著者
尾身 朝子 時実 象一 山崎 匠
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.133-143, 2005
被引用文献数
5 3

電子ジャーナルのオープンアクセスの動きは米国の国立衛生研究所(NIH)の助成研究成果論文公開の方針で新しい段階を迎えた。NIHは2004年9月に助成研究の成果については,論文刊行後6か月以内にNIHの電子ジャーナルサービスPubMed Centralにその最終原稿の電子版を提供し,無料公開するように求める提案を行い,同時に公開意見募集を行った。その結果を受け,2005年2月に最終方針を発表したが,そこでは出版社の意向を汲(く)んで論文刊行後12か月以内に変更された。この方針は2005年5月2日から実施される。この方針が生まれるに至った経緯や影響を与えた各種運動,またこの提案・方針に関して関係団体や学会・出版社の意見などを解説した。さらにわが国の学会出版への影響についても論じた。
著者
時実 象一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.238-244, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

日米の公共図書館における電子書籍の利用状況について図書館訪問による実地調査をおこなった. 米国においてはオーディオ書籍提供の長い歴史があり, このルートの上に電子書籍が急速に普及した。2010 年には中都市以上の図書館ではほぼ100% の導入率である. 日本では東京の千代田図書館が2007 年末に先鞭をつけて以来停滞していたが, 2011 年に入り堺市図書館, 萩図書館が相次いで導入し, また鎌倉中央図書館でモニター実験がおこなわれるなど動きが出た. 米国ではOverDrive が主導し, iPad, Kindle などへの対応も始まっている. 日本ではもっぱらWBook システムが用いられている. 今後の課題について議論した.
著者
時実 象一 和田 光俊
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.745-751, 2008 (Released:2008-02-01)
参考文献数
16

電子ジャーナルの普及,Google Scholarの出現などの環境変化に対し,世界の二次情報データベースは変革を迫られている。付加価値の高いコンテンツを提供するCASやWeb of Scienceは従来路線をさらに強化する方向である。Web of Scienceを追うScopusは,研究者個人の評価に力を入れており,Citation Tracker, Author Identifierやh-indexを導入している。他のデータベースも付加価値を高めようとしており,Inspecは各種索引に力を入れ,CSA Illuminaは論文中の図表の索引を始めた。電子ジャーナル系では,雑誌取次業者Swetsは図書館に密着したデータベース提供に力を入れている。さらに学会出版社独自のScitopia検索サービスも試みられている。
著者
時実 象一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.615-624, 2000
被引用文献数
3 1

1999年11月に,欧米主要12出版社が引用文献から電子ジャーナルへの相互リンクシステムを実現することで合意した。これに基づきCrossRefプロジェクトが発足し,2000年6月には米国化学会など主要学会も含め36出版社が参加し,すでに10出版社2,700雑誌へのリンクが可能となった。CrossRefはDOI (Digital Object Identifier) をリンク先のURLに用いている。そのメカニズム,料金,影響,問題点について解説した。
著者
鈴木 良徳 時実 象一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.63-69, 2009-05-16

デジタルアーカイブ推進協議会が1996年から国内におけるデジタルアーカイブの調査を数回おこなってきたが,2005年に同協議会が解散してしまったため,その後調査が行われていない.現在の状況を把握するため,2008年6月に国内の大学図書館716館を対象にWebによるアンケート調査を実施したところ222館(31%)が回答した.それによれば現在デジタルアーカイブを実施している図書館は57館で,これは2004年調査の68館と比べてやや少なかった.しかしWeb調査をおこなったところ回答していなかった15館がデジタルアーカイブを実施しており,合計72館が実施していることがわかった.
著者
長岡 宣明 時実 象一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.529-534, 1986-11-01

STN International announced several new enhancements recently. Among them, new search and display features for full-text files such as Chemical Journals of American Chemical Society (CJACS) were described with examples. Features of BRS and those of STN were compared.