著者
戒能 俊邦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.1125-1130, 1998-10-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
31

非線形光学材料の応用の一つに波長変換特性を活用した超高速光信号検出用光サンプリング (OS), および電気光学効果を活綱した超高速集積回路診断用電気光学サンプリング (EOS) がある.従来,これら超高速サンプリング素子としてKTPなど無機系非線形光学材料が検討されているが,大きな非線形光学効果を有する有機材料を用いることによって高感度OS, EOSの実現が期待できる.本論では実用的素子応用をねらいとする有機非線形光学材料として,分子結晶,イオン結晶,および電気光学高分子を取りあげ,情報の高感度,高速検出・処理素子への適用に向けた研究・開発状況,応用への課題対応を紹介する.
著者
松井 崇行 小松 京嗣 戒能 俊邦
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子学会予稿集 第52回高分子討論会
巻号頁・発行日
pp.628, 2003 (Released:2007-12-04)

透明性に優れるコアと光機能性コアを結合した接合型光導波路の作製に際し、煩雑な工程を含んだ反応性イオンエッチングプロセスに代わる、光架橋性高分子とSoftLithography法を組み合わせたプロセスを検討した。
著者
水野 寛隆 Jordan Shane 杉原 興浩 戒能 俊邦 岡本 尚道 大濱 元嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.136, pp.11-16, 2004-06-16

簡単で低コストな大口径高分子光導波路の作製方法及びプラスチック光ファイバ(POF)に対するパッシプアライメントを可能にするレプリカ構造の簡単な作製、高分子光導波路とPOFとの簡単な接続方法を提案する。高分子光導波路は凸形状のフォトレジストオリジナルマスタから三回の複写工程を経て作製した。作製したコア径500μmと1000μmの光導波路は、0.21-0.23dB/cm(650nm)の低い伝搬損失を実現した。コア部とファイバガイド部を持つオリジナルマスタから、パッシブアライメントを実現するためのコア部とファイバガイド部用溝を有するレプリカ構造が簡単に形成できた。また高分子光導波路は、POFをファイバガイド溝中に取り付けることにより簡単に結合することができ、980μmコア径のPOFと接続する場合、光導波路のコア幅が900μmのとき結合損失が最小(1.6dB)となった。
著者
杉原 興浩 戒能 俊邦
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.576-580, 2004-09-15 (Released:2010-01-12)
参考文献数
25

In recent broadband photonic network system, high speed optical data transmission is required. Electrooptic (EO) polymers are attractive because of their large nonlinearity, fast response time and ease of device fabrication. Therefore the EO polymers are expected for the application of ultra-high speed EO switch and/or wide bandwidth EO modulator, both of which will be used in future photonic network. In this report, recent progress of EO polymers and their application to waveguide type devices are described.
著者
杉原 興浩 岡本 尚道 小松 京嗣 戒能 俊邦 白井 宏政 芦高 秀知 江上 力 秋月 隆昌
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

情報通信分野における急速な情報量の増加により、光導波路を用いたモジュール間あるいはボード間の光インターコネクションの研究が活発に展開されている。本研究では、高耐熱性・優れた透明性を備えた樹脂を開発し、それを用いて光導波路デバイスを作製・評価することを目的とする。材料として高いガラス転移温度を有するポリアリレート樹脂を開発し、現行樹脂の欠点を克服し、これまでにない優れた光学特性を有する材料を得る。また該樹脂を光導波路デバイスに応用し、ポリアリレート高分子光導波路作製において、光インターコネクションや宅内・車載LANに応用できる低損失マルチモード光導波路(コア径:30〜100μm)を実現する。従来のポリアリレートは、200℃以上の耐熱性を有していたが、その構造にC-H結合を多く有するため、赤外域での吸収損失が無視できなかった。そこで、C-H結合の一部をC-F結合に置換したフッ素化ポリアリレートを開発し、その材料としての特性を評価した。その結果、ガラス転移温度は基本的なポリアリレートであるU-100と比べて30℃上昇し、耐熱性が向上していることが明らかとなった。また、可視〜赤外の広い領域でU-100と比較して透明性が向上しており、光導波路コア材として適していることも明らかとなった。このフッ素化ポリアリレートを用いて、フォトリソグラフィ及び反応性イオンエッチング法でコア径90μm及び30μmのマルチモード光導波路を作製した。また、ポリアリレートは、電子線直接描画と熱現像により微細加工できるが、フッ素化ポリアリレートにおいては、微細加工に必要な電子線照射量がU-100の1/20で良いことがわかり、材料の電子線感度が大幅に向上することが新たに発見された。