著者
斎藤 久美
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.710-723, 2005-10-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
26

本研究は,韓国の地方中心都市である清州市を対象とし,都市における血縁組織の形成とその変容を,村落から都市への人口移動との関連から明らかにすることを目的とした.韓国の都市における血縁組織の形成は,1960年代以降,首都ソウルに人口が集中するとともに同族集落からの転入者によって,ソウルなどの大都市に形成される動きがみられるようになった.清州市の血縁組織は,清州市への人口集中が著しくなった1970年代以降活発に形成されたという.一方,清州市の血縁組織は,1970年代に忠清北道内の同族集落から清州市に転入した経済的・社会的成功者たちを中心に,同族集落との連絡を補うために形成された.その後,都市の血縁組織は,各同族集落からの転入者を会員に迎え入れ成長したが,その中で,就職の斡旋や住居地の紹介など,転入者の都市定着支援などの役割も補う例もあった.都市の血縁組織は都市居住者が増大するにしたがって,都市住民のニーズに応じ,血縁組織が細分化されるなど,社会状況に応じて変容し続けている.
著者
廣瀬 俊司 建林 学 斎藤 久美 吉川 悟
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.864-872, 2015-07-01 (Released:2017-08-01)

目的:The American Academy of Orofacial Painの用語集において,ブラキシズムは,「歯のグラインディング,喰いしばり,噛みしめなど昼間や夜間の異常機能であり,無意識下で起こり,咀嚼に因らない歯面磨滅より診断される」と定義されている.機能障害ではないが,その行動の頻度と強さによる影響が生体の耐性を超えたとき,顎口腔系に破壊的な影響を及ぼすため,適切な治療が必要とされる.しかしながら,その原因がはっきりしないため,対症療法として,主にスプリント療法が行われている.そのため本稿では,ブラキシズムによる顎口腔系の崩壊を予防するために,歯科診療室でブラキシズム患者のストレス状態を自己評価に基づき数値化する質問紙(Stress Self Evaluation Check List:ストレス・チェック)と自我状態の機能を測定するためのエゴグラムを用いて,ブラキシズムに関連する心理的要因について明らかにすることを目的とした.対象と方法:対象は327名(男149名,女178名)で平均年齢は(±標準偏差)50.5歳±17.3であった.歯科医師の診断により110名のnon-bruxer群と217名のbruxer群に分類された.自我状態の5因子(批判的な親;CP,保護的な親;NP,大人;A,自由な子ども;FC,順応した子ども;AC)とストレス度を独立変数として,ブラキシズムの有無を従属変数として,多重ロジスティック回帰分析を行った.結果:ブラキシズムの有無に対して有意な関連因子は,CP(オッズ比は1.081〔p<0.05〕),NP(オッズ比は0.929〔p<0.05〕),AC(オッズ比は1.103〔p<0.01〕)およびStress(平均値のオッズ比は2.687〔p<0.01〕)の4項目であった.AとFCについては,統計学的には有意な関連は認められなかった(n.s.).結論:ブラキシズムのリスク要因として,ストレス得点とエゴグラムの5因子(CP,NP,A,FC,AC)について,関連性を探求したが,A,FCは統計学的に有意な関連性は認められなかった.一方,Stress,CP,ACの得点が高い人にはブラキシズム(をしている人)が多く,NPの得点が高い人ではブラキシズムをしない人が多いことがわかった.
著者
斎藤 久美
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.710-723, 2005

本研究は,韓国の地方中心都市である清州市を対象とし,都市における血縁組織の形成とその変容を,村落から都市への人口移動との関連から明らかにすることを目的とした.韓国の都市における血縁組織の形成は,1960年代以降,首都ソウルに人口が集中するとともに同族集落からの転入者によって,ソウルなどの大都市に形成される動きがみられるようになった.清州市の血縁組織は,清州市への人口集中が著しくなった1970年代以降活発に形成されたという.一方,清州市の血縁組織は,1970年代に忠清北道内の同族集落から清州市に転入した経済的・社会的成功者たちを中心に,同族集落との連絡を補うために形成された.その後,都市の血縁組織は,各同族集落からの転入者を会員に迎え入れ成長したが,その中で,就職の斡旋や住居地の紹介など,転入者の都市定着支援などの役割も補う例もあった.都市の血縁組織は都市居住者が増大するにしたがって,都市住民のニーズに応じ,血縁組織が細分化されるなど,社会状況に応じて変容し続けている.
著者
斎藤 久美
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.710-723, 2005-10-01
参考文献数
27

本研究は,韓国の地方中心都市である清州市を対象とし,都市における血縁組織の形成とその変容を,村落から都市への人口移動との関連から明らかにすることを目的とした.韓国の都市における血縁組織の形成は,1960年代以降,首都ソウルに人口が集中するとともに同族集落からの転入者によって,ソウルなどの大都市に形成される動きがみられるようになった.清州市の血縁組織は,清州市への人口集中が著しくなった1970年代以降活発に形成されたという.一方,清州市の血縁組織は,1970年代に忠清北道内の同族集落から清州市に転入した経済的・社会的成功者たちを中心に,同族集落との連絡を補うために形成された.その後,都市の血縁組織は,各同族集落からの転入者を会員に迎え入れ成長したが,その中で,就職の斡旋や住居地の紹介など,転入者の都市定着支援などの役割も補う例もあった.都市の血縁組織は都市居住者が増大するにしたがって,都市住民のニーズに応じ,血縁組織が細分化されるなど,社会状況に応じて変容し続けている.