著者
森脇 喜一 船木 實 平川 一臣 時枝 克安 阿部 博 東 正剛 宮脇 博巳
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.293-319, 1989-07

第30次南極地域観測隊(JARE-30)夏隊のセールロンダーネ山地地学・生物学調査は, 1988年12月29日から1989年2月1日にかけて山地西部で, 2月2日から9日にかけてあすか観測拠点をベースに付近の小山塊で実施された。2月になってからの調査活動は, ブリザード等の強風と地吹雪で効率的でなかった。JARE-26-29の地学調査に生物班が初めて加わったが, 調査計画の立案や行動形態に特に従来と変わったところはない。ここでは, 設営面を含む行動の概要と調査の概略, 調査期間の山地近辺の気象と雪氷状況を報告する。調査の成果については別途, 各分野で詳しく報告される。
著者
森脇 喜一 船木 實 平川 一臣 時枝 克安 阿部 博 東 正剛 宮脇 博巳 Kiichi Moriwaki Minoru Funaki Kazuomi Hirakawa Katsuyasu Tokieda Hiroshi Abe Seigo Higashi Hiromi Miyawaki
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.293-319, 1989-07

第30次南極地域観測隊(JARE-30)夏隊のセールロンダーネ山地地学・生物学調査は, 1988年12月29日から1989年2月1日にかけて山地西部で, 2月2日から9日にかけてあすか観測拠点をベースに付近の小山塊で実施された。2月になってからの調査活動は, ブリザード等の強風と地吹雪で効率的でなかった。JARE-26-29の地学調査に生物班が初めて加わったが, 調査計画の立案や行動形態に特に従来と変わったところはない。ここでは, 設営面を含む行動の概要と調査の概略, 調査期間の山地近辺の気象と雪氷状況を報告する。調査の成果については別途, 各分野で詳しく報告される。The summer party of the 30th Japanese Antarctic Research Expedition (JARE-30) carried out the geomorphological, paleomagnetic, geodetic, zoological and botanical field work in the western part of the Sφr Rondane Mountains for 35 days from December 29,1988 to February 1,1989,and around Asuka Station for 8 days from February 2 to 9,1989. The field work in February was largely hampered by bad weather including blizzard. In addition to earth scientists who have been in charge of the field operation of the Sφr Rondane Mountains since JARE-26 (1985), biologists joined the field party for the first time this season under the similar planning and operating scheme formerly adopted. This is the report describing the results of field operations including logistics, a summary of the field work, and some information on weather and surface conditions of snow and ice around the Mountains during this period.
著者
広岡 公夫 時枝 克安 前川 要 宇野 隆夫 酒井 英男
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

考古地磁気学的研究は、主に遺跡に残されている焼土を伴う遺構から試料を得て、その熱残留磁化を測定して行われてきた。その結果、過去2,000年間の地球磁場の変動(考古地磁気永年変化)が相当な精度で明らかにされている。しかし、データが蓄積されてくるにしたがって、日本列島内でも、同一時代で地域的に地球磁場方位に無視できない差異が存在することが明らかになってきた。考古地磁気年代推定は、永年変化曲線を用いて行われるので、地域差が直接推定年代値に影響を与えることになる。これを避けるためには、地域差を補正した地域毎の永年変化曲線を作る必要がある。本計研究計画の年度中に、出来るだけ多くの地域でその地域の永年変化曲線をつくることを目指したが、最近データの増加が著しい北陸地方の中世(西暦500〜1550年)と、従来から古窯の考古地磁気データが多く、詳しい土器編年も行なわれている東海地方の中、近世(西暦900〜1700年)の補正永年変化曲線を得た。今まで測定例が殆どなかった、北海道の10・11世紀のデータや、青森県からも2例のみではあるが、須恵器窯のデータが得られたし、何よりも、相当数のデータが、韓国から得られたことは、東アジアの考古地磁気研究および、地磁気の地域差を考える上で大きな成果であった。また、考古地磁気年代推定法のよく焼けた焼土遺構であれば遺構の種類を問わないという特徴を有しており、その特徴を生かして、最近、鉄生産に深い関連を持つ炭焼窯が北陸地方で数多く発見され、調査されているが、それに考古地磁気測定を適用したところ、従来から予想されていた奈良・平安初期のもの、近世、近代のもの以外に、12〜13世紀の中世にも相当数の炭焼窯が存在することが明らかとなった。