しているが,若い世代を中心に麻薬や刺青によるC型肝炎感染が散見され性交渉によってさらに拡大しているとも言われている.C型肝炎は感染早期にインターフェロンを投与した方が治療効果は高く早期治療が望ましい.若い世代に対する積極的HCV対策も今後は必要である.<br>
著者
岩瀬 弘明 村田 伸 阿波 邦彦 松尾 奈々 山﨑 康平 米山 智彦 小松 直正 重田 裕子 窓場 勝之
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.163-167, 2013 (Released:2013-05-24)
参考文献数
22

本研究の目的は,高齢入院患者を対象に,異なる歩行速度における下肢筋力の貢献度を明らかにすることである。方法は,入院中の高齢患者13名を対象に,光学式歩行分析装置を用いて最速歩行と最大低速歩行の歩行パラメーターを計測した。また下肢筋力の代表値として,大腿四頭筋筋力と足把持力を評価した。歩行条件別に下肢筋力との関連を検討した結果,足把持力は最大低速歩行時の歩行率,歩幅,重複歩距離,立脚時間,遊脚時間との間に有意な相関が認められた。一方,大腿四頭筋筋力は最速歩行時の歩行率,立脚時間,遊脚時間との間に相関を示す傾向が認められた。最速歩行時の足趾把持力および最大低速歩行時の大腿四頭筋筋力は,すべての歩行パラメーターと有意な相関は認められなかった。これらの知見から,足把持力は最大低速歩行時の姿勢の安定化に関与している可能性が示された。一方,大腿四頭筋筋力は,身体を前方へ進める推進力としての役割が大きいことが推察された。