著者
濱田 信夫 宮脇 博巳
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.49-60, 1998-04-25 (Released:2017-05-25)
参考文献数
80
被引用文献数
1

Far more studies on lichens as bioindicators of air pollution have been done in Europe and North America than in Japan. It is therefore necessary to grasp the background of European scicnce in this field in order to perform these difficult studies. Such studies shoud help to clarify the comprehensive influence of many air pollutants on lichens, and recent changes in the environmental situation. Remarkable studies carried out in Europe over the last 30 years, and recent reports, including those on acid rain, are reviewed. The authors discuss how to actually perform studies of lichens in Japan, based on their investigations in and around Osaka City.
著者
濱田 信夫 宮脇 博巳
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.49-60, 1998
参考文献数
80
被引用文献数
1

Far more studies on lichens as bioindicators of air pollution have been done in Europe and North America than in Japan. It is therefore necessary to grasp the background of European scicnce in this field in order to perform these difficult studies. Such studies shoud help to clarify the comprehensive influence of many air pollutants on lichens, and recent changes in the environmental situation. Remarkable studies carried out in Europe over the last 30 years, and recent reports, including those on acid rain, are reviewed. The authors discuss how to actually perform studies of lichens in Japan, based on their investigations in and around Osaka City.
著者
森脇 喜一 船木 實 平川 一臣 時枝 克安 阿部 博 東 正剛 宮脇 博巳
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.293-319, 1989-07

第30次南極地域観測隊(JARE-30)夏隊のセールロンダーネ山地地学・生物学調査は, 1988年12月29日から1989年2月1日にかけて山地西部で, 2月2日から9日にかけてあすか観測拠点をベースに付近の小山塊で実施された。2月になってからの調査活動は, ブリザード等の強風と地吹雪で効率的でなかった。JARE-26-29の地学調査に生物班が初めて加わったが, 調査計画の立案や行動形態に特に従来と変わったところはない。ここでは, 設営面を含む行動の概要と調査の概略, 調査期間の山地近辺の気象と雪氷状況を報告する。調査の成果については別途, 各分野で詳しく報告される。
著者
森脇 喜一 船木 實 平川 一臣 時枝 克安 阿部 博 東 正剛 宮脇 博巳 Kiichi Moriwaki Minoru Funaki Kazuomi Hirakawa Katsuyasu Tokieda Hiroshi Abe Seigo Higashi Hiromi Miyawaki
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.293-319, 1989-07

第30次南極地域観測隊(JARE-30)夏隊のセールロンダーネ山地地学・生物学調査は, 1988年12月29日から1989年2月1日にかけて山地西部で, 2月2日から9日にかけてあすか観測拠点をベースに付近の小山塊で実施された。2月になってからの調査活動は, ブリザード等の強風と地吹雪で効率的でなかった。JARE-26-29の地学調査に生物班が初めて加わったが, 調査計画の立案や行動形態に特に従来と変わったところはない。ここでは, 設営面を含む行動の概要と調査の概略, 調査期間の山地近辺の気象と雪氷状況を報告する。調査の成果については別途, 各分野で詳しく報告される。The summer party of the 30th Japanese Antarctic Research Expedition (JARE-30) carried out the geomorphological, paleomagnetic, geodetic, zoological and botanical field work in the western part of the Sφr Rondane Mountains for 35 days from December 29,1988 to February 1,1989,and around Asuka Station for 8 days from February 2 to 9,1989. The field work in February was largely hampered by bad weather including blizzard. In addition to earth scientists who have been in charge of the field operation of the Sφr Rondane Mountains since JARE-26 (1985), biologists joined the field party for the first time this season under the similar planning and operating scheme formerly adopted. This is the report describing the results of field operations including logistics, a summary of the field work, and some information on weather and surface conditions of snow and ice around the Mountains during this period.
著者
宮脇 博巳
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

遺伝子資源として,現在生物多様性は重要視され,かつて役に立たないと考えられていた生物にも注目されるようになった.しかし,皮肉にも急速に地球上から,不自然な形つまり,人間の活動により急速に絶滅が進んでいる.かつて,汚染源近くでの環境変化についての研究は多くなされたが,近年では人里の地衣類にも急速に異変が現れてきた.しかし,定量的な調査はなく,個々の研究者の体験的な発言が中心であった.今回の奨励金により1983年頃まではLecanora muralisの生存が確認された11箇所のうち,鳥取県若狭町と広島市旧広島大学キャンパス理学部一号館の屋上だけであった.そのうち,活力の指標とされる生殖器官である子器が確認されたのは後者だけであった.広島市以外は,近くに汚染源がなかった.一方,1945年の原爆投下にも耐えた広島大大学旧理学部1号館に大量のサンプルが採集されたのは,予想外であった.赤レンガ上ではなく,赤レンガを埋める戦前のセメントに限って生育している点は興味が持たれた.一方,共生菌の胞子発芽様式も研究した.基礎的なデータを蓄積し,分類群ごとに発芽様式に共通性があることが判明した.推察の段階であるが,この約20年間の間に大陸からの酸性雨等の影響により全国的に人里の地衣類であるLecanora muralisの生育が減少した.一方,旧式のセメントの上は,pHなど何らかの原因で共生菌の発芽を助長している仮説を得るまでにとどまった.
著者
宮脇 博巳
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

佐賀市内のオニバスを佐賀大学噴水池に移植栽培し2003年度に549個,2005年度に200個の種子を採集した.これらの種子使って実験室で種種の条件で栽培した.以下にその研究の概要を箇条書きにする.1,野外観察により富栄養な水質と底土があり,年間を通して流れが緩やかで,水位が安定している場所を好んでオニバスが生育していることが判明した.2.農薬,河川の清掃などによってオニバスは,絶滅の危機へと追い込んでいると思われた.3.オニバスの移植栽培は適した水質と底土さえあれば比較的簡単に行え,種子も採集することが判明した.4.オニバスの発芽は低温処理と珠孔の蓋の除去を行い,水温を20〜26℃に保てば,発芽率を約10%に上げることができた.