著者
阿部 建太 髙橋 大輔 早川 慶寿
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1821, (Released:2019-11-08)
参考文献数
31

マダラヤンマはため池を主な生息場所とするヤンマ科のトンボであり、長野県上田市において天然記念物に指定されている。本種は、環境省ならびに長野県において準絶滅危惧種に指定されており、個体数の減少が危惧されている。本種の保全策を検討するために、上田市塩田平において本種の生息とため池および周辺の環境要因との関係性を調べた。その結果、マダラヤンマが生息するため池は生息が確認されなかったため池よりも池畔において抽水植物群落が存在する比率(池畔抽水植物率)が高かった。また、一般化線形モデルの解析結果から、本種の在 /不在に対して池畔抽水植物率に加え、ため池周辺の森林面積ならびにリンゴ果樹園面積が有意な正の効果を持つことが明らかとなった。これらの結果は、抽水植物を産卵基質として利用するという本種の繁殖生態と矛盾しないと思われた。また森林面積が関係していた理由は、本種が成熟のために一時的に森林に移動するためであると思われた。また、ため池に隣接する果樹園でのルートセンサスにおいて本種の生息が確認されたことから、果樹園は森林の代替地として利用されるのかもしれない。今回の調査結果から、マダラヤンマの保全を検討する上で、ため池内だけでなく周辺の環境要素にも配慮することが重要であると共に、本来の生息環境の保全や復元が困難な場合、農業生産という経済的な利益を伴った代替可能と思われる環境を創出することでも、一定の保全効果が得られる可能性があると考えられた。
著者
鬼塚 克忠 陳 佩杭 TONG Peihua 根上 武仁 早川 慶
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.287-295, 2008-01-09 (Released:2008-01-09)
参考文献数
13
被引用文献数
3 1

佐賀県の吉野ヶ里墳丘墓は「版築状」に構築されており,この構築技術は古代中国から伝わったと考えられる。著者らは黄河流域における二千年前に構築された十数箇所の盛土遺跡を訪ね,その構築技術の特徴と地盤工学的特性を調査した。山東省・龍山文化時期の城子崖遺跡の城壁は厳密な意味での「版築」で構築された盛土遺跡の一例である。城子崖遺跡の調査結果から,「版築技術」は黄土をかなり高い密度に突固めることが可能であり,水に弱い黄土の欠点を補えることが分かった。黄河流域における版築盛土構造技術の出現は黄土の特異な地盤工学特性に大きく関係していると考えられる。
著者
早川 慶朗 林 ジュンタク 奥 拓郎 高比良 健太郎 李 慧勇 河盛 亮介 佐藤 彰洋
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第9回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.A-2-3, 2018 (Released:2018-11-10)

Mobility as a means of transportation is undergoing a drastic change due to popularization and in-novation of Information and Communication Technology (ICT). Autonomous car driving technologies is cur-rently under development. Among them, the concept of Mobility as a Service (MaaS) has been established, and it is an opportunity to recapture the whole Mobility as a Service. In this article, we discuss MaaS that should be used in the tourism field and attempt to design a service related to mobility from the technical innovation and regulations.